西郷どん 第二十九回 「三度目の結婚」
1年ぶりに鹿児島に帰った西郷。
数々の活躍により、すっかり人気者になっていました。
茂久と久光に拝謁した西郷。
上機嫌の茂久に対し、未だに西郷にわだかまりのある久光。
形ばかりの久光の言葉に、丁重に礼を言う西郷。
とある河原。
もはや幕府は要らない、潰すしか無いと西郷。
驚く一蔵。
力を貸してくれと西郷。
とてもついて行けないと一蔵。
子供たちと鰻獲りに興ずる西郷。
その様子を橋の上から見ている糸。
何やら大荷物を持たされています。
兄嫁から急かされる糸。
その様子を見ていた一蔵。
西郷の帰りを祝う宴。
顔を見せない一蔵。
一座を切り盛りする吉二郎の嫁の園。
兄も嫁を取ってくれと琴。
嫁取りの話で盛り上がる一同。
翌日、山のように集まった西郷の嫁候補。
そこに現れた雪蓬。
西郷の口利きで赦免になったのでした。
そのまま西郷家に居着く雪蓬。
西郷に嫁取りを迫る琴。
島に妻と子が居ると西郷。
西郷家の跡取りはどうするのかと琴。
西郷家に跡取りをと頼む吉二郎。
鶴丸城。
幕府からの参勤交代の命を受け、激怒する久光。
自分が幕府と掛け合って取りやめさせたはずなのに、
長州征伐に成功したために幕府は思い上がった、
つまりは西郷のせいだと久光。
久光の言いかかりに、泣いて詫びる西郷。
その様子に驚く久光。
一蔵に京に行き、西郷の尻拭いをしてやれと命ずる久光。
廊下。
西郷を掴まえ、国父様の懐に入るつもりかと一蔵。
慶喜は再び長州を征伐するに違いない、
そうなれば薩摩にも出兵命令が下る、
しかし、薩摩は長州の味方に付くと西郷。
気は確かかと一蔵。
国父を動かすためなら媚びも売る、偽りの涙も流す、
力を貸してくれと西郷。
ためらう一蔵。
そこに現れ、今や薩摩を代表する西郷に嫁も嫡子も居ないのは恥だ、
早く嫁を取れという君命を伝える久武。
考え直せと言い捨てて去る一蔵。
大久保家。
嫁取りの話で来ていた琴。
自分も明日京に上る、西郷も近く京へ行く、
嫁を選んでいる暇はないと一蔵。
満寿に糸の事を調べておいてほしいと頼む一蔵。
西郷家。
嫁を取れと西郷を責める琴。
そこに現れた満寿。一緒に来たのは岩山直温と糸。
糸の幼い頃の話がはずむ一同。
離縁されていた糸。
それを聞き、これ以上の嫁は無いと盛り上がる一同。
一人煮え切らない糸。
突然産気づいた園。
得意の足で、産婆を呼んできた糸。
ますます西郷の嫁にと一同。
私は跡継ぎが産めずに離縁された身、
西郷家の嫁には相応しくないと糸。
翌日、岩山家を訪れた西郷。
糸に嫁に来てほしいと西郷。
自分は子が産めないために離縁されたのだと糸。
そんな事は天に任せようと西郷。
私を哀れんでくれているのかと糸。
自分は今日本中がひっくり変える様な事を考えている、
民のための国を作ろうとしていると西郷。
一蔵には判ってもらえなかった、しかし、糸になら判ってもらえる、
一人でも判ってくれる人が居たら心強いと西郷。
すんもはんと糸。
無理をいうたなと立ち去る西郷。
西郷家。
糸に断られたと一同に詫びる西郷。
何と言ったと雪蓬。
惚れる暇はないと言ったと西郷。
非難を轟々と浴びる西郷。
岩山家。
糸に西郷は今日旅立つそうなと直温。
今度はお前が決めたら良いと直温。
西郷家へ走る糸。
京に立ったと聞き、後を追う糸。
橋の上で追いついた糸。
あの家でお帰りを待っています、
西郷吉之助と一緒に新しい国を見たいと糸。
ふつつかものですが、よろしくおねがいしますと糸。
ありがとうと西郷。
そのまま京に向かう西郷。
西郷吉之助、チェストー、気張れと糸。
笑って行く西郷。
「今回は糸との結婚までが描かれました。序盤に散りばめられていた伏線がここで回収されましたね。足が速いというのは得な事なんだな。」
「糸とのなれ染めは無論すべて創作です。当時の嫁取りは家と家の縁組みであり、個人的な感情はほとんど無視されていました。岩山家との縁組みも、西郷家の家格が上がり、岩山家と釣り合う様になった事が大きかったかと思われます。」
「もっとも、それではドラマになりませんから、最初からこの展開は意図されていたのでしょう。可愛そうなのは愛加那ですが、当時の薩摩にあってはいかんともし難く、西郷も苦悩した上での決断でした。また、これもドラマには出てきませんでしたが、この時期西郷は菊次郎に対して手紙を出しています。やはり、奄美大島に残してきた妻子に対する思いは複雑なものがあった様です。」
「それにしても西郷の成長ぶりには芽を見張るものがありますね。久光を地ごろと罵った頃とは一回りも二回りも大きくなっています。まさに革命家としての凄みが付いたというべきでしょうか。」
「幕府が参勤交代を再開しようとした事は事実で、ドラマで久光が言った様に長州征伐に成功した事が大きな要因でした。一蔵がその阻止のために京に派遣されたのも史実どおりです。」
「ドラマでは説明が無かったのですが、西郷が福岡経由で京に上ったのは、五卿(八・一八の政変時に都落ちした七卿の内の五人。一人は死亡し、一人は生野の変に参加し、残りは5人となっていました。)の取り扱いについて協議するためで、福岡藩の五卿に対する待遇の改善、そして幕命による五卿の出府に対処するためでした。ドラマにあったように、この時期の西郷は多忙を極めていたのですね。」
「次回は岩倉具視が出てくる様ですね。笑福亭鶴瓶が演じる岩倉はなかなか面白そうです。どんな怪人ぶりをみせてくれるのか楽しみです。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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