京都・洛西

2018.11.06

京都・洛西 秋の境内2018 ~仁和寺 11.3~

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仁和寺には毎年桜の時期に来ていますが、今年はタイミングが合わなかったので見合わせました。このため、訪れるのは1年半ぶりとなります。

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仁王門を潜って少し驚いたのは勅使門が開いていた事です。通常は閉じられていて、天皇の行幸や勅使が訪れた時にのみ開かれるものなのですが、この日はなぜが開け放たれていました。ちょっと珍しい光景なので思わずパチリ。

中を覗いて見たのですが、屋根にブルーシートが被されている建物があり、ここでも台風の被害があった事を伺わせる光景でした。

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紅葉は一部の木で始まっていました。御室桜はほぼ散っており、もみじはこれから本格化するところですね。綺麗に色づくかどうかは謎です。

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もう一つ、この日時別公開されたのが観音堂でした。6年間に及ぶ半解体修理が完了した事を機に一日だけ無料公開が行われたのです。観音堂は修行の場とされ、普段は一般公開されておらず、特別公開もこれまで無かったですね。まだ仏像などは元に戻されていませんでしたが、綺麗に修復された壁画などを拝観する事が出来ました。

壁画は観音の世界が描かれており、下部には地獄図が描かれるという興味深いものでした。この日訪れられなかった方も心配は無用で、5月15日から7月15日、9月7日から11月24日の春、秋の2回特別内拝が行われますので、興味のある方は訪れられては如何ですか。拝観料は1000円という事です。

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2018.11.05

京都・洛西 秋の特別拝観2018 ~仁和寺~

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御室・仁和寺で秋の特別拝観が行われています。特別拝観自体はこれまでにも何度となく行われてきており、金堂や経堂は私も拝観した事があります。しかし、今回初めて一般公開されるものがありました。それが金堂裏の五大明王壁画です。

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金堂は元は御所の紫宸殿だったものを移築した建物で、蔀戸などにその名残を見る事が出来ます。内部は内陣と外陣に分かれており、出家者の世界である内陣には阿弥陀三尊像が配され、壁には荘厳な壁画が描かれています。一般の参拝者が入れるのは外陣までで、これまでの公開でも入れるのは外陣だけでした。しかし、金堂にはもう一つの部屋があったのですね。

それが内陣裏の部屋で、その存在はこれまで一般には知られていませんでした。そこに描かれているのが五大明王図で、普段は暗闇に閉ざされた部屋にひっそりと存在し続けてきたのですね。

明王とは密教独特の信仰対象で、それぞれ仏が化身した姿とされます。正面左から順に、

1.金剛夜叉明王

馬の様なたてがみと牙を持ち、その牙で一切の苦しみや悪、煩悩を噛み砕いて飲み込んでしまうとされます。不食、拒食の人に霊験あらたかで、この尊の加持した食物を与えればたちまち完食してしまうと言われます。不空成就如来の化身。

2.降三世明王

大日如来が須弥山山頂で「金剛頂経」を説こうとしたとき、大自在天たちが仏勅に従わなかったため、大日如来がこの降三世明王に変化し、大自在天たちを屈服させました。この尊が両足で踏みつけているのは大自在天とその妻の烏摩妃です。

3.不動明王

五大明王の中心となる明王。大日如来の化身で、真言宗だけでなく、天台宗、禅宗、日蓮宗等の日本仏教の諸派、さらに修験道で幅広く信仰されています。

4.軍荼利明王

手に甘露の智水を入れる水瓶を持ち、経典では悟りを妨げる魔を除くと説かれており、密教における結界を司ります。宝生如来の化身。

5.大威徳明王

六面六臂六足の姿を持つ尊で、善人に悪意を抱く者や危害を加えようとする者を懲らしめ、悪人の呪詛を破り、悪夢を消滅し、悪病を除く事に霊験あらたかとされます。阿弥陀如来の化身。

(以上パンフレットから抜粋)

の五つの明王像が描かれています。

描かれてから370年以上経ていますが、ずっと日光に当たること無く保存されてきたため、昨日描かれたばかりのように鮮やかで、その精緻な筆使いまで見て取れますよ。確かにこれは必見ですね。

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経蔵は1640年代に建設されたもので、内部に八角輪蔵があります。この輪蔵には一切経が収められており、これを回転させるだけで全ての経典を読んだのと同じ功徳があるとされます。

特別拝観は800円、12月16日までの開催となっています。一つ注意すべきは拝観受付が金堂前となっている事で、それを知らない人たちが御殿の拝観受付の前に長い行列を作っていました。特別拝観だけで御殿に入らないのなら、行列に並ばずに直接金堂前に行けば受け付けてもらえますよ。そのあたり、何の説明も無いのは何だかなあという気がします。

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2018.10.01

京都・洛西 彼岸花2018 ~嵯峨野 9.22~

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雨続きだった今年の9月にあって、久しぶりに秋晴れとなった9月22日の嵯峨野です。この日は彼岸花が見頃を迎えていました。

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この赤い花には青空が良く似合いますね。花も久しぶりに日の光を浴びて伸びをしているかの様です。

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雨風のせいでしょうか、稲が倒れている田がいくつもありました。こうなってしまっては、機械刈りは無理なのでしょうね。手で刈り取るとなると大変なんだろうな。なお、真ん中で飛んでいる鳥の様なものは、鷹の形をした空飛ぶ案山子です。

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稲刈りの終わったあぜ道では、雑草に負けず彼岸花が群落となって咲いていました。市内の社寺ではせっかく植えた彼岸花が何年かすると消えてしまう事もあるのですが、野外では旺盛な繁殖力を見せます。これって、何が違うのでしょうね。ここで生きてきた年季が違うという事なのかしらん。

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写真を撮っていると、道行く親子が線香花火みたいな花だねと話しながら歩いて行きました。なるほど、言われてみれば、確かにそう見えなくもないですね。秋に灯された、少し儚げな花火かな。ちょっと大きいですけどね。

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2018.09.04

京都・洛西 9月の京都 ~彼岸花 嵯峨野~

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京都の彼岸花の名所として大原と並ぶのが嵯峨野歴史的風土特別保存地区です。位置としては広沢池と大沢池の間になり、昔ながらの田園風景の中に咲く彼岸花を見る事が出来ます。彼岸花は地区内の至る所で咲いていますが、どちらかと言えば大沢池に近いほど多いかな。

交通手段としてはやはりバスになります。大覚寺前から大沢池の裏側を通って行けば、10分程で田園風景の中に出る事が出来ます。後は足の向くままに歩いて行けば、そこかしこで彼岸花を見る事が出来ます。秋の野道をのんびりと歩いて回るのも良いものですよ。

あるいはレンタサイクルを借りて行くのも一つの手です。嵐電の嵐山駅にあるらんぷらレンタサイクルなら2時間まで500円で借りる事が出来ます。2時間もあれば、広い特別保存地区でも楽に一周出来ますよ。

ここも年によって見頃の時期が前後しますが、やはり彼岸前後が一番多いかな。稲刈りの遅い年には、黄色く染まった田園風景の中に、赤い彼岸花の列を見る事が出来ます。これぞ日本の秋という様な景色が素敵ですよ。

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2018.08.27

京都・洛西 愛宕古道街道灯し2018

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化野念仏寺の千灯供養に合わせる様にして行われるのが愛宕古道街道灯しです。1996年に始まった行事で、鳥居本の地蔵盆の一環として行われているそうです。

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灯籠を作っているのは京都嵯峨芸術大学の学生と、地元の小学生たちです。手作り感満載ながら、地元ならではの題材ばかりで、嵯峨野の夜を美しく彩っています。

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このあたりは京都嵯峨芸術大学製かな。師走の嵐山花灯路にも似たような灯籠が飾られていますよね。未来の芸術家たちが作った灯りです。

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こちらはたぶん小学生が作った灯籠なのでしょう。大文字や渡月橋など、地元の子供たちが選んだ絵柄が並びます。

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街道灯しは千灯供養の参拝者の足下を照らす意味もあるのでしょうね、この灯りのおかげで念仏寺への行き帰りが明るくなって有り難いです。

道ばたからは虫の声も聞こえ、季節の移り変わりを感じた一時でした。

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2018.08.25

京都・洛西 化野念仏寺 千灯供養2018

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平成30年8月24日、化野念仏寺で千灯供養が行われました。京都の夏に終わりを告げる行事の一つです。

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化野念仏寺に祀られたおびただしい石仏は、かつてこの地で風葬にされた人たちを弔うためのものでした。いつしかそれが地に埋もれてしまっていたのですが、明治の中頃に念仏寺の境内に集められ、現在の様な姿になったとされます。

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千灯供養は、そんな無縁仏を供養するために、寺の信者や地元の人々によって始められたもので、次第に広く知られる様になり、より多くの人々を集める様になりました。

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そして今では外国人向けのガイドブックにも取り上げられているのでしょうね、こうした外国の方々の姿も見られます。宗教は違っていても、亡くなった人たちを弔う気持ちには変わりは無いという事かな。

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千灯供養は毎年8月23日と24日に行われます。丁度地蔵盆の時期と重なっており、地元の子供たちにとっては行事の一部なのでしょうか、次々にロウソクを供えては拝んでいる姿が印象的でした。

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今年は平日で、かつ台風の影響もあってか、例年よりも参拝者の数が少なめでした。その減った分のロウソクを地元の有志や子供たちが埋めていた形でしたね。来年は土曜日に重なるため、もっと多くの人出がある事でしょう。

無縁仏を弔う灯りが美しい景色を現出する、静かな洛西の風物詩です。

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2018.07.13

京都・洛西 大映通り商店街

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太秦広隆寺駅から西に延びる道に大映通りがあります。かつてこの付近にあった大映京都撮影所にちなんだ通り名です。

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大映通りは三条通りに並行して通る道で、嵐電の駅で言えば太秦広隆寺駅と帷子ノ辻駅の間を繋いでいます。元はと言えば、毎月5日、15日、26日に夜店が出る夜店通りと呼ばれていたのですが、その後様々な商店が出店するに及び、大映通り商店街が形成されたのでした。

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2013年には、通りのシンボルとして大魔神像が置かれました。大魔神と言っても知っているのは私の世代以上の人でしょうけど、昭和41年に公開されて大ヒットした映画の主人公で、普段は穏やかな顔をした土の魔神が、ひとたび怒り出すと憤怒の表情に変わり、悪人を退治するというストーリーでした。今風に言うとゴーレームの様なものかしらん。

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この通りを歩いてすぐに気がつくのが、道の両端に描かれた白黒の破線と、規則的に敷かれた石積みの横線です。つまりは道そのものが映画フィルムになっているのですね。大映の撮影所は既にありませんが、近くには東映太秦映画村があり、映画好きの人は一緒に訪れてみるのも一興ですよ。商店街としても色々な店があるし、中には映画関係の店もありますからね。

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2018.07.04

京都・洛西 弥勒菩薩半跏思惟像の寺 ~広隆寺~

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広隆寺は603年に創建されたという、京都最古の寺です。嵐電にも太秦広隆寺という駅があり、門前に嵐電が通る事でも知られます。私も一日一鉄を真似して撮ってみましたが、難しいものですね。撮り鉄としてはまるで駄目です。

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広隆寺を建てたのは秦河勝。大陸から渡来し、このあたり一帯を支配していた秦氏の出身ですね。太秦という珍しい地名も秦氏に由来します。

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広隆寺は、秦河勝が聖徳太子から仏像を賜って建てたとされます。その仏像が弥勒菩薩半跏思惟像。彫刻としては国宝第一号で、教科書にも載っていたので知っている人も多いことでしょう。

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細身の美しい仏様で、物思いに耽っている様な姿はいつまで見ていても飽きる事はありません。宝物殿には他にも沢山の優れた仏像が展示されているのですが、弥勒菩薩半跏思惟像は別格ですね。

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ここに来るのは学生時代以来2度目なのですが、まるで覚えていませんでした。そもそもこんなに広かったかしらん。弥勒菩薩半跏思惟像だけが目当てだったから、他は目に入らなかったのかな。でも、変わらぬ美しさを持った仏様に再会出来て、幸せなひとときでした。

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2018.07.03

京都・洛西 沙羅の花2018 ~鹿王院~

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嵐電で嵐山駅の二つ手前に鹿王院駅があります。その名の通り、臨済宗の古刹、鹿王院がある駅です。

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鹿王院は足利義満が自らの長寿を願って建てた寺。現世利益を願って建てた寺というのは、ちょっと珍しいんじゃないかしらん。

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鹿王院は、知る人ぞ知る沙羅の寺。沙羅の木は庭の奥にあるのですが、この日は客殿の廊下に、水盆に落花が入れて置いてありました。

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沙羅の花とはつまりは夏椿の事で、本物の沙羅の花とは違います。しかし、インドの沙羅の木は日本では育たないので、葉が似ている夏椿を沙羅に見立てたと言われます。あるいは、一日で散ってしまうので、諸行無常の風情を持つからだとも。

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まだそれほど痛んでいない花が、地面一面に散らばった様子は、確かに諸行無常を感じさせますね。平家物語の一節もさもあらんという気がしてきます。この季節ならではの景色ですね。

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2017.12.13

京都イルミネーション情報 ~ローム~

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京都市内で最も有名で、大規模なイルミネーションと言えばロームのイルミネーションでしょうか。一時期の中断を挟みながらも1995年から続くこのイベントは、すっかり京都の風物詩となっています。

そのイルミネーションで象徴的なのが、佐井通のメタサコイア並木です。まだ枯れきっていないメタセコイアがライトアップされる様は、幻想的ですらありますよ。ただ、今年はもしかしたら既に葉が散っているかもしれませんね。

イルミネーションは中堂寺南通や名倉公園でも行われており、芝生広場では光のアンサンブルとして、立体的に動く様に見えるイルミネーションが施されています。また、土日祝日にはホリデーイベントとして、アカペラショーやパフォーマンスショーが行われます。このホリデーイベントは昨年から実施される様になったのですが、人出が一気に増えて大変賑わう様になりました。子供連れには特に人気がある様ですね。

難を言えば交通の便が少し悪いことで、市バスに頼るほかない事かな。バス停の西大路五条から歩いて5分程度ですが、市内中心部からだと意外とバスの路線や本数が限られてしまいます。いっそ京都駅に出て、そこから乗り換えた方が早いかもしれません。

ロームのイルミネーションは12月25日までです。イベントの詳細等はロームのホームページにてご確認下さい。

位置図

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