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2018.07.15

西郷どん 第二十六回 「西郷、京へ」

西郷が京に来ると聞き、興味を持つ岩倉具視、坂本龍馬、勝海舟たち。

鹿児島、西郷家。
借家住まいとなっていた西郷家。

仲間に島人たちの苦悩を話す西郷。
西郷が居ない間に起こった京の政変を伝える大山たち。

五日後、京に向かった西郷。
その途上、糸と再会した西郷。

京。
参与会議を引っかき回す慶喜。

孝明天皇から信任を受けた慶喜。

鍵屋。
尊攘派からの嫌がらせを受けている鍵屋。
そこに現れた西郷。再会を喜ぶお虎。

繁の家。
一橋家の家臣たちとの宴会で畳回しをしてみせる一蔵。
喝采する平岡たち。

くたびれ果てた一蔵を介抱するおゆう。

参与会議での慶喜と久光の確執を西郷に話す一蔵。
慶喜のあまりの態度に、国に帰ると言い出した久光。

薩摩が貶められる一方で西郷の名声は高まっている、
薩摩を救えるのはお前だけだと一蔵。

慶喜の屋敷。
牛男の絵に見入るふき。
牛男に妬いているとはと慶喜。

薩摩屋敷。
西郷と久光の対面。

自分はまだお前を許していない、下がれとキセルを投げつけた久光。
じっと耐えておとなしく引き下がった西郷。

もう一度、慶喜と会ってほしいと久光に頼む一蔵。

慶喜の屋敷。
訪ねてきた西郷を、慶喜は知らぬと追い返す平岡。
周囲にたむろする怪しい人影。

鍵屋。
西郷を訪ねてきたふき。今は慶喜の側室となっていました。
牛男と書いた文を手渡し、慶喜が会いたいと言っているとふき。

とある料亭。
かつてのヒー様として遊び人に扮している慶喜。

屋敷で会わなかったのは、見張られているからだ、
今の俺には誰が味方で誰が敵かも判らぬと慶喜。
薩摩はヒー様の味方、今一度国父様に会ってほしいと西郷。
あの男は自分の事しか考えていない、だから芋なんだと慶喜。

また逃げようとしているのかと西郷。
誰にも俺の気持ちは分からない、もう良い帰れと慶喜。
自分は嬉しい、また慶喜と腹を割って話が出来るのだからと西郷。
気持ちが変わって杯を差し出す慶喜。

なぜ俺が薩摩や宇和島、土佐、徳川の家臣たちと肩を並べなくてはならぬ、
あの井伊掃部頭は凄い男だったんじゃないのかと慶喜。
それは違う、左内はここに居ない、どれぼど日本を憂う人材が散った事か、
幕府が守るべきは民と西郷。
お前は変わらぬなと慶喜。
徳川も薩摩も長州もない、今は一つになる時だと号令を掛けられるのは唯一、
ここに居る将軍後見職慶喜と信じていると西郷。
斉彬に似て来やがった、判った、芋に会ってやろうと慶喜。

薩摩屋敷。
慶喜と何を話しても無駄、会わずに帰ると久光。
それでは西郷の働きが無駄になると一蔵。
大義であった、これでよかろうと久光。
ありがたき幸せと西郷。
良い心掛けだ、新しい役目として軍賦役兼諸藩応接係を申しつけると久光。

慶喜の屋敷前。
慶喜の代わりに撃たれた平岡。

斬られたのは自分だと、震え上がる慶喜。

久光が帰った事を慶喜に詫びる西郷。
不自然な笑みを浮かべ、国父殿に謝りたい、侮辱したのは本震では無い、
薩摩にはこれからも協力してもらわねばならないと慶喜。

平岡が刺された、こういう時こそ心と心で付き合いたい強き者が要る、
それは西郷、お前だ、薩摩は私と共にある、信じているぞと手を取る慶喜。
訝しげに慶喜を見、その目の奥に不気味なものを感じた西郷。

「今回は遠島を解かれた西郷が、一転して政治の中心地である京に舞い戻るまでが描かれました。今までの青臭い西郷は消え、自分を韜晦して久光の信を得るまでに成長した西郷がそこには居ました。」

「ドラマでの西郷は元気そのものでしたが、実際の西郷は長い間の座敷牢の生活が祟り、まともに歩けないほど足腰が弱っていました。そんな有様でありながら、帰国後わずか五日後に京に向かっているのですから、当時の武士というのはつらいものだったのですね。」

「西郷はそのわずかの滞在期間中に、島人たちへの苛政を告発する上申書を藩庁に向かって発しており、適正な価格での砂糖の取引をし、暮らし向きを助けてやるべきだと求めています。このあたりが西郷の真骨頂と言うべきでしょうか。」

「さて、西郷の居ない間に、歴史は大きく動いていました。主として長州藩を巡る動きで、天皇自らが攘夷を行うと神詣でをするという加茂行幸や、実現しなかったものの大和行幸が計画され、慶喜はその対応に振り回されていたのでした。そして、長州藩による外国船への砲撃があり、それらの反動として長州藩を京から追い落とす八月十八日の政変が起こっています。この政変では薩摩藩が中心となっており、会津藩もまたその一翼を担ったのでした。この頃は、一時的にせよ、幕府と薩摩藩は蜜月関係にあったのです。そしてその一方では、長州贔屓であった京においては、薩摩は会津藩と共に薩賊会奸と呼ばれて敵視される様になってしまいます。」

「参与会議とは、主として久光が主導して出来上がった政体で、それまでの幕府だけが政治を行う体制を改め、有力諸藩を京に呼び集めて合議制で政を進めていこうという画期的なものでした。具体的に呼ばれたのは、久光自身のほか、土佐の山内容堂、宇和島の伊達宗城、福井の松平春嶽、会津の松平容保、それに一橋慶喜でした。」

「しかし、この会議はあまりにも薩摩藩が主導権を握ろうとした事が祟り、それを警戒した慶喜によって壊される事となってしまいます。具体的には孝明天皇が求める横浜鎖港を巡って、開港維持を主張する久光たちに対して、慶喜一人が鎖港を主張し、ついには朝廷に対して将軍家茂が鎖港する旨を答申したため、久光たちは天皇の信を失ってしまったのでした。」

「ドラマでは慶喜が久光を捕まえて姦物呼ばわりをしていましたが、あれも実話で、おそらくは演技でしょうけれども、中川宮の面前で久光を天下の大愚物、大姦物呼ばわりし、台所を支えてもらっているから言うことを聞くのかと暴言を吐いたと言います。結果として参与会議は解体し、政体は元通り幕府への一任へと戻ってしまったのでした。」

「ドラマで西郷は慶喜の目の奥に不気味なものを感じていましたが、実際の西郷も慶喜に禍心が生じている模様と知人への手紙で書いており、かつて日本の救世主として担ごうとした慶喜その人に対する不信感が芽生えてきた事を示唆しています。」

「西郷が拝命した軍賦役兼諸藩応接係とは、事実上京における軍事の実権を預かった事を意味し、次回の禁門の変での西郷の役割に大きく関係して来ます。京都の町を恐怖のどん底におとしめたこの戦を、どう描くのか楽しみに待ちたいと思います。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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