西郷どん 第九回「江戸のヒー様」
江戸に着き、早速藩邸の厳しい洗礼を受けた西郷。
そこで待っていたのは俊斎と大山でした。
江戸城。
再度来航したペリー艦隊に対する対応について話し合う阿部と斉彬。
評定の場で激しく対立した徳川斉昭と井伊直弼。
決済を求められて、何も言わずに立ち去った家定。
開国に傾いた評定。
何の策もなく開国しては清国の二の舞、英邁な君主を抱き、政を改めねばならないと斉彬。
斉彬の子、虎寿丸と戯れる篤姫。
相撲をねだる虎寿丸。相撲ならもっと強い男がいると篤姫。
そんな篤姫を見て、将軍家の御台所が務まるかと訝る斉彬。
品川宿のとある宿屋に連れてこられた西郷。
女が相手をすると知って帰ろうとする西郷。その時出会った女。
その女がふきであると知って驚く西郷。
部屋に戻ってふきの身の上話を聞く西郷。
そこに現れたヒー様。わっと騒ぎ立てる女達。
女達の絵姿を描いてやるヒー様。
西郷を呼び、この人を描いて下さいと頼むふき。
ヒー様が描いた西郷の絵は牛の様でした。
こいつは一生貧乏で終わる、嘘のつけない目をしているとヒー様。
そこに乱入してきた侍達。相手をしないなら金を返せという侍達に金を投げつけたヒー様。
激高した侍達。西郷を盾にして一人逃げ去ったヒー様。
初日から門限破りをし、罰として10日間の掃除を命じられた西郷。
山田に御座所まで呼び出され庭方を命じられた西郷。
江戸の様子を国元に書いて送った西郷。あせる正助。
庭方の仕事に励む西郷。
その西郷の前に現れた斉彬。そして、斉昭へ書状を届ける様に命じます。
そなたの命をわしに呉れと斉彬。
自分は剣術が出来ない、それでも生きているのは殿に言葉を掛けてもらったからだと西郷。
あのときのやっせんぼかと思い出した斉彬。
脇差しを差し出し、自分の手となり足となる事がおまえの役目、
他に漏らしてはいけない秘密も知る事になる、それが守れない時はこれを使えと斉彬。
命に代えてお引き受けしますと西郷。
地図をもらい、使いに出た西郷。やっと紀尾井坂を通っていけば良いと教えて貰った西郷。
水戸藩邸。
侍女と戯れる斉昭。
島津殿の書状を早速読ませて貰ったと言い、西郷の目の前で破って捨ててしまった斉昭。
何をなさいますと西郷。これが返答だと伝えるが良い、下がれと斉昭。
下がれない、訳を教えて貰いたいと西郷。
あの書状には幕府の悪口が書いてあった、その思いを自分の心に留め置いたという事だと斉昭。
もう一つ教えて欲しい、徳川三家の水戸様になぜ悪口を言うのでしょうかと西郷。
紀尾井坂を通ったであろう、本来なら紀尾水坂と言うべきところ、井伊が変わりに入っている。
井伊直弼はこの国難に際して、自分の権勢のみを強めようとしている。
そにこ入ってきた慶喜。
紀尾水坂にならなかったのは幕府に煙たがられている証拠、
薩摩がそのような書状を送ってきたのはいずれ幕府を倒そうとしているのではないかと慶喜。
その慶喜の顔を見て、ヒー様と気づく西郷。
人違いだと言って去って行く慶喜。
「謎の人物ヒー様とは慶喜の事でした。慶喜は斉昭の七男で、御三卿の一つである一橋家を継いでいました。実際にヒー様と呼ばれる様な鯔背な男だったかどうかは定かではありませんが、たぶん創作でしょうね。ちなみにヒー様とは一橋家のヒから来ているのかしらん。」
「西郷が茶屋遊びが嫌いな物堅い男だったかと言うとそうでもなく、後の京都時代にはさかんに遊んでいた様ですね。これは正助こと大久保も同様で、共に贔屓の芸妓が居た様です。」
「西郷が庭方に命じられたのは有名な話で、ドラマにあった様に斉彬の手足となって活躍を始めるきっかけとなりました。これ以後、諸藩の名士と交わり、西郷の名は一躍有名になって行く事となります。」
「家定については暗愚であったとう評価が定着しています。その一方で、意外と将軍らしい一面を示したという側面もあり、一概には決めつけられない様ですね。」
「井伊直弼についても評価は様々で、あえて開国を決断した英邁な人物とも言われ、その一方で安政の大獄という強権政治を行った独裁者とも言われます。どちらが正しいかは一概には決められない様です。」
「ドラマに戻って、慶喜が倒幕と言っていましたが、この時期に倒幕を考えていた人物は存在せず、斉彬たちが考えていたのは幕府の改革を行って、強い政府を作るという事でした。その斉彬たちが担ごうとしていたのが慶喜だったというのは皮肉な設定です。」
「その慶喜が宿屋から一人船で逃れ去ったのは、後に大坂城から将兵を置き去りにして江戸に逃げ帰った事を風刺しているのでしょうか。あのヒー様ならやりかねないと思わせる設定ではあります。」
「可哀想だったふきが意外と明るいのは救いでした。でも、そのふきを身請けしようとしているのがヒー様だったのなら、この先どうなるのかと思いやられます。」
「西郷の田舎者ぶりも面白かったです。江戸っ子の早口と難解な薩摩弁との対比もなかなかでしたね。実際、当時はどうやって意思疎通を図っていたのかと興味があるところです。」
「次回は橋本左内との出会い、篤姫の失踪などが描かれる様です。特に左内との出会いは重要で、どう表現されるのか興味をもって待ちたいと思います。」
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