西郷どん

2018.08.12

西郷どん 第三十回 「怪人 岩倉具視」

一橋派を朝廷と切り離すべく活動を始めた西郷。
しかし、肝心の孝明帝が慶喜を信頼しきっており、全く上手くいきません。
その最中、ヤモリとあだ名された岩倉具視の名を聞いた西郷。

岩倉村。
岩倉に金を届ける一蔵。
その金をひったくるようにして受け取り、
このままでは終わらないとつぶやく岩倉。

薩摩藩邸。
民草は天子様の子であり、身分の差は無い、
そう記した岩倉の手紙を読み、会わせて欲しいと一蔵に頼む西郷。
あれはただの物乞いだと一蔵。

岩倉はかつて和宮降嫁を実現させた凄腕でした。
しかし、その後政争に敗れ、都を追い出されたのでした。

岩倉隠棲地。
岩倉を訪ねてきた西郷と一蔵。
一歩足を踏み入れたとたんにくせ者避けの罠にかかってしまいます。
高笑いする岩倉。

岩倉に飯を振る舞われる西郷と一蔵。
毒が入れてあると言われ、思わず吹き出す西郷。

西郷の素性を詳しく知っていた岩倉。
侍の世は終わると岩倉。
斉彬も同じ事を言っていたと西郷。

幕府は要らないと思っているのかと西郷。
そんな話で来たのかと岩倉。
金を差し出す西郷。
それを受け取り、力になってやろうと岩倉。

夕方。
賭場を始めた岩倉。

岩倉に誘われ、賭けを始めた西郷。しかし、連戦連敗です。

賭場の客で連勝続きの男。
それは桂小五郎でした。

賭場の帰りに桂に追いついた西郷と一蔵。

長州と手を組みたいと思っていると西郷。
薩摩に恨みこそあれ、話す事などないと桂。


刀を抜き、一触即発の桂と一蔵。
間に入ってその場を納めた岩倉。

幕府に勝つための方法を教えてやる、その前に金をと岩倉。
自分は帰ると一蔵。
西郷には博打の負け分を返せと、御庭番を命ずる岩倉。

慶喜邸。
慶喜を江戸に戻すための使者。
その命令文を破いた慶喜。
自分が京に居るのは天子様のお望みだと慶喜。

ふきにサボンを贈ってやる慶喜。
どこか不満げなふき。

一人、岩倉の下で雑用をこなす西郷。
汚い納戸。そこに隠されていた立派な着物。

箱に隠されていた有力者たちへの手紙。
そこには倒幕もやむなし、
そのためには長州と薩摩の手を握らせる必要があると書かれていました。

すべては夢物語だと岩倉。
すべては天子様の御心次第と西郷。

自分は蟄居、息子たちも閑職の身、岩倉家は天子様に嫌われたのだと岩倉。
岩倉の考えはこの国に要りようだ、必ず天子様からの呼び出しがあると西郷。
自分は日の目を水に死ぬ運命、帰れと西郷を追い返した岩倉。

岩倉の夥しい手紙を前に考え込む西郷。
あの男は駄目だ、もう諦めろと一蔵。
あの着物は、いつ呼美戻されても良い様に手入れがしてあると西郷。

岩倉家。
西郷の負け分の金を持って岩倉を訪ね、もうこれっきりだと一蔵。
そこに大勢の二才たちを釣れて現れた西郷。
彼らは岩倉の手紙を読んで感激してやって来たのでした。
話を聞かせてくれと願う一同。
そこに書いてある事はみんな嘘、自分は天子様から忘れられた身だと岩倉。
そこに現れた岩倉の息子、周丸。彼は天子の勘気を解かれ、
天子様の近くに戻れたと告げます。
そして、天子様の言葉として、岩倉の事は決して忘れていないと伝えました。
感激のあまり叫びながら、
今ずく天子様にお会いしたいと御所に向かって拝跪する岩倉。
そしてすぐに立ち直り、麻呂の有り難い話を聞かせてやる、
その前に木戸銭だと岩倉。

このままでは終わらないと岩倉。

「今回は岩倉具視との出会いが描かれました。実際の出会い方がどうだったかは判りませんが、ドラマ仕立てとしては面白かったと思います。特に笑福亭鶴瓶の怪人ぶりが見事にはまっていますね。」

「岩倉具視の隠棲地には先日訪れてきましたが、岩倉実相院近くにありました。今は周辺は開けていますが、当時は周辺に何も無い片田舎だった事でしょう。また、現在はすっかり手を入れられて綺麗になっていますが、たぶんひどいあばら屋だったものと思われます。」

「岩倉は元々は幕府寄りの公家で、公武合体の象徴としての和宮降嫁に力を尽くした事で知られます。公家の中では辣腕家とされていましたが、尊王攘夷派が台頭して来ると政争に敗れて失脚し、都から追放されてしまいます。」

「蟄居後は、尊攘派からの襲撃に怯えながらも、かつての辣腕ぶりを知る薩摩藩などが接触を図り、その影響から幕府寄りから反幕的な立場へと変貌を遂げます。」

「ドラマでは屋敷で賭場を開帳していましたが、実際にもそうだったようですね。というより、下級公家の間では当たり前の事だったとか。岩倉と言えば喧嘩上手で知られますが、そうした賭場に出入りする様な階層との付き合いが岩倉をして公家らしくない人物像を形作ったのかも知れません。」

「慶喜が孝明帝の信認を厚く受けていたのは有名な話で、幕府の生命線でもありました。この二人の仲を裂くことなど容易な事ではないのは誰の目にも明らかでした。逆に言えば、反幕派にとっては、他ならぬ天皇その人が大きな壁となっていたのです。」

「桂と西郷、大久保のやりとりはす完全な創作です。お互い名は知っていたでしょうけど、実際に会った事はあるのかしらん。その辺は謎ですね。」

「次回はいよいよ龍馬が出てくる様ですね。主役ではないけれど、やはり龍馬が出てくるとなるとわくわくするなあ。ちゃんと活躍の場を与えてあげて欲しいものだと願うばかりです。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.08.05

西郷どん 第二十九回 「三度目の結婚」

1年ぶりに鹿児島に帰った西郷。
数々の活躍により、すっかり人気者になっていました。

茂久と久光に拝謁した西郷。
上機嫌の茂久に対し、未だに西郷にわだかまりのある久光。
形ばかりの久光の言葉に、丁重に礼を言う西郷。

とある河原。
もはや幕府は要らない、潰すしか無いと西郷。
驚く一蔵。
力を貸してくれと西郷。
とてもついて行けないと一蔵。

子供たちと鰻獲りに興ずる西郷。
その様子を橋の上から見ている糸。
何やら大荷物を持たされています。
兄嫁から急かされる糸。
その様子を見ていた一蔵。

西郷の帰りを祝う宴。
顔を見せない一蔵。
一座を切り盛りする吉二郎の嫁の園。
兄も嫁を取ってくれと琴。
嫁取りの話で盛り上がる一同。

翌日、山のように集まった西郷の嫁候補。
そこに現れた雪蓬。
西郷の口利きで赦免になったのでした。
そのまま西郷家に居着く雪蓬。

西郷に嫁取りを迫る琴。
島に妻と子が居ると西郷。
西郷家の跡取りはどうするのかと琴。
西郷家に跡取りをと頼む吉二郎。

鶴丸城。
幕府からの参勤交代の命を受け、激怒する久光。
自分が幕府と掛け合って取りやめさせたはずなのに、
長州征伐に成功したために幕府は思い上がった、
つまりは西郷のせいだと久光。
久光の言いかかりに、泣いて詫びる西郷。
その様子に驚く久光。

一蔵に京に行き、西郷の尻拭いをしてやれと命ずる久光。

廊下。
西郷を掴まえ、国父様の懐に入るつもりかと一蔵。
慶喜は再び長州を征伐するに違いない、
そうなれば薩摩にも出兵命令が下る、
しかし、薩摩は長州の味方に付くと西郷。
気は確かかと一蔵。
国父を動かすためなら媚びも売る、偽りの涙も流す、
力を貸してくれと西郷。
ためらう一蔵。

そこに現れ、今や薩摩を代表する西郷に嫁も嫡子も居ないのは恥だ、
早く嫁を取れという君命を伝える久武。

考え直せと言い捨てて去る一蔵。

大久保家。
嫁取りの話で来ていた琴。
自分も明日京に上る、西郷も近く京へ行く、
嫁を選んでいる暇はないと一蔵。

満寿に糸の事を調べておいてほしいと頼む一蔵。

西郷家。
嫁を取れと西郷を責める琴。
そこに現れた満寿。一緒に来たのは岩山直温と糸。

糸の幼い頃の話がはずむ一同。
離縁されていた糸。
それを聞き、これ以上の嫁は無いと盛り上がる一同。
一人煮え切らない糸。
突然産気づいた園。
得意の足で、産婆を呼んできた糸。

ますます西郷の嫁にと一同。
私は跡継ぎが産めずに離縁された身、
西郷家の嫁には相応しくないと糸。

翌日、岩山家を訪れた西郷。
糸に嫁に来てほしいと西郷。
自分は子が産めないために離縁されたのだと糸。
そんな事は天に任せようと西郷。
私を哀れんでくれているのかと糸。
自分は今日本中がひっくり変える様な事を考えている、
民のための国を作ろうとしていると西郷。
一蔵には判ってもらえなかった、しかし、糸になら判ってもらえる、
一人でも判ってくれる人が居たら心強いと西郷。
すんもはんと糸。
無理をいうたなと立ち去る西郷。

西郷家。
糸に断られたと一同に詫びる西郷。
何と言ったと雪蓬。
惚れる暇はないと言ったと西郷。
非難を轟々と浴びる西郷。

岩山家。
糸に西郷は今日旅立つそうなと直温。
今度はお前が決めたら良いと直温。

西郷家へ走る糸。
京に立ったと聞き、後を追う糸。
橋の上で追いついた糸。

あの家でお帰りを待っています、
西郷吉之助と一緒に新しい国を見たいと糸。
ふつつかものですが、よろしくおねがいしますと糸。
ありがとうと西郷。

そのまま京に向かう西郷。
西郷吉之助、チェストー、気張れと糸。
笑って行く西郷。

「今回は糸との結婚までが描かれました。序盤に散りばめられていた伏線がここで回収されましたね。足が速いというのは得な事なんだな。」

「糸とのなれ染めは無論すべて創作です。当時の嫁取りは家と家の縁組みであり、個人的な感情はほとんど無視されていました。岩山家との縁組みも、西郷家の家格が上がり、岩山家と釣り合う様になった事が大きかったかと思われます。」

「もっとも、それではドラマになりませんから、最初からこの展開は意図されていたのでしょう。可愛そうなのは愛加那ですが、当時の薩摩にあってはいかんともし難く、西郷も苦悩した上での決断でした。また、これもドラマには出てきませんでしたが、この時期西郷は菊次郎に対して手紙を出しています。やはり、奄美大島に残してきた妻子に対する思いは複雑なものがあった様です。」

「それにしても西郷の成長ぶりには芽を見張るものがありますね。久光を地ごろと罵った頃とは一回りも二回りも大きくなっています。まさに革命家としての凄みが付いたというべきでしょうか。」

「幕府が参勤交代を再開しようとした事は事実で、ドラマで久光が言った様に長州征伐に成功した事が大きな要因でした。一蔵がその阻止のために京に派遣されたのも史実どおりです。」

「ドラマでは説明が無かったのですが、西郷が福岡経由で京に上ったのは、五卿(八・一八の政変時に都落ちした七卿の内の五人。一人は死亡し、一人は生野の変に参加し、残りは5人となっていました。)の取り扱いについて協議するためで、福岡藩の五卿に対する待遇の改善、そして幕命による五卿の出府に対処するためでした。ドラマにあったように、この時期の西郷は多忙を極めていたのですね。」

「次回は岩倉具視が出てくる様ですね。笑福亭鶴瓶が演じる岩倉はなかなか面白そうです。どんな怪人ぶりをみせてくれるのか楽しみです。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著

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2018.07.29

西郷どん 第二十八回 「勝と龍馬」

禁門の変の後始末に奔走する西郷。

廃墟と化した京の町でふきと出会った西郷。
誰のせいかと問うふきに、幕府、朝廷、長州、薩摩、みんなのせいだと西郷。

これより長州征伐に取り掛かると宣言した慶喜。

慶喜の屋敷を訪れた西郷。

勝海舟と言い争い、海舟を追い返した慶喜。
廊下で西郷と出会った海舟。


四カ国連合艦隊が長州を攻めたと言い、この機に長州を叩き潰すと慶喜。
そこに入ってきて、民が苦しんでいるのが判らないのかとふき。
ここはおなごの来るところでは無いと西郷。

自分にも長州征伐の役目を与えてほしいと西郷。
まず海舟に会って、海軍の出動を説得しろと慶喜。

大坂。
海舟への取り次ぎを拒む宿屋の主人。
薩摩の西郷が来たと言ってほしいと西郷。
その名を聞いて2階から駆け下りてきた坂本龍馬。

西郷が本物か試し、追い返そうとする龍馬。
そこに帰ってきた海舟。

長州とは戦わない、それが返事だと海舟。
異国から民を守る海軍を見放す事は、民を見捨てる事だと西郷。
斉彬が見込んだだけの事はある男だと海舟。

斉彬様が今生きておられたら何と言ったかと西郷。
自分ならこう言う、もう幕府なんざ見限るこったと海舟。

西郷をどう見たと海舟。
釣り鐘みたいに揺れている、
小さく打てば小さく響き、大きく打てば大きく響くと龍馬。

海舟を引っ捕らえよと慶喜。
海舟には軍艦がある、万一江戸城に砲口を向けられてはと西郷。
それよりも長州攻めの総大将もまだ決まっていないとかと西郷。
お飾りの総大将など誰でも良い、お前が采配を振るえと慶喜。

2ヶ月後、大坂城。
長州攻めの先陣を巡って紛糾する軍議。

半次郎と川路に長州へ潜入させた西郷。

広島、薩摩陣営。
長州の内情を調べて来た半次郎たち。

総大将慶勝に、長州行きを願い出た西郷。

岩国。
一人で敵陣に乗り込んだ西郷。

吉川監物に、三家老の切腹、藩主の謹慎などの条件を示す西郷。
さらに、捕虜になっていた長州兵を引き渡した小松帯刀。

すべての条件を飲んだ長州藩。
戦をせずに終わった長州征伐。

京。
お前には失望した、幕府への裏切りだと慶喜。
すべて私に任せるとおっしゃった、確かに征伐したと西郷。
ただの裏切りだと慶喜。

国とは生きたいと思う者の集まりだと思う、
生きたいと思う者のために働く事が政ではありませんかと西郷。
これまでの日本を守ってきたのは幕府だ、これからもそうあるべきと慶喜。
日本が火の海になろうとも幕府さえ残れば良いと思っておられると西郷。

腹を切れと慶喜。
小刀を取り出した西郷。
ここで切るのか、良いぞと慶喜。
この刀を覚えているか、かつてあなたを守るために人を殺めた刀だと西郷。
その刀を持って慶喜に迫り、慶喜の前に突き立てた西郷。
これで昔の縁は絶ち切った、もはやここまででございますと西郷。

慶喜に背を向けて去る西郷。
悔しがる慶喜。

「今回は海舟との出会い、そして第一次長州征伐が描かれました。海舟との出会いは大きく、それまで長州攻めに積極的だった西郷が、方針を大きく転換するきっかけとなりました。」

「当初、西郷は長州征伐に積極的で、防長二州を攻め取り、半国を禁裏御用に宛て、残りは参戦した諸藩で分け取りにするというものでした。」

「海舟と西郷が会ったのは元治元年9月11日、大坂での事でした。海舟は長州征伐に意気込む西郷に対し、幕府には政権担当能力はもはや無い事、その上で有力諸侯が長州征伐を行い、さらに幕吏の淘汰を実施し、有力諸侯が会盟して欧米諸国と新たに条約を結び直すのが良いと提言します。さらには、李氏朝鮮や清国と同盟を結び、ヨーロッパ諸国と対峙する必要があるとも語ったと言います。これを聞いた西郷は、海舟は底知れぬ知恵者であると最大限の賛辞を示し、ひどく惚れ申したと大久保に書き送っています。」

「海舟との会見で意見を変えた西郷は参謀として征討軍に加わり、ドラマにあった様に戦をする事なく長州征伐を終わらせる事に成功します。ドラマでは西郷が一人で敵地に乗り込んだ事になっていますが、実際には吉井友実と税所篤の二人を伴っての事でした。さらには西郷は下関に飛び、最も危険とされた奇兵隊など諸隊の長たちと会って、五卿の九州動座に同意させます。西郷ならではの離れ業でしたが、これにより長州征討を終わらせる条件が整ったのでした。この働きによって、西郷の名声は一気に高まる事になります。」

「戦をせずに済ませた西郷でしたが、当然これには慶喜は反対でした。慶喜のみならず、賢候と呼ばれた大名たちも同様で、西郷は長州藩と手を組み、倒幕を企んでいるのではないかという疑惑が生じます。これには西郷が寛大な処置を取った事に加えて、長州藩内で起こった高杉晋作によるクーデターを見過ごしたという事情もありました。西郷の寛大な処置は、長州の穏健派との合意に依ったものだったのですが、その交渉の最中に高杉が政権を覆し、再び反幕的な政権を打ち立てたのですね。西郷はこれを知りながら長州藩内の出来事としてあえて見逃し、征討軍を解散させていたのでした。」

「こうした動きは幕府と薩摩の間に微妙な影を落としていく事になります。しかしながら、とにもかくにも長州を屈服させる事に成功した幕府は、これを機に再び勢いを取り戻そうとします。それに薩摩が敏感に反応して行くことになるのですが、それが描かれるのはまだ先の事の様ですね。次回は西郷の3度目の結婚が描かれます。再び鹿児島に戻った西郷に縁談が殺到する様ですが、どんな騒動になるのか楽しみです。」

「追伸。小栗旬の坂本龍馬は格好良いですね。このドラマの主役は西郷ですが、やはり龍馬が出てくると応援したくなります。でも、あまり出番は少ないのかな。それがちょっと残念ですね。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著

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2018.07.22

西郷どん 第二十七回 「禁門の変」

西郷の前に現れた一人の物乞い。
京の町が焼かれるというのは本当かと物乞い。
侍の本当の役目は民を守る事と西郷。

鍵屋。
西郷を訪ねてきた物乞い。
彼は長州の桂小五郎と名乗りました。

長州の過激派が動いている、長州を助けるため慶喜に会わせてほしいと桂。
平岡を斬ったのは長州ではないのかと西郷。
違う、しかし、今嫌疑を掛けられているのは長州、土佐、薩摩と桂。
薩摩の人斬り半次郎は凄腕で知られていました。

禁裏御守衛総督を任じられていた慶喜。
長州を恐れる孝明天皇。
長州を撃てと命じてほしいと慶喜。

西郷のお目付役として派遣された小松。
桂を慶喜に会わせ、慶喜がどう出るか見てみたいと西郷。

薩摩藩邸。
あっという間に3人を打ち据えた半次郎。
平岡殺害の下手人として半次郎を疑う小松。
自分で嫌疑を晴らすと半次郎。

慶喜の屋敷。
平岡殺害の下手人が知れ、ここまで裏切られるのかと泣き笑いする慶喜。

西郷からの誘いでヒー様として出かける慶喜。

とある料亭。
ヒー様として遊ぶ慶喜と西郷。
その席に現れた桂。
長州の暴発は自分が止める、天子様に取り次ぎをと願う桂。
簡単に引き受けた慶喜。
幕府と長州、それに薩摩が手を結べば乱れた世も正せる、
共に日本国を守ろうぞと慶喜。

升屋。
過激派の説得を始めた桂。手始めは古高俊太郎。
そこに現れた半次郎。
慶喜の命を狙った犯人を捜す半次郎。
半次郎ではないのかと桂。
邪魔をしたと帰る半次郎。

古高の家を見張る怪しい影。

六月五日、祇園祭の宵々山。
京に火を放ち、その混乱に乗じて天子様を長州に移す、
そう自白した古高。
今こそ好機、長州の巣窟を襲い、一網打尽にせよと慶喜。

池田屋事件。
惨殺された九名の志士たち。

復讐を叫び、二千の兵で京を目指す長州。
迎え撃つ幕府軍は三万。
長州は死に場所を求めているのかと西郷。
ここは腹を決めようと新八。
薩摩の役目はあくまで禁裏守護、出兵は控えると慶喜に伝える西郷。

久しぶりに再会した半次郎と西郷。

慶喜の邸宅。
長州と手を組むという話でしたがと西郷。
桂に乗せられた、やつらは御所を襲う寸前だったと慶喜。
なぜ薩摩は兵を出さないと慶喜。
自分は桂を信じると西郷。

平岡を斬った下手人が見つかった、水戸の者だったと慶喜。
水戸斉昭の子を水戸の者が暗殺しようとしたんだ、
もう誰が味方で敵なのか見当もつかん、
お前しかいないと慶喜。

京を取り囲んだ長州軍。

長州に撤兵を、そしてすべてを慶喜にまかせるという勅命。
これを聞き、出陣を決意した西郷。

この戦は長州と戦う事にあらず、退去させる事にあると西郷。

元治元年七月十九日、京に攻め入った長州軍。
乾門を守る薩摩軍。

檄を飛ばす長州の来島又兵衛。

優勢に戦を進める長州勢。
遂に動いた西郷。

蛤御門で激突した薩摩と長州。
長州が御所に向かって発砲するに及んで本格的な戦闘が始まります。
来島又兵衛一人を狙えと西郷。
その言葉に従って、又兵衛を討ち取った半次郎。
戦はこれまでと叫ぶ西郷。力を落とす長州勢。

そこに突っ込んできた会津勢。
再び始まった戦闘。必死に止めようとして足に被弾した西郷。

長州の賊徒をなで切りにせよと命ずる慶喜。

幕府方が放った火に依って、京に広がった火の手。

「今回は禁門の変が描かれました。懸命に止めようとした桂や西郷の願いもむなしく戦いは始まり、京は火の海と化したのでした。」

「戦いの前に桂が西郷に会ったというのは創作です。そもそも桂は長州の外交官であり、この時期にはまだ変装して逃げ回る必要はありませんでした。京から退去を命じられたのは外交官以外の長州藩士であり、桂はその中には含まれていなかったのです。」

「池田屋事件の嫌疑は強風の日を待って京に火を放ち、その騒動に乗じて天皇を長州に動座願うというものでしたが、実際に計画されていたのは中川の宮邸を襲うという程度のものでした。しかし、それ以前から流布されていた噂が裏付けられたと判断した新選組と会津藩が、これを好機と捉えて過激派の一掃を狙ったのでした。」

「京を囲んだ長州勢は、急いで攻め込むような事はせず、朝廷に対して陳情を繰り返すという戦術に出ます。京を軍勢に囲まれた朝廷は大混乱に陥っており、長州の申し出によって一時は会津に代えて長州に朝廷の守護を任せようという論までが出るに至っています。これに対して慶喜らが、それならば一会桑は一切手を引くと脅して事態を抑えています。」

「しかし、慶喜の腰も定まらず、言を左右する慶喜を見て、一時は慶喜が長州と手を結ぶのではないかという憶測が出るまでに至りました。決して長州勢が一方的に劣勢だった訳ではないのですね。」

「薩摩はというと、当初は長州と会津の私戦という立場を取り、出兵には応じませんでした。あくまで禁裏守護が役目と主張する西郷を見て、長州からも味方として期待を掛けられる事となります。しかし、西郷は朝廷に脅しを掛ける長州を見て、開戦やむなしと立場を変えていきます。」

「戦いは伏見方面で始まり、ここでは幕府軍が優勢で、長州勢は総崩れとなってしまいます。しかし、嵯峨から出た来島又兵衛率いる一隊は、幕府軍の警戒を掻い潜り、蛤御門にまでたどり着きました。そこで会津藩と激闘となり、一時は御所内に突入し、禁裡へと迫る勢いを示します。これを覆したのが西郷でした。」

「彼はドラマにあった様に、来島又兵衛一人に狙いを絞り、狙撃によって又兵衛を倒したのでした。又兵衛を倒したのは誰かは判っておらず、半次郎としたのはドラマの創作です。」

「又兵衛を倒した後、ドラマでは停戦を呼びかけていた西郷でしたが、実際にはさらに追撃を命じており、遅れてきた久坂玄瑞の一隊を攻め、鷹司邸に火を掛け、これを壊滅させました。ドラマでは戦嫌いとして描かれている西郷ですが、実際には戦好きで、決して平和主義者ではありませんでした。この後もドラマでは平和主義者として描かれていくでしょうけれども、それは西郷の実像を表したものではありません。」

「京を火の海にした元凶は無論長州勢にありますが、それ以上に隠れている長州勢をあぶり出すためと称して町屋に火を掛けた幕府軍に依る被害が大きかったと言います。その中には当然薩摩藩も含まれていました。」

「紀行の中でナレーションとして流れていた天竜寺の焼き討ちをしたのは、他ならぬ薩摩藩です。薩摩藩は、長州勢を匿ったという名目で、既に長州勢が居なくなっていたにも関わらず、天竜寺を焼いてしまったのですね。決して薩摩藩は正義の味方ではなかったという事です。それが戦というものの実情なのでしょう。」

「次回はいよいよ龍馬と海舟が出てくる様ですね。どんな龍馬たちを見せてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著

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2018.07.15

西郷どん 第二十六回 「西郷、京へ」

西郷が京に来ると聞き、興味を持つ岩倉具視、坂本龍馬、勝海舟たち。

鹿児島、西郷家。
借家住まいとなっていた西郷家。

仲間に島人たちの苦悩を話す西郷。
西郷が居ない間に起こった京の政変を伝える大山たち。

五日後、京に向かった西郷。
その途上、糸と再会した西郷。

京。
参与会議を引っかき回す慶喜。

孝明天皇から信任を受けた慶喜。

鍵屋。
尊攘派からの嫌がらせを受けている鍵屋。
そこに現れた西郷。再会を喜ぶお虎。

繁の家。
一橋家の家臣たちとの宴会で畳回しをしてみせる一蔵。
喝采する平岡たち。

くたびれ果てた一蔵を介抱するおゆう。

参与会議での慶喜と久光の確執を西郷に話す一蔵。
慶喜のあまりの態度に、国に帰ると言い出した久光。

薩摩が貶められる一方で西郷の名声は高まっている、
薩摩を救えるのはお前だけだと一蔵。

慶喜の屋敷。
牛男の絵に見入るふき。
牛男に妬いているとはと慶喜。

薩摩屋敷。
西郷と久光の対面。

自分はまだお前を許していない、下がれとキセルを投げつけた久光。
じっと耐えておとなしく引き下がった西郷。

もう一度、慶喜と会ってほしいと久光に頼む一蔵。

慶喜の屋敷。
訪ねてきた西郷を、慶喜は知らぬと追い返す平岡。
周囲にたむろする怪しい人影。

鍵屋。
西郷を訪ねてきたふき。今は慶喜の側室となっていました。
牛男と書いた文を手渡し、慶喜が会いたいと言っているとふき。

とある料亭。
かつてのヒー様として遊び人に扮している慶喜。

屋敷で会わなかったのは、見張られているからだ、
今の俺には誰が味方で誰が敵かも判らぬと慶喜。
薩摩はヒー様の味方、今一度国父様に会ってほしいと西郷。
あの男は自分の事しか考えていない、だから芋なんだと慶喜。

また逃げようとしているのかと西郷。
誰にも俺の気持ちは分からない、もう良い帰れと慶喜。
自分は嬉しい、また慶喜と腹を割って話が出来るのだからと西郷。
気持ちが変わって杯を差し出す慶喜。

なぜ俺が薩摩や宇和島、土佐、徳川の家臣たちと肩を並べなくてはならぬ、
あの井伊掃部頭は凄い男だったんじゃないのかと慶喜。
それは違う、左内はここに居ない、どれぼど日本を憂う人材が散った事か、
幕府が守るべきは民と西郷。
お前は変わらぬなと慶喜。
徳川も薩摩も長州もない、今は一つになる時だと号令を掛けられるのは唯一、
ここに居る将軍後見職慶喜と信じていると西郷。
斉彬に似て来やがった、判った、芋に会ってやろうと慶喜。

薩摩屋敷。
慶喜と何を話しても無駄、会わずに帰ると久光。
それでは西郷の働きが無駄になると一蔵。
大義であった、これでよかろうと久光。
ありがたき幸せと西郷。
良い心掛けだ、新しい役目として軍賦役兼諸藩応接係を申しつけると久光。

慶喜の屋敷前。
慶喜の代わりに撃たれた平岡。

斬られたのは自分だと、震え上がる慶喜。

久光が帰った事を慶喜に詫びる西郷。
不自然な笑みを浮かべ、国父殿に謝りたい、侮辱したのは本震では無い、
薩摩にはこれからも協力してもらわねばならないと慶喜。

平岡が刺された、こういう時こそ心と心で付き合いたい強き者が要る、
それは西郷、お前だ、薩摩は私と共にある、信じているぞと手を取る慶喜。
訝しげに慶喜を見、その目の奥に不気味なものを感じた西郷。

「今回は遠島を解かれた西郷が、一転して政治の中心地である京に舞い戻るまでが描かれました。今までの青臭い西郷は消え、自分を韜晦して久光の信を得るまでに成長した西郷がそこには居ました。」

「ドラマでの西郷は元気そのものでしたが、実際の西郷は長い間の座敷牢の生活が祟り、まともに歩けないほど足腰が弱っていました。そんな有様でありながら、帰国後わずか五日後に京に向かっているのですから、当時の武士というのはつらいものだったのですね。」

「西郷はそのわずかの滞在期間中に、島人たちへの苛政を告発する上申書を藩庁に向かって発しており、適正な価格での砂糖の取引をし、暮らし向きを助けてやるべきだと求めています。このあたりが西郷の真骨頂と言うべきでしょうか。」

「さて、西郷の居ない間に、歴史は大きく動いていました。主として長州藩を巡る動きで、天皇自らが攘夷を行うと神詣でをするという加茂行幸や、実現しなかったものの大和行幸が計画され、慶喜はその対応に振り回されていたのでした。そして、長州藩による外国船への砲撃があり、それらの反動として長州藩を京から追い落とす八月十八日の政変が起こっています。この政変では薩摩藩が中心となっており、会津藩もまたその一翼を担ったのでした。この頃は、一時的にせよ、幕府と薩摩藩は蜜月関係にあったのです。そしてその一方では、長州贔屓であった京においては、薩摩は会津藩と共に薩賊会奸と呼ばれて敵視される様になってしまいます。」

「参与会議とは、主として久光が主導して出来上がった政体で、それまでの幕府だけが政治を行う体制を改め、有力諸藩を京に呼び集めて合議制で政を進めていこうという画期的なものでした。具体的に呼ばれたのは、久光自身のほか、土佐の山内容堂、宇和島の伊達宗城、福井の松平春嶽、会津の松平容保、それに一橋慶喜でした。」

「しかし、この会議はあまりにも薩摩藩が主導権を握ろうとした事が祟り、それを警戒した慶喜によって壊される事となってしまいます。具体的には孝明天皇が求める横浜鎖港を巡って、開港維持を主張する久光たちに対して、慶喜一人が鎖港を主張し、ついには朝廷に対して将軍家茂が鎖港する旨を答申したため、久光たちは天皇の信を失ってしまったのでした。」

「ドラマでは慶喜が久光を捕まえて姦物呼ばわりをしていましたが、あれも実話で、おそらくは演技でしょうけれども、中川宮の面前で久光を天下の大愚物、大姦物呼ばわりし、台所を支えてもらっているから言うことを聞くのかと暴言を吐いたと言います。結果として参与会議は解体し、政体は元通り幕府への一任へと戻ってしまったのでした。」

「ドラマで西郷は慶喜の目の奥に不気味なものを感じていましたが、実際の西郷も慶喜に禍心が生じている模様と知人への手紙で書いており、かつて日本の救世主として担ごうとした慶喜その人に対する不信感が芽生えてきた事を示唆しています。」

「西郷が拝命した軍賦役兼諸藩応接係とは、事実上京における軍事の実権を預かった事を意味し、次回の禁門の変での西郷の役割に大きく関係して来ます。京都の町を恐怖のどん底におとしめたこの戦を、どう描くのか楽しみに待ちたいと思います。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.07.01

西郷どん 第二十五回 「生かされた命」

瀕死の状態で、牢から救い出された西郷。

これで懲りたろう、友を信じるのはやめよと雪蓬。
自分を生かしたのは天と人だと西郷。

雪蓬はお由羅騒動の時に流されてきた、
その時友が呼び戻どすと約束してくれたが、そのまま十数年が過ぎてしまったと土持。

土持の機転で、家の中の座敷牢に移された西郷。
彼らの恩に報いたいと、子供たちに学問を教える西郷。

生麦村。
久光の行列を乱したイギリス人を殺した奈良原と海江田。

江戸城。
イギリスから30万両の賠償金を要求された幕府。
薩摩は家臣、徳川のために家臣はある、賠償は薩摩にさせよと慶喜。

沖永良部島。
イギリス艦隊が薩摩に向かっているとの知らせを聞いた西郷と雪蓬。

鶴丸城。
断固戦う事を主張する一蔵。
その言葉に乗った久光。

どさくさ紛れに、寺田屋騒動で謹慎になっていた精忠組の面々を赦免させた一蔵。

沖永良部島。
イギリス来襲の危機に、斉彬の教えを守るため島抜けを図った雪蓬。

沖永良部島にイギリスが来るかも知れないと恐れる島民たちに、
偽の大砲を作って並べろと雪蓬。

雪蓬、土持と三人だけで偽砲を作る西郷。
手伝いを願い出る子供たち。

フランス革命の英雄としてナポレオンを語る雪蓬。

次々に手伝い始めた島民たち。

数日後、戦が終わったという知らせに喜ぶ西郷たち。

西郷に届いた償還命令。
雪蓬から餞別として渡されたナポレオン伝。

残された時間で島民たちを指導する西郷。

薩摩から迎えに来た信吾。

その夜、信吾を囲んだ歓迎会。
スイカ売りに化けてイギリス船に乗り込んだと信吾。

薩摩への船出。
革命と書いた旗を振り、見送る雪蓬。

信吾の計らいで薩摩への途中、奄美大島へと立ち寄った西郷。
愛加那と久方ぶりの再会を果たした西郷。

菊池源吾にはなれなかったと西郷。
会えなくても、私の中にあなたは居ると愛加那。

「今回は生麦事件から薩英戦争、そして西郷の帰還が描かれました。」

「まず訂正しなければいけないのが、徳之島での別れが西郷と愛加那の今生の別れと書いてしまったのですが、今回のドラマにあったように薩摩への帰還の途中で大島に立ち寄ったのでした。この時の数日間が今生の別れとなった訳で、お詫びして訂正します。」

「雪蓬については、ドラマではお由羅騒動で流されたとありましたが、これは前回に書いたように久光の書物を勝手に売り飛ばしたという、少々情けない罪で流罪となったのでした。」

「薩英戦争については、沖永良部島に攻めて来るというありませんでした。当然、西郷や雪蓬が対策を施したという事もありませんでした。」

「しかし、傍観者で居るしかなかった西郷のあせりは強く、地団駄を踏む思いであったと言います。その気持ちは土持にも伝わり、土持の発案で薩摩にまで渡る船を作ろうとまでしています。」

「薩英戦争の結果は、鹿児島の町は焼け野原となったのですが、イギリス艦隊の受けた被害も決して小さくなく、これ以後お互いに興味を持ち合い、協力関係へと発展して行く事となります。」

「この戦いの最中、薩摩藩士がスイカ売りに化けて船を乗っ取ろうとしたのは実話で、結果としては怪しまれて失敗に終わったのでした。何だかおとぎ話のような話ではありますね。」

「西郷への帰還命令が出たのは、薩英戦争での活躍により、精忠組の発言権が大きくなった結果でした。それでも久光は容易に帰還に同意せず、ようやく西郷が十分に反省している事が確かめられれば容認するとまで譲歩したのでした。それほど久光にとって西郷の存在は大きかった様です。」

「西郷もこの1年半に及ぶ流罪の中で大きく成長し、権力者に対して地ごろなどと思った事をそのままぶつけるような幼稚な事はする事はせず、真意は深く胸中に止め、韜晦する事を覚えたのでした。これ以後、久光に対して面と向かって刃向かう事はせず、少なくとも表面上は従順に振る舞う様になります。」

「雪蓬が西郷に伝えたナポレオンについては、当時の日本ではナポレオンこそがフランス革命の英雄と誤解されており、ワシントンなどと共に最も尊敬すべき人物と思われていたのでした。そして、西郷は生涯ナポレオンを尊敬して生きて行く事になります。」

「次回(7月15日)はいよいよ西郷が中央政界へと復帰する様ですね。ここからが西郷の本領発揮の場面であり、どんな西郷像が描かれるのか楽しみです。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.06.24

西郷どん 第二十四回 「地の果てにて」

罪人として徳之島に流された西郷。
そこに思いもかけず、愛加那と二人の子供が尋ねてきます。
束の間の家族団らんに心ほぐれる西郷。

江戸。
勅書を家茂に手渡す事に成功し、慶喜を将軍後見職に、
春嶽を政事総裁職に就ける事が出来た久光。


福井藩邸。
意気揚々と慶喜と春嶽に拝謁し、兄に代わって日本を強き国にして行く所存と久光。
その久光を芋とこき下ろし、仲間付き合いをしたければ西郷をつれて来いと慶喜。

穏やかな日々を過ごす西郷の下に届いた、更なる沖永良部島への遠島の命。
従容と命に従う西郷。
泣き崩れる愛加那。

遠島囲い召し込みの罰を受け、壁すら無い粗末な小屋に押し込められた西郷。
それを遠目に見ている川口雪蓬。

藩の命を超えて、西郷を手厚く世話する島役人の土持政照。

薩摩から届いた文を横取りし、中を読む雪蓬。
一蔵の出世を揶揄する俊斉。
一蔵の考えが判らないと大山。

人は裏切るものと雪蓬。
一蔵は友だ、おいは信じていると西郷。

こんなところに入れられているのは、死ねと言われているのと同じと雪蓬。
代官所から命じられているのは、冷えた麦と塩だけと土持。
日々の飯は、いずれ死ぬであろう西郷への島人の哀れみだと雪蓬。
以後、土持たちの飯に手をつけなくなった西郷。

ひたすら座禅を組み、日々を過ごす西郷。

奄美大島。
西郷を案ずる愛加那。

嵐の翌日、ついに倒れた西郷。
強引に小屋に入り、西郷を助け起こす雪蓬。
西郷を助け出す土持たち。

「今回は沖永良部島まで流された西郷が描かれました。彼の置かれた環境はあまりにも過酷でしたが、実話だった様ですね。久光が西郷に対して持った怒りはそれほど大きかったという事なのでしょう。」

「西郷はその異様なまでの怒りの原因を、讒言によるものと思い込んだ様です。とりわけ、俊斉の讒言のせいだと思い定め、これ以後、俊斉を忌み嫌うようになったとも言われます。」

「一方、愛加那が二人の子を連れて徳之島に訪ねてきたのもドラマにあったとおりで、違うのは菊草が一と月目の子ではなく、五ヶ月目の子だったという点くらいでしょうか。さすがに、首の据わらぬ生まれたばかりの子を海を渡って連れてくるというのは、無理がある設定でしょう。」

「愛加那との暮らしはわずか数日間で終わります。そして、この時が愛加那と西郷との今生の別れとなってしまいました。西郷と愛加那にとって、わずかな時間とは言え、家族団らんを味わえた事を幸せだったと言うべきなのか、何と言えば良いのでしょうね。」

「久光の出府は、結果として成功裏に終わりました。実のところ、西郷が指摘した様に、岩倉具視など具眼の士は、地ごろに過ぎない久光が出府したところで、幕府が相手にしないどころか、下手をすれば幽閉されるのではないかという観測をしていた様です。しかし、幕府の衰弱ぶりは予想以上で、久光の挙は見事に実り、その名は世に響く事となったのです。」

「ドラマでは慶喜が久光を罵倒していましたが、あれは創作でしょう。久光の西郷への怒りを深め、さらに久光を貶める事によって西郷や一蔵の働きをより際立たせるための伏線なのでしょうか。あれでは久光が少し可愛そうですね。」

「結果論になりますが、久光がやった事はこれ以後雄藩が幕政に参加する端緒となり、幕末史を大きく動かす原動力となっていくのです。つまりは、久光は過小評価されるべき人物ではないという事ですね。」

「不思議な人物と言えば川口雪蓬ですね。彼は元を正せば久光の文庫係を務めていたのですが、生来の酒好きが祟り、ある日久光秘蔵の書を売り飛ばして酒代としてしまった事から、この島に流されてしまったのでした。この雪蓬は学問の面で西郷に大きな影響を与える事となっていきます。」

「次回は生麦事件や薩英戦争など大きな出来事が起こるようです。またしても西郷はそこに居ないのですが、ドラマではどのように関わっていくのか、楽しみに待ちたいと思います。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.06.17

西郷どん 第二十三回 「寺田屋騒動」

久坂玄瑞らと会い、暴発を止めようと奔走する西郷。
そこに現れた一蔵。

捕り方に捉えられる前に差し違えて死のうと一蔵。
なぜ天に生かされたか分かるまで死なないと西郷。

うっかり京で西郷が担ぎ上げられていると漏らしてしまった海江田。
怒り心頭に発した久光。

皆の気を立たせるために、鰻獲りにさそう西郷。
昔に返って鰻獲りに興ずる西郷たち。

捕り方に捕まった西郷。

兵を率いて京に上った久光。

西郷に切腹を命ずる久光。
西郷は扱いの難しい男、主君の前に置かれた物差しだと助け船を出す小松。
堀、一蔵らのとりなしで切腹を免れた西郷。

島流しと決まり、薩摩に送り帰される西郷と新八。
信吾と新七を一蔵に託す西郷。
西郷を追ってきたお虎。

近衛忠久から浪士取り締まりを命じられた久光。

早速取り締まりを始めた久光。


文久二年4月23日。
追い詰められて新七の下に集まった浪士たち。
それを聞き、追手を放つ久光。

追手として派遣された大山たち。

寺田屋。

新七の説得を試みる大山。
青蓮院の宮の令旨を盾に応じない新七。
ついに上意と斬り合いを始める大山たち。

激しい斬劇。
道島に抱きつき、おいごと刺せと叫ぶ新七。
串刺しにされた新七。

その惨劇を見て暴発を思いとどまった浪士たち。

厳しい処分が下った精忠組の面々。

薩摩。
一蔵からの手紙で事の顛末を知り、男泣きに崩れる西郷。

「今回は寺田屋騒動が描かれました。薩摩藩士が同士討ちを演じたこの騒動は、幕末史の中でも悲劇の一つとして知られます。」

「詳細については以前に書いているのでここでは省略しますが、かつて久光が精忠組に下した諭し文が引き金でした。久光の卒兵上洛が拡大解釈され、倒幕の機運が一気に高まった事が原因だったのですね。」

「騒動を大きくした張本人は清河八郎でしたが、それ以上に勝手に形成された世上の勢いというものの恐ろしさを感じます。規模は違うものの、最近の炎上騒ぎに似たものを感じますね。」

「ドラマに関して言えば、久坂玄瑞らと西郷が会っていたかは分かりません。たぶん、西郷が居たのは大坂のはずですから、まず創作でしょうね。しかし、西郷の名が実情以上に大きくなっていた事は良く表されていたと思います。その久坂たちと西郷が不倶戴天の敵となるのは歴史の皮肉と言うべきでしょうか。」

「有馬新七の壮絶な最期は史実どおりですが、それを見ていた信吾の今後はどうなるのでしょうか。やっせんぽというのはそのとおりですが、これを契機に一人前の男に育つという設定なのかしらん。」

「お虎の下りは必要だったのかな。ドラマではお虎の一方的な思いだけが描かれていますが、実際には西郷の大のお気に入りだったと伝わります。そして、西郷を追ってきたのはずっと後、西郷が戊辰戦争に発つ時だったとか。それをここに持ってきたのはお虎の出番はここまでなのかな。」

「次回は沖永良部島に流された西郷が死線を彷徨うようですね。そこからどいう悟りを開くのかが次回の焦点になりそうですね。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.06.10

西郷どん 第二十二回「偉大な兄 地ごろな弟」

大嶋三右衛門として薩摩に帰ってきた西郷。

倒幕派から期待を集める久光の出兵。

久光に拝謁する西郷。
斉彬の志を継ぎ、精兵を率いて出府し、腐った世を変えると久光。
それは無理、諸侯に同志もなく、春嶽公、一橋公にも会った事もない、
共に立ち上がろうという他藩もない、
一度も薩摩から出た事がない久光には出来ない事だと西郷。
自分を地ごろと申すかと久光。
世を知る事が肝要と西郷。
不機嫌な久光。

吉祥院。

精忠組の仲間達と旧交を温める西郷。
久光公では世は変えられぬ、自分と一緒に行こうと新七。
新七は他藩の連中と良からぬ事を企てていると一蔵。
良からぬ事とは何事、朝廷に政を取り戻すために幕府を倒すのだと新七。
驚く西郷。
既に倒幕を目指す志士たちが続々と京に集まっている、
精忠組など捨てて、一緒に京に行こうと新七。
いきり立つ精忠組の面々。
一同を押さえ、今は事を起こす時では無い、策を練る時だと西郷。
その考えには従えないと席を立つ新七と造士館の仲間達。

出兵を決めた久光。
西郷には下関にて受け入れの準備をしておけと命が下り、
今度逆らえば島流しでは済まされないと久光。

脱藩を決めた新七たち造士館の面々。
止めに入る一蔵。それを振り切る新七。

下関、白石正一郎の屋敷。
薩摩の出兵を聞いて倒幕を志す志士たちが続々と集まっていると正一郎。
さらに弟の信吾までがその中に入っていると聞き、驚く西郷。

京。
久坂玄瑞、吉村虎太郎ら倒幕の志士たちと交わる信吾。
志士たちの間で実像以上に大きくなっている西郷の像。
座敷に現れたおゆう。

国元を発った久光。

下関。
平野国臣、小河一敏らと接触し、京の動きを探る西郷。
京に向かった志士たちは300人、
薩摩の兵の到着を待ち、幕府の役人を襲い倒幕ののろしを上げるのだと国臣。
それをきっかけに倒幕の兵を挙げると聞き、急ぎ京へ向かう西郷。

京、鍵や。
久しぶりの対面を喜ぶお虎。

鍵やの主人から新七たちが集まっているのは繁の家と聞いた西郷。

繁の家。
おゆうを口説いている信吾を見つけ、大馬鹿者と投げ飛ばす西郷。
新七と共に脱藩するのだと信吾。
信吾を怒鳴りつけ、新七の居場所を聞きだそうとする西郷。
逃げ出した信吾。
おゆうから新七の居場所を聞いた西郷。

寺田屋。
新七たちと対峙する西郷。
幕府を倒し、その後はどうすると西郷。
幕府を倒せば尊皇攘夷の志を遂げる事が出来ると新七。
幕府が倒れたとして変わる者は居ない、異国に食われるばかりだと西郷。
ならどうすれば良いのだと新七。
どうしてもやると言うのなら自分を斬っていけと西郷。
その迫力に負け、判ったと新七。

その夜。
信吾と話し合う西郷。
島に行っている間に名前だけが一人歩きし、十倍程にもなってしまったと西郷。

下関。
西郷が京に行ったと聞き、激怒する久光。
久光は亡き兄の背を追っているだけで、
その器は兄にとうてい及ばぬと言っていたと中山。
西郷を直ちに捉え、切腹を命じよと久光。

「西郷が奄美大島から帰ってきた時、薩摩藩は四分五裂の状態でした。つまり、出兵を主張する久光とそれを危ぶむ守旧派、久光に従おうとする一蔵たち精忠組と、それでは生ぬるいとする新七たち造士館組の勢力ががそれぞれ意見を異にして、相争っていたのです。その中に帰ってきた西郷はその状況を知り、自分ではどうにもならぬと、一度は引きこもってしまったのでした。」

「しかし、西郷を取り巻く状況はそれは許さず、遂に態度の表明を表す事になります。それはドラマにあった様に今はまだ出兵をする時期ではない、無位無冠で諸侯とも交わった事もない久光が兵を挙げたところで世が動く訳がないというものでした。なお、ドラマでは地ごろ(田舎者)と久光自身が言っていましたが、史実としては西郷が言った言葉と伝わります。」

「しかし、実際には久光は江戸に堀次郎を派遣し、出府のための名目(薩摩藩邸を自焼し、それを名目に茂久の参勤を遅らせ、さらには幕府よりの見舞金の返礼として久光の出府したいとの願い出を許可させるという自作自演)を作らせ、その一方で一蔵を京に派遣し朝廷工作を命じ、近衛忠久から朝廷と幕府のために出府せよという手紙を出させる事に成功しています。つまりは、久光なりに自分を取り巻く状況を判断し、彼なりに地ならしをしていたのですね。結果として、西郷が地ごろと言った批判は久光の本質を見誤った的外れなものだった事になります。」

「薩摩が倒幕の兵を挙げるという噂を流したのは、庄内藩の郷士、清河八郎でした。清河は、かつて久光が精忠組に言った一朝事があれば薩摩が兵を挙げるという言葉を拡大解釈し、ついに倒幕の日が来たと青蓮院宮の偽の令旨を作り、諸国に喧伝して回ったのでした。その結果長州藩や九州の過激派を初めとして倒幕の機運は一気に高まり、熱に浮かされた様に諸国の志士が京を目指して集まったのです。新七たちもその影響を受け、脱藩を決意したのでした。」

「ドラマでは寺田屋に駆けつけた西郷でしたが、実際には堀の周旋によって志士たちは大坂の薩摩藩邸に集結しており、西郷が向かったのも大坂でした。そこで何が話し合われたかは判りませんが、久光の真意を知る西郷が新七たちを止めようとした事は確かだと思われます。」

「しかし、結果として西郷は囚われの身となり、新七たちは当初の目的を遂げるべく動き出してしまいます。このあたりは寺田屋騒動として次回に詳しく描かれる様ですね。」

「なお、今回現れた芸妓のおゆうは今後も西郷達、とりわけ一蔵と深い関わりを持つことになるはずですが、そのあたりがどう描かれるのか楽しみです。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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2018.06.03

西郷どん 第二十一回「別れの唄」

男子誕生に喜ぶ西郷。

赤子誕生に沸く島人たち。

子に菊太郎と名付け様とする西郷。
いずれ薩摩で生まれる子のために菊次郎とすべきだと佐民。
菊次郎のために祝い歌を歌う愛加那たち。

鶴丸城。
小松帯刀らと共に、側近に取り立てられた正助こと一蔵。
久光出府のために上洛を命じられた一蔵。

一蔵たちの働きかけによって帰藩命令が出た西郷。

鉄製の絞り器を土産に西郷を迎えに来た一蔵。
再会を喜ぶ二人。

愛加那の心づくしのもてなしを受ける一蔵。
帰藩命令を聞くも、断る西郷。
薩摩の顔として帰藩をと説得する一蔵。
自分はここで人の愛を知った、ここは極楽だと西郷。

一蔵に西郷は帰らないと愛加那。
西郷は薩摩の宝、返して欲しいと頭を下げる一蔵。

一蔵から託された物を西郷に見せる愛加那。
それは斉彬から授かった小刀でした。
一蔵らしいと笑う西郷。

一蔵の言葉に悩む愛加那。
2人目の子のためにも強くなれと愛加那を励ますユタ。

島に残りたいとの文を書く西郷。
その文を破き、薩摩に帰れと言って飛び出した愛加那。

愛加那はうちに居ると言いに来た佐民。
2人目の子が出来たと知った西郷。
あなたの居るところはここではないと佐民。

海辺に佇む愛加那を見つけた西郷。
役目を果たした後は、必ずここに帰ってくると西郷。

薩摩に帰る日。
愛加那をはじめ唄で見送る島人たち。

力強く生きていく愛加那。

「今回は薩摩に帰る西郷と愛加那の別れが描かれました。懸命に試練に耐える愛加那が健気でしたね。」

「西郷に帰藩命令が出たのは、菊次郎が生まれ、新しい家を建て、田畑を買った直後の事でした。菊池源吾として生きていくとあきらめが付き掛けていたところへの命令でしたから、西郷も複雑な心境だったんじゃないかな。」

「この3年半ぶりの帰藩命令は、ドラマにあった様に久光が出府するにあたり、諸侯に顔の利く西郷が必要とされたためでした。無論、そういう世論を作り上げていったのは藩内で力を持った精忠組の面々で、その代表格が一蔵でした。囲碁に事掛けて久光に接近して行った一蔵の努力が実を結んだのですね。」

「久光が出府を急いだ理由はいくつかあると言われます。一つはこの時期長州藩が長井雅楽の主導する航海遠略策によって幕府内で勢力を築きつつあり、薩摩としても遅れを取る訳には行かなかった事が上げられます。しかし、久光自身が無位無冠の身であり、またこれまで他の諸侯と交際した事もなく、何の下交渉なしでの出府は無謀だと知っていました。そのために西郷の名と顔が必要だと進言されれば頷く他はなかったのでしょう。」

「ただ、ドラマではしおらしい事を言っていた西郷でしたが、実際には愛加那は西郷にとってはあくまで現地妻に過ぎなかった様です。それは西郷が後に愛加那の事を「召使い置き候女」と知人に当てた手紙に書いている事からも伺え、どこまでも島人との間には距離があった事が知れます。」

「愛加那には可哀想な話ですが、当時の薩摩人としては自然な感情だったのでしょう。このあたりは現在の物差しで判断してはいけないところなのでしょうね。しかし、愛加那は強い人であったらしく、西郷が居なくなった後でも二人の子を無事に育て上げ、その後も一人で島で暮らし続けて生涯を終えました。」

「西郷のために弁護すると、愛加那の下には帰らなかったものの、二人の子については後にちゃんと面倒を見ています。そのあたりは今後描かれる事があるのでしょうか。」

「史実はともかくとして、ドラマを貫いていた島唄は実の籠もったものでした。言葉は判らないけれども、実際に聞きに行きたくなる様な切ない唄でした。」

「次回は薩摩に帰った西郷が、一波乱を起こす様ですね。有名な台詞も出てくる様で、今からその場面が楽しみです。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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