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2018.06.24

西郷どん 第二十四回 「地の果てにて」

罪人として徳之島に流された西郷。
そこに思いもかけず、愛加那と二人の子供が尋ねてきます。
束の間の家族団らんに心ほぐれる西郷。

江戸。
勅書を家茂に手渡す事に成功し、慶喜を将軍後見職に、
春嶽を政事総裁職に就ける事が出来た久光。


福井藩邸。
意気揚々と慶喜と春嶽に拝謁し、兄に代わって日本を強き国にして行く所存と久光。
その久光を芋とこき下ろし、仲間付き合いをしたければ西郷をつれて来いと慶喜。

穏やかな日々を過ごす西郷の下に届いた、更なる沖永良部島への遠島の命。
従容と命に従う西郷。
泣き崩れる愛加那。

遠島囲い召し込みの罰を受け、壁すら無い粗末な小屋に押し込められた西郷。
それを遠目に見ている川口雪蓬。

藩の命を超えて、西郷を手厚く世話する島役人の土持政照。

薩摩から届いた文を横取りし、中を読む雪蓬。
一蔵の出世を揶揄する俊斉。
一蔵の考えが判らないと大山。

人は裏切るものと雪蓬。
一蔵は友だ、おいは信じていると西郷。

こんなところに入れられているのは、死ねと言われているのと同じと雪蓬。
代官所から命じられているのは、冷えた麦と塩だけと土持。
日々の飯は、いずれ死ぬであろう西郷への島人の哀れみだと雪蓬。
以後、土持たちの飯に手をつけなくなった西郷。

ひたすら座禅を組み、日々を過ごす西郷。

奄美大島。
西郷を案ずる愛加那。

嵐の翌日、ついに倒れた西郷。
強引に小屋に入り、西郷を助け起こす雪蓬。
西郷を助け出す土持たち。

「今回は沖永良部島まで流された西郷が描かれました。彼の置かれた環境はあまりにも過酷でしたが、実話だった様ですね。久光が西郷に対して持った怒りはそれほど大きかったという事なのでしょう。」

「西郷はその異様なまでの怒りの原因を、讒言によるものと思い込んだ様です。とりわけ、俊斉の讒言のせいだと思い定め、これ以後、俊斉を忌み嫌うようになったとも言われます。」

「一方、愛加那が二人の子を連れて徳之島に訪ねてきたのもドラマにあったとおりで、違うのは菊草が一と月目の子ではなく、五ヶ月目の子だったという点くらいでしょうか。さすがに、首の据わらぬ生まれたばかりの子を海を渡って連れてくるというのは、無理がある設定でしょう。」

「愛加那との暮らしはわずか数日間で終わります。そして、この時が愛加那と西郷との今生の別れとなってしまいました。西郷と愛加那にとって、わずかな時間とは言え、家族団らんを味わえた事を幸せだったと言うべきなのか、何と言えば良いのでしょうね。」

「久光の出府は、結果として成功裏に終わりました。実のところ、西郷が指摘した様に、岩倉具視など具眼の士は、地ごろに過ぎない久光が出府したところで、幕府が相手にしないどころか、下手をすれば幽閉されるのではないかという観測をしていた様です。しかし、幕府の衰弱ぶりは予想以上で、久光の挙は見事に実り、その名は世に響く事となったのです。」

「ドラマでは慶喜が久光を罵倒していましたが、あれは創作でしょう。久光の西郷への怒りを深め、さらに久光を貶める事によって西郷や一蔵の働きをより際立たせるための伏線なのでしょうか。あれでは久光が少し可愛そうですね。」

「結果論になりますが、久光がやった事はこれ以後雄藩が幕政に参加する端緒となり、幕末史を大きく動かす原動力となっていくのです。つまりは、久光は過小評価されるべき人物ではないという事ですね。」

「不思議な人物と言えば川口雪蓬ですね。彼は元を正せば久光の文庫係を務めていたのですが、生来の酒好きが祟り、ある日久光秘蔵の書を売り飛ばして酒代としてしまった事から、この島に流されてしまったのでした。この雪蓬は学問の面で西郷に大きな影響を与える事となっていきます。」

「次回は生麦事件や薩英戦争など大きな出来事が起こるようです。またしても西郷はそこに居ないのですが、ドラマではどのように関わっていくのか、楽しみに待ちたいと思います。」

(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著


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