西郷どん 第三十回 「怪人 岩倉具視」
一橋派を朝廷と切り離すべく活動を始めた西郷。
しかし、肝心の孝明帝が慶喜を信頼しきっており、全く上手くいきません。
その最中、ヤモリとあだ名された岩倉具視の名を聞いた西郷。
岩倉村。
岩倉に金を届ける一蔵。
その金をひったくるようにして受け取り、
このままでは終わらないとつぶやく岩倉。
薩摩藩邸。
民草は天子様の子であり、身分の差は無い、
そう記した岩倉の手紙を読み、会わせて欲しいと一蔵に頼む西郷。
あれはただの物乞いだと一蔵。
岩倉はかつて和宮降嫁を実現させた凄腕でした。
しかし、その後政争に敗れ、都を追い出されたのでした。
岩倉隠棲地。
岩倉を訪ねてきた西郷と一蔵。
一歩足を踏み入れたとたんにくせ者避けの罠にかかってしまいます。
高笑いする岩倉。
岩倉に飯を振る舞われる西郷と一蔵。
毒が入れてあると言われ、思わず吹き出す西郷。
西郷の素性を詳しく知っていた岩倉。
侍の世は終わると岩倉。
斉彬も同じ事を言っていたと西郷。
幕府は要らないと思っているのかと西郷。
そんな話で来たのかと岩倉。
金を差し出す西郷。
それを受け取り、力になってやろうと岩倉。
夕方。
賭場を始めた岩倉。
岩倉に誘われ、賭けを始めた西郷。しかし、連戦連敗です。
賭場の客で連勝続きの男。
それは桂小五郎でした。
賭場の帰りに桂に追いついた西郷と一蔵。
長州と手を組みたいと思っていると西郷。
薩摩に恨みこそあれ、話す事などないと桂。
刀を抜き、一触即発の桂と一蔵。
間に入ってその場を納めた岩倉。
幕府に勝つための方法を教えてやる、その前に金をと岩倉。
自分は帰ると一蔵。
西郷には博打の負け分を返せと、御庭番を命ずる岩倉。
慶喜邸。
慶喜を江戸に戻すための使者。
その命令文を破いた慶喜。
自分が京に居るのは天子様のお望みだと慶喜。
ふきにサボンを贈ってやる慶喜。
どこか不満げなふき。
一人、岩倉の下で雑用をこなす西郷。
汚い納戸。そこに隠されていた立派な着物。
箱に隠されていた有力者たちへの手紙。
そこには倒幕もやむなし、
そのためには長州と薩摩の手を握らせる必要があると書かれていました。
すべては夢物語だと岩倉。
すべては天子様の御心次第と西郷。
自分は蟄居、息子たちも閑職の身、岩倉家は天子様に嫌われたのだと岩倉。
岩倉の考えはこの国に要りようだ、必ず天子様からの呼び出しがあると西郷。
自分は日の目を水に死ぬ運命、帰れと西郷を追い返した岩倉。
岩倉の夥しい手紙を前に考え込む西郷。
あの男は駄目だ、もう諦めろと一蔵。
あの着物は、いつ呼美戻されても良い様に手入れがしてあると西郷。
岩倉家。
西郷の負け分の金を持って岩倉を訪ね、もうこれっきりだと一蔵。
そこに大勢の二才たちを釣れて現れた西郷。
彼らは岩倉の手紙を読んで感激してやって来たのでした。
話を聞かせてくれと願う一同。
そこに書いてある事はみんな嘘、自分は天子様から忘れられた身だと岩倉。
そこに現れた岩倉の息子、周丸。彼は天子の勘気を解かれ、
天子様の近くに戻れたと告げます。
そして、天子様の言葉として、岩倉の事は決して忘れていないと伝えました。
感激のあまり叫びながら、
今ずく天子様にお会いしたいと御所に向かって拝跪する岩倉。
そしてすぐに立ち直り、麻呂の有り難い話を聞かせてやる、
その前に木戸銭だと岩倉。
このままでは終わらないと岩倉。
「今回は岩倉具視との出会いが描かれました。実際の出会い方がどうだったかは判りませんが、ドラマ仕立てとしては面白かったと思います。特に笑福亭鶴瓶の怪人ぶりが見事にはまっていますね。」
「岩倉具視の隠棲地には先日訪れてきましたが、岩倉実相院近くにありました。今は周辺は開けていますが、当時は周辺に何も無い片田舎だった事でしょう。また、現在はすっかり手を入れられて綺麗になっていますが、たぶんひどいあばら屋だったものと思われます。」
「岩倉は元々は幕府寄りの公家で、公武合体の象徴としての和宮降嫁に力を尽くした事で知られます。公家の中では辣腕家とされていましたが、尊王攘夷派が台頭して来ると政争に敗れて失脚し、都から追放されてしまいます。」
「蟄居後は、尊攘派からの襲撃に怯えながらも、かつての辣腕ぶりを知る薩摩藩などが接触を図り、その影響から幕府寄りから反幕的な立場へと変貌を遂げます。」
「ドラマでは屋敷で賭場を開帳していましたが、実際にもそうだったようですね。というより、下級公家の間では当たり前の事だったとか。岩倉と言えば喧嘩上手で知られますが、そうした賭場に出入りする様な階層との付き合いが岩倉をして公家らしくない人物像を形作ったのかも知れません。」
「慶喜が孝明帝の信認を厚く受けていたのは有名な話で、幕府の生命線でもありました。この二人の仲を裂くことなど容易な事ではないのは誰の目にも明らかでした。逆に言えば、反幕派にとっては、他ならぬ天皇その人が大きな壁となっていたのです。」
「桂と西郷、大久保のやりとりはす完全な創作です。お互い名は知っていたでしょうけど、実際に会った事はあるのかしらん。その辺は謎ですね。」
「次回はいよいよ龍馬が出てくる様ですね。主役ではないけれど、やはり龍馬が出てくるとなるとわくわくするなあ。ちゃんと活躍の場を与えてあげて欲しいものだと願うばかりです。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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