祇園祭

2017.07.29

京都・洛中 祇園祭・後祭 宵々山2017 ~屏風祭~

Byoubumaturi1707301

祇園祭の屏風祭とは、各町家の有志が、所蔵する屏風などを飾り付け、通行人に披露するというものです。前祭では人出が多すぎてあまり風情も感じないのですが、後祭では情緒溢れる催しとして楽しめます。

Byoubumaturi1707302

これは八幡山の近くにある大日家の飾り付けです。縁起の良い鶴と松の屏風と勇壮な龍図の屏風、それに雅な和琴が印象的です。

Byoubumaturi1707303

こちらは無名舎の飾り付けです。ここは毎年しつらえが変わるのですが、今年は静かな雰囲気でまとめられていました。

Byoubumaturi1707305

そして、藤井紋さんの飾り付け。ここは毎年同じ様なしつらえですね。左側には海と鶴、そして浜松の屏風、右側には四季の絵を描いた屏風が置かれています。さらに奥にもいくつかの屏風がある様ですが、外からは判らないですね。そして鉾のミニチュアがアクセントになっています。

また、中央に生けられているのはヒオウギで、悪霊退散の力があるとされ、祇園祭の祭花となっています。

Kondaya1707281

こちらは屏風祭とは違うかもしれませんが、誉田屋源兵衛さんの鯉の染め物です。創業からの年数に合わせた数の鯉が染められており、毎年一匹ずつ増えて今年は279匹になったそうです。来年は区切りの年になりますが、まだまだ余白はあるので、暫くはこのまま続けるのでしょうね。

さて、祇園祭も後二日、明後日の疫神社夏越祭で終了となります。八坂神社の摂社である疫社にしつらえられた茅の輪を潜り、厄除けを行うと共に「蘇民将来之子孫也」の護符を授かるという行事です。神事は午前十時からですが、時間の合う方はお出かけになられては如何ですか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.28

京都・洛中 祇園祭・後祭 宵々山2017 ~橋弁慶山・鯉山・黒主山~

Hasibenkeiyama1707281

後祭りの山鉾は全部で10あります。本当は全て回りたかったのですが、突然のにわか雨のために半分だけになってしまいました。全く迷惑な天気だった事。そんな中、先に橋弁慶山に回っておいたのは良かったかな。

Hasibenkeiyama1707282

橋弁慶山は、謡曲「橋弁慶」に題材を取っています。ご神体は言わずと知れた牛若丸と弁慶、この見事な漆塗りの橋が五条橋という訳ですね。真松を持たない唯一の山で、最も古い形式を保っていると言われます。

Koiyama1707281

立身出世というご利益のためか人気のある鯉山です。室町通で一番手前にあるという位置関係も人気の一因なのかな。

Koiyama1707282

何度見ても見事な左甚五郎作という鯉の飾りと、トロイア戦争に題材を取ったという見送りです。この見送りは、胴掛けなどと共に元は一枚のタペストリーであり、16世紀から17世紀にかけてのベルギー製である事が判っています。さらには、同じ職人によって織られた5枚の連作の一枚であり、江戸時代の初期にヨーロッパに派遣された伊達家の家臣支倉常長が、ローマ法王から贈られたものではないかと考えられています。

ちなみに、5枚のタペストリーの在処もほぼ判っており、大津祭や長浜曳山祭の見送りなどに使用されているとの事です。なぜ伊達家から各地に散ったのかは判りませんが、鯉山には天寧寺を通じて売り込まれたと言い伝えられているそうです。それからすると、お家の財政難を助けるために、お宝を売り捌いたと考えるのが自然かも知れませんね。

Kuronusiyama17211

最後は黒主山。謡曲「志賀」に題材を取っており、大友黒主が桜を愛でている場面を表しています。

Kuronusiyama17212

これが黒主が見上げる桜です。無論造花ですが、本物と見紛う程の出来ですよ。この桜も時と共に形が変わっている様で、今は枝垂れ桜風ですが、以前の写真を見ると真っ直ぐに伸びた枝が何本も刺さった形をしていました。

明日は宵山見物のもう一つの楽しみ、屏風祭をお届けします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.27

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~太子山・白楽天山・木賊山・四条傘鉾・郭巨山~

Taisiyama1707271

新町通を行く山は全部で七つ。うち、二つは取り損ねたので、ここでは五つを紹介する事とします。まずは、宵々山で訪れた太子山。前回に書いた様に、四天王寺に使う木材を、自ら探しに山に入った聖徳太子が、杉のご神木を見つけた場面を表しています。なので、太子は手に斧を持ち、真松の代わりに真杉が立てられています。

Hakurakutenyama1707272

こちらは白楽天山。白楽天が道林禅師に仏法の大意を問うたところ、「諸悪莫作・衆善奉行」(悪い行いをせず善い行いをしないさい)と答えた場面を表しています。この山を担ぐのは全て外国人でした。以前は岩戸山がそうでしたが、今はこの山に代わっているのですね。やっぱり人数の関係からなのかしらん。

Tokusayama1707273

これは木賊山。謡曲「木賊」から着想された山で、一子を拐かされた老父が我が子を思いながら木賊を刈る姿が表されています。なぜか赤い傘はなく、山にしては珍しい屋根方の様な人が乗っていたのが印象的でした。

Sijokasahoko1707275

これは四条傘鉾。巡行中はこの棒をぐるぐると回しているだけですが、宵山では子供たちの踊りを見る事が出来ます。

Kakukyoyama1707276

そして、最後は郭巨山。中国の故事に基づいた山で、母を養えなくなった郭巨が我が子を埋めに行ったところ、黄金の詰まった釜を掘り当て、母に孝養を尽くしたという話を表しています。山でありながら、傘ではなく屋根を持っているという特徴があり、遠くからでもひと目でわかるという山ですね。

取り損ねた山鉾は綾傘鉾と蟷螂山で、どちらも動画で失敗したのが残念でした。

明日は後祭の宵々山をお届けします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.26

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~放下鉾~

Houkaboko1707261

前祭の新町通において、掉尾を飾るのは放下鉾です。鉾の名の由来は、真木の中程の天王座に、放下僧の像を祀る事からそう呼ばれます。

Houkaboko1707262

その放下僧とは何者かと言うと、僧形で大道芸を行った人だったのだとか。なぜそういう人をわざわざ祀り、鉾にしたのかと言えば、能に放下僧という仇討ちを主題とした演目があるからなのですね。主人公が仇に近づく為に変装したのが放下僧だったという訳です。

Houkaboko1707263

放下鉾の稚児人形は三光丸と呼ばれます。生き稚児と同じ様に稚児舞が出来る様に作られているのが特徴で、巡行中に人形が動かされるのを見る事が出来ますよ。

Houkaboko1707265

せっかく新町通に来ているのだから、町家を背景にした写真を撮りたいと思うのですが、町家がどんどん減っているために思うに任せません。その一つが紫織庵なのですが、あまり上手く行っていないですね。せめて電線を地中化してくれないかしらん。

Houkaboko1707266

見送りはバクダッド。染織作家・皆川泰蔵氏の作品で、二羽のフクロウがモスクの前を飛ぶという大胆な構図のろうけつ染めです。結構好きな見送りの一つですね。

ここまで鉾を中心にお届けしてきましたが、明日は山をまとめて紹介したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.25

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~船鉾~

Funehoko1707251

船鉾は神功皇后の説話を元にした山鉾で、以前は前祭に参加する船鉾を出陣の船、後祭に参加する大船鉾を凱旋の船と呼び区別していました。元々の呼び名は共に船鉾だった様です。

鉾の形は文字通りの船形で、モデルとなったのは安宅船と呼ばれる実用的な軍船でした。そして、時代と共に懸装品が華美となり、現在の様な豪華絢爛たる姿になったのです。

Funehoko1707252

中でも蒔絵が施された舵は見事ですね。両面に飛龍文様が描かれており、鉦方側が昇り龍、笛方側が下り龍になっています。

Funehoko1707253

それにしても、見れば見る程複雑な形をしていますね。これだけの造形を生み出した町衆の想像力には恐れ入るばかりです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.24

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~岩戸山~

Iwatoyama1707241

岩戸山は二つの謂われを持つ不思議な山で、天岩戸神話と国産み神話が混在しています。時代によって岩戸山と呼ばれたり、あまのさかほこ山と呼ばれたりしながら、今に至っています。

この動画で注目して欲しいのは屋根の上で、伊弉諾尊(イザナギノミコト)が天逆鉾を突き出しています。これが国産み神話の部分ですね。天岩戸神話としては、櫓の中に男装の天照大神と手力雄尊のご神体が安置されています。なぜこうなたったか確かな理由は判らないのですが、焼失と復活を繰り返す内にいつの間にか混在する様になったのだとか。

Iwatoyama1707242

岩戸山は、以前は外国人が曳き手を勤める山として知られていましたが、今は元に戻っている様です。曳き手の数が揃わないとか、何か理由があったのでしょうか。

Iwatoyama1707243

山と鉾の外見上の違いは真木か真松かにありますが、稚児が乗っているか否かにもありますね。多くは人形ではあるけれど、やはり稚児が居ないと少し寂しくはあるかな。

Iwatoyama1707245

見送りは日月龍唐子嬉遊図の綴織。宵々山の会所で見たものですね。もう一つのヴェネチア図は、今年は用いられませんでした。

明日は船鉾の様子をお届けします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.23

京都・洛中 祇園祭・後祭 宵々山2017 ~鷹山・北観音山・南観音山~

Takayama1707231

祇園祭も後半に入り、今日は後祭の宵山です。私は昨日の宵々山に行ってきましたが、やはり前祭に比べると随分と寂しいですね。そのぶん、祭りの風情を楽しめるとも言えますが。

今年の後祭の話題は、復活を目指す鷹山でしょうか。囃子方は既に活動を始めていますが、今年は鉦を新調した事がニュースとなっていました。その澄んだ音色を動画でお聞き下さい。

鉦の新調にあたっては、古い鉦の成分を分析するところから始めたそうですね。そして、制作したのは仏具店だったとか。鉦の専門店は無いという事だからだそうですが、面白いところに目を付けたものです。これも京都ならではの発想なのかな。

Resize3128

鷹山は北観音山や南観音山と同じ様な曳山だったそうですね。復活したらこんな感じになるのかな。今はまだ囃子方だけだけど、1つ500万円するという車輪は船鉾から、囃子方の乗る櫓は菊水鉾から譲り受けるなど、復活に向けた動きは加速している様です。

でも、山鉾は工芸品の塊の様なものですから、この北観音山の様に煌びやかになるまでは相当の年月と費用が掛かる事でしょう。まずは大船鉾の様に白木から始めるのかな。

Minanikannonyama1707291

北観音山から南に下ったところにあるのが南観音山。この日は残念ながら来るのが遅かったせいか、子供たちのわらべ歌は聴くことが出来ず仕舞いでした。楽しみにしていただけにちょっと残念でした。

動画に傘が写っているのは、にわか雨が降ってきたからです。私は傘を持っておらず、結構な降り方になってきたのでもう駄目かと諦めて帰り途に付くと止んでしまうのですから、なんという嫌みな雨だったのかしらん。どこかで雨宿りをして、もう少し粘れば良かったかな。

明日は後祭の山鉾巡行ですが、今年は行けないのでもう暫く前祭の山鉾巡行の記事を続ける事にします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.22

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~菊水鉾~

Kikusuihoko1707251

菊水鉾は、町内に古くからあった菊水井からちなんで名付けられた鉾で、菊の御紋が誇らしげに掲げられています。

Kikusuihoko1707252

蛤御門の変で焼けた後、昭和28年に復興された昭和の鉾で、年々姿を変えていくという現在進行形の鉾でもあります。

Kikusuihoko1707253

その一つが七福神を表した胴懸で、昨年後ろ懸けが新調された事により完成しました。その一方で、音頭取りは烏帽子姿であるなど、新旧を併せ持った面白い鉾でもありますね。

この日は動画をいくつか撮ったのですが、人出のせいで制約が多く、上手く撮れたのは菊水鉾と船鉾だけでした。これもかなりあらっぽい撮り方ですが、目の前を鉾が通り過ぎる迫力は判って貰えるでしょうか。

Kikusuihoko1707255

この日の見送りは深山菊水図。何とも色鮮やかで、美しい見送りですね。他には孔雀図の見送りもあります。これから先、どう進化していくのか興味深い鉾ですね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017.07.21

京都・洛中 祇園祭・前祭 山鉾巡行2017 ~函谷鉾~

Kankohoko1707211

函谷鉾はくじ取らずの鉾。鉾としては長刀鉾に次いで常に二番目に巡行します。

Kankohoko1707212

鉾の名の由来は中国の函谷関にあり、孟嘗君が家来に命じて鶏の鳴き声を真似させ、関を開かせたという故事に基づきます。その事から、鉾頭は函谷関の山稜に掛かる三日月を表しているのですが、慣れないと月鉾と間違えてしまうかな。

Kankohoko1707213

良く判らないのが鉾の呼び方で、巡行中の先頭を行く垂れ幕には「かんこくほこ」とある一方、ホームページには「かんこぼこ」と書かれています。私的には「かんこぼこ」の方なのですが、実際にはどちらが正解なのでしょうね。

Kankohoko1707215

この鉾で特徴的なのが見送りで、珍しい漢字が綴られたものです。他には郭巨山が持っているだけなのかな。これは弘法大師の真筆と伝えられる見送りを複製したもので、密教の経典や弘法大師の書物から引用された金剛界礼懺文が書かれているとの事です。

他にもまだまだ見所があるのですが、函谷鉾の会所には行った事がないので、来年は昼間の内に会所巡りをしてみようかしらん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.20

京都・洛中 祇園祭・前祭 宵々山2017 ~油天神山・太子山~

Abjuratenjinyama1707211

東の外れにあるのが保昌山なら、西の外れにあるのが油天神山と太子山です。二つとも油小路通にあり、油天神山はこの通り名からそう呼ばれるとも言われます。

Abjuratenjinyama1707212

油天神山の紋は、天神様らしく梅の紋。この地にあった風早家という公家の屋敷に祀られていた道真公の像を今に伝えると言われます。

Abjuratenjinyama1707213

ご利益は天神様だけあって学業成就です。ここはとにかく売り子たちが元気いっぱいなのが印象に残りました。その様子をご覧下さい。

これだけ頑張られると、思わず財布の紐も緩むというものですね。実際、売れ行きも良かったですよ。

Abjuratenjinyama1707215

会所で目立つのは富士山をモチーフにした見送りです。これは梅原龍三郎画伯の朝陽図を元にした毛綴だそうで、何とも豪華なものですね。

Tqisiyama1707201

油天神山から油小路通を南下したところにあるのが太子山です。その名のとおり聖徳太子をご神体とする山で、四天王寺を建立する際、太子自ら良材を求めて山に入ったという故事に基づいています。その時見つけたのが杉の大木だったことから、他の山がすべてご真木に松を立てているのに対し、この山のみ杉を使っています。

太子山では、良く聞くローソク売りのわらべ歌を歌っていました。この時はまだ始まったばかりで調子が出ないようでしたが、帰りがけには声も揃って上手になっていましたよ。

Tqisiyama1707202

太子山は一番遠いところにあるからなのかな、沢山の椅子が並べられており、足休めが出来る様になっています。そのせいでしょうか、結構な賑わいを見せる山でもあります。

Tqisiyama1707203

会所で印象的だったのは前懸で、秦の始皇帝が阿房宮へ凱旋する様子を描いたものです。会所は薄暗くてあまり映えなかったのですが、巡行の時はとても鮮やかで目立っていました。

明日からは山鉾巡行の様子をお届けします。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧