西郷どん 第二十五回 「生かされた命」
瀕死の状態で、牢から救い出された西郷。
これで懲りたろう、友を信じるのはやめよと雪蓬。
自分を生かしたのは天と人だと西郷。
雪蓬はお由羅騒動の時に流されてきた、
その時友が呼び戻どすと約束してくれたが、そのまま十数年が過ぎてしまったと土持。
土持の機転で、家の中の座敷牢に移された西郷。
彼らの恩に報いたいと、子供たちに学問を教える西郷。
生麦村。
久光の行列を乱したイギリス人を殺した奈良原と海江田。
江戸城。
イギリスから30万両の賠償金を要求された幕府。
薩摩は家臣、徳川のために家臣はある、賠償は薩摩にさせよと慶喜。
沖永良部島。
イギリス艦隊が薩摩に向かっているとの知らせを聞いた西郷と雪蓬。
鶴丸城。
断固戦う事を主張する一蔵。
その言葉に乗った久光。
どさくさ紛れに、寺田屋騒動で謹慎になっていた精忠組の面々を赦免させた一蔵。
沖永良部島。
イギリス来襲の危機に、斉彬の教えを守るため島抜けを図った雪蓬。
沖永良部島にイギリスが来るかも知れないと恐れる島民たちに、
偽の大砲を作って並べろと雪蓬。
雪蓬、土持と三人だけで偽砲を作る西郷。
手伝いを願い出る子供たち。
フランス革命の英雄としてナポレオンを語る雪蓬。
次々に手伝い始めた島民たち。
数日後、戦が終わったという知らせに喜ぶ西郷たち。
西郷に届いた償還命令。
雪蓬から餞別として渡されたナポレオン伝。
残された時間で島民たちを指導する西郷。
薩摩から迎えに来た信吾。
その夜、信吾を囲んだ歓迎会。
スイカ売りに化けてイギリス船に乗り込んだと信吾。
薩摩への船出。
革命と書いた旗を振り、見送る雪蓬。
信吾の計らいで薩摩への途中、奄美大島へと立ち寄った西郷。
愛加那と久方ぶりの再会を果たした西郷。
菊池源吾にはなれなかったと西郷。
会えなくても、私の中にあなたは居ると愛加那。
「今回は生麦事件から薩英戦争、そして西郷の帰還が描かれました。」
「まず訂正しなければいけないのが、徳之島での別れが西郷と愛加那の今生の別れと書いてしまったのですが、今回のドラマにあったように薩摩への帰還の途中で大島に立ち寄ったのでした。この時の数日間が今生の別れとなった訳で、お詫びして訂正します。」
「雪蓬については、ドラマではお由羅騒動で流されたとありましたが、これは前回に書いたように久光の書物を勝手に売り飛ばしたという、少々情けない罪で流罪となったのでした。」
「薩英戦争については、沖永良部島に攻めて来るというありませんでした。当然、西郷や雪蓬が対策を施したという事もありませんでした。」
「しかし、傍観者で居るしかなかった西郷のあせりは強く、地団駄を踏む思いであったと言います。その気持ちは土持にも伝わり、土持の発案で薩摩にまで渡る船を作ろうとまでしています。」
「薩英戦争の結果は、鹿児島の町は焼け野原となったのですが、イギリス艦隊の受けた被害も決して小さくなく、これ以後お互いに興味を持ち合い、協力関係へと発展して行く事となります。」
「この戦いの最中、薩摩藩士がスイカ売りに化けて船を乗っ取ろうとしたのは実話で、結果としては怪しまれて失敗に終わったのでした。何だかおとぎ話のような話ではありますね。」
「西郷への帰還命令が出たのは、薩英戦争での活躍により、精忠組の発言権が大きくなった結果でした。それでも久光は容易に帰還に同意せず、ようやく西郷が十分に反省している事が確かめられれば容認するとまで譲歩したのでした。それほど久光にとって西郷の存在は大きかった様です。」
「西郷もこの1年半に及ぶ流罪の中で大きく成長し、権力者に対して地ごろなどと思った事をそのままぶつけるような幼稚な事はする事はせず、真意は深く胸中に止め、韜晦する事を覚えたのでした。これ以後、久光に対して面と向かって刃向かう事はせず、少なくとも表面上は従順に振る舞う様になります。」
「雪蓬が西郷に伝えたナポレオンについては、当時の日本ではナポレオンこそがフランス革命の英雄と誤解されており、ワシントンなどと共に最も尊敬すべき人物と思われていたのでした。そして、西郷は生涯ナポレオンを尊敬して生きて行く事になります。」
「次回(7月15日)はいよいよ西郷が中央政界へと復帰する様ですね。ここからが西郷の本領発揮の場面であり、どんな西郷像が描かれるのか楽しみです。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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