西郷どん 第十九回「愛加那」
島の仕事を手伝い、米の飯を分け与える西郷。
そんな夢を見せるのは止めて欲しいと佐民。
正助からの手紙で自重せよと諭された西郷。
西郷は自分たちと同じ夢は見られない人ととうま。
島の子供たちに勉強を教える西郷。
ある日、隣村の住民を見せしめに連れてきた役人たち。
佐民の家にやって来た役人たち。
家の中に砂糖を隠していたと言いがかりを付け、佐民達を連れ去った役人。
西郷に自重を促す木場。
佐民に拷問を加え、自白させようとする役人。
村人たちの先頭にたち、代官所に押し寄せたとうま。
とうまを止めるべく駆けつけた西郷。
しかし、押し通ってしまったとうま。
乱入したとうまに自分のアンゴになれば許してやると田中。
アンゴになるくらいなら死ぬととうま。
それを引き留めた西郷。
居丈高な田中を無視して、佐民を助け出した西郷。
西郷を訴えようとする田中に正助の書状を見せ、
西郷の正体を明かす木場。
それを知り、訴えを諦めた田中。
ユタに促され、自らの運命を見るとうま。
その夜、西郷の下を訪れアンゴにしてくれと迫るとうま。
アンゴにはできぬ、妻になってくれと西郷。
西郷ととうまの婚礼。
その夜、とうまに愛加那と名付けた西郷。
そして菊池源吾としてこの島で生きると西郷。
「今回は西郷ととうまが結ばれ、愛加那となるまでが描かれました。」
「加那とは愛しい人と言う意味。また現在の子という意味もあります。つまりは今風に言えば愛子という事になるのでしょうか。」
「アンゴとは現地妻の事。当時の決まりとしては現地妻はあくまで島内だけの事で、流人が鹿児島に帰る時には連れて帰れない掟でした。その一方で、子供が出来れば島役人に取り立てられる事も多く、またアンゴにも手当が付くことがあったので、島の娘は積極的にアンゴになりたがったとも言われます。」
「西郷の場合、最初はアンゴを娶る事は拒んでいたのですが、時が経つにつれ心がほぐれ、龍佐民から勧められるままに於戸間金、つまりはとうまをアンゴにしたと伝えられます。この時西郷は33歳、愛可那は23歳でした。」
「その一方で、罪無くして流された事で荒れていた西郷を鎮めるために、酔っ払わせた西郷の部屋に於戸間金を人身御供の様に差し入れ、西郷はその責任を取ってやむなく於戸間金をアンゴとしたという話も伝わっています。」
「いずれにしても二人の仲は睦まじいものであったらしく、客人の前でも二人で寄り添って離れず、客人の方が赤くなって困ったと言われます。また愛可那は西郷の髪を毎日すいて、別れる日のためにその抜髪を手元に置いておいたと伝わります。愛可那のいじらしい程の思いが伝わってくる様な逸話ですね。」
「西郷が島役人に捕まった島人を取り戻したという話は伝承として伝わっており、ただの流人ではなかった西郷の立場がそれほど強かったのではないかと言われています。ただ、あくまで伝承としてであり、実際にあったかどうかは判りませんけどね。」
「ドラマでは菊池源吾として生きると愛可那に誓った西郷でしたが、実際には鹿児島に帰る事は諦めていませんでした。何度も正助に手紙を送り、なぜ自分が呼び戻されないのかと問い、何も出来ない自分を豚同然と自嘲しています。」
「しかし、愛可那との間に子供が生まれ、新居を建てるに至って、島人になりきり心苦しい限りですとの心情を正助に訴える様になりました。つまりは、鹿児島に帰る事は半ば諦め、思いとは反対に島人として暮らしていく心境になってきたという事なのでしょう。」
「次回はそんな西郷の力の及ばないところで、大きな出来事が次々と起こっていく様です。愛可那と幸せに暮らす西郷にどんな変化が訪れるのかは、次回のお楽しみの様ですね。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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