西郷どん 第二十七回 「禁門の変」
西郷の前に現れた一人の物乞い。
京の町が焼かれるというのは本当かと物乞い。
侍の本当の役目は民を守る事と西郷。
鍵屋。
西郷を訪ねてきた物乞い。
彼は長州の桂小五郎と名乗りました。
長州の過激派が動いている、長州を助けるため慶喜に会わせてほしいと桂。
平岡を斬ったのは長州ではないのかと西郷。
違う、しかし、今嫌疑を掛けられているのは長州、土佐、薩摩と桂。
薩摩の人斬り半次郎は凄腕で知られていました。
禁裏御守衛総督を任じられていた慶喜。
長州を恐れる孝明天皇。
長州を撃てと命じてほしいと慶喜。
西郷のお目付役として派遣された小松。
桂を慶喜に会わせ、慶喜がどう出るか見てみたいと西郷。
薩摩藩邸。
あっという間に3人を打ち据えた半次郎。
平岡殺害の下手人として半次郎を疑う小松。
自分で嫌疑を晴らすと半次郎。
慶喜の屋敷。
平岡殺害の下手人が知れ、ここまで裏切られるのかと泣き笑いする慶喜。
西郷からの誘いでヒー様として出かける慶喜。
とある料亭。
ヒー様として遊ぶ慶喜と西郷。
その席に現れた桂。
長州の暴発は自分が止める、天子様に取り次ぎをと願う桂。
簡単に引き受けた慶喜。
幕府と長州、それに薩摩が手を結べば乱れた世も正せる、
共に日本国を守ろうぞと慶喜。
升屋。
過激派の説得を始めた桂。手始めは古高俊太郎。
そこに現れた半次郎。
慶喜の命を狙った犯人を捜す半次郎。
半次郎ではないのかと桂。
邪魔をしたと帰る半次郎。
古高の家を見張る怪しい影。
六月五日、祇園祭の宵々山。
京に火を放ち、その混乱に乗じて天子様を長州に移す、
そう自白した古高。
今こそ好機、長州の巣窟を襲い、一網打尽にせよと慶喜。
池田屋事件。
惨殺された九名の志士たち。
復讐を叫び、二千の兵で京を目指す長州。
迎え撃つ幕府軍は三万。
長州は死に場所を求めているのかと西郷。
ここは腹を決めようと新八。
薩摩の役目はあくまで禁裏守護、出兵は控えると慶喜に伝える西郷。
久しぶりに再会した半次郎と西郷。
慶喜の邸宅。
長州と手を組むという話でしたがと西郷。
桂に乗せられた、やつらは御所を襲う寸前だったと慶喜。
なぜ薩摩は兵を出さないと慶喜。
自分は桂を信じると西郷。
平岡を斬った下手人が見つかった、水戸の者だったと慶喜。
水戸斉昭の子を水戸の者が暗殺しようとしたんだ、
もう誰が味方で敵なのか見当もつかん、
お前しかいないと慶喜。
京を取り囲んだ長州軍。
長州に撤兵を、そしてすべてを慶喜にまかせるという勅命。
これを聞き、出陣を決意した西郷。
この戦は長州と戦う事にあらず、退去させる事にあると西郷。
元治元年七月十九日、京に攻め入った長州軍。
乾門を守る薩摩軍。
檄を飛ばす長州の来島又兵衛。
優勢に戦を進める長州勢。
遂に動いた西郷。
蛤御門で激突した薩摩と長州。
長州が御所に向かって発砲するに及んで本格的な戦闘が始まります。
来島又兵衛一人を狙えと西郷。
その言葉に従って、又兵衛を討ち取った半次郎。
戦はこれまでと叫ぶ西郷。力を落とす長州勢。
そこに突っ込んできた会津勢。
再び始まった戦闘。必死に止めようとして足に被弾した西郷。
長州の賊徒をなで切りにせよと命ずる慶喜。
幕府方が放った火に依って、京に広がった火の手。
「今回は禁門の変が描かれました。懸命に止めようとした桂や西郷の願いもむなしく戦いは始まり、京は火の海と化したのでした。」
「戦いの前に桂が西郷に会ったというのは創作です。そもそも桂は長州の外交官であり、この時期にはまだ変装して逃げ回る必要はありませんでした。京から退去を命じられたのは外交官以外の長州藩士であり、桂はその中には含まれていなかったのです。」
「池田屋事件の嫌疑は強風の日を待って京に火を放ち、その騒動に乗じて天皇を長州に動座願うというものでしたが、実際に計画されていたのは中川の宮邸を襲うという程度のものでした。しかし、それ以前から流布されていた噂が裏付けられたと判断した新選組と会津藩が、これを好機と捉えて過激派の一掃を狙ったのでした。」
「京を囲んだ長州勢は、急いで攻め込むような事はせず、朝廷に対して陳情を繰り返すという戦術に出ます。京を軍勢に囲まれた朝廷は大混乱に陥っており、長州の申し出によって一時は会津に代えて長州に朝廷の守護を任せようという論までが出るに至っています。これに対して慶喜らが、それならば一会桑は一切手を引くと脅して事態を抑えています。」
「しかし、慶喜の腰も定まらず、言を左右する慶喜を見て、一時は慶喜が長州と手を結ぶのではないかという憶測が出るまでに至りました。決して長州勢が一方的に劣勢だった訳ではないのですね。」
「薩摩はというと、当初は長州と会津の私戦という立場を取り、出兵には応じませんでした。あくまで禁裏守護が役目と主張する西郷を見て、長州からも味方として期待を掛けられる事となります。しかし、西郷は朝廷に脅しを掛ける長州を見て、開戦やむなしと立場を変えていきます。」
「戦いは伏見方面で始まり、ここでは幕府軍が優勢で、長州勢は総崩れとなってしまいます。しかし、嵯峨から出た来島又兵衛率いる一隊は、幕府軍の警戒を掻い潜り、蛤御門にまでたどり着きました。そこで会津藩と激闘となり、一時は御所内に突入し、禁裡へと迫る勢いを示します。これを覆したのが西郷でした。」
「彼はドラマにあった様に、来島又兵衛一人に狙いを絞り、狙撃によって又兵衛を倒したのでした。又兵衛を倒したのは誰かは判っておらず、半次郎としたのはドラマの創作です。」
「又兵衛を倒した後、ドラマでは停戦を呼びかけていた西郷でしたが、実際にはさらに追撃を命じており、遅れてきた久坂玄瑞の一隊を攻め、鷹司邸に火を掛け、これを壊滅させました。ドラマでは戦嫌いとして描かれている西郷ですが、実際には戦好きで、決して平和主義者ではありませんでした。この後もドラマでは平和主義者として描かれていくでしょうけれども、それは西郷の実像を表したものではありません。」
「京を火の海にした元凶は無論長州勢にありますが、それ以上に隠れている長州勢をあぶり出すためと称して町屋に火を掛けた幕府軍に依る被害が大きかったと言います。その中には当然薩摩藩も含まれていました。」
「紀行の中でナレーションとして流れていた天竜寺の焼き討ちをしたのは、他ならぬ薩摩藩です。薩摩藩は、長州勢を匿ったという名目で、既に長州勢が居なくなっていたにも関わらず、天竜寺を焼いてしまったのですね。決して薩摩藩は正義の味方ではなかったという事です。それが戦というものの実情なのでしょう。」
「次回はいよいよ龍馬と海舟が出てくる様ですね。どんな龍馬たちを見せてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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