西郷どん 第十一回「斉彬暗殺」
将軍家定に拝謁し、篤姫入輿を願い出た斉彬。
あらぬ方を見やって、意思疎通も出来かねる家定。
将軍継嗣問題で対立する井伊直弼と斉彬。
御身大切にと言い捨てて立ち去る直弼。
虎寿丸と相撲を取る西郷。
その時、突然倒れた虎寿丸。
数日後亡くなった虎寿丸。
悲しみを胸に仕舞い、西郷に斎昭と慶永の宴の手はずを進めよと命ずる斉彬。
虎寿丸の死をお由羅のせいかと疑う大山たち。
その様子を伺っていた不審な人物。
高輪屋敷。
虎寿丸の死を聞き、また私が疑われるのかとお由羅。
鹿児島。
お由羅派に復讐をしようといきり立つ仲間を止める正助。
鶴丸城、記録書。
久光から文政七年の宝島の記録を探せと命じられた正助。
その理由を問う正助。イギリス軍がとんな具合に戦ったのか知りたいと久光。
久光に城下士が騒動を起こしかけている、それを鎮めるのはあなたしか居ない、あなたへの思いは城下士一同同じと正助。
正助の差し出した記録を持って、黙って立ち去る久光。
江戸、薩摩屋敷。
一堂に会した斎昭、慶永、慶喜、斉彬。
控える左内と西郷に近くに寄れと声を掛ける慶喜。
篤姫の輿入れは、薩摩が幕府を牛耳るためのものではないのだなと斎昭。
滅相も無い事と斉彬。
しかし、世継ぎが出来れば気が変わるというのが親心と斎昭。
それは心配ない、世継ぎが出来るはずが無いと慶永。
それはなぜと口走る西郷。
何も知らないのか、公方様は大虚けなのだと左内。
ではなぜ篤姫様をと西郷。
それは公方に跡継ぎは慶喜にと直々に働きかけるためと斉彬。
何を勝手な、自分は将軍になどならぬと慶喜。
ここは日本国のために将軍になってもらわねば困ると斉彬。
異国と互角に渡り合うなど、考えただけでも逃げたしたくなると慶喜。
それで良い、面子にこだわっていては何も出来ないと斉彬。
ここにはまともな父親は居ない様だ、幼子が死んだと言うのに祝いの杯を交わしている、篤姫とやらの行く末も思いやられる、付き合いきれぬと席を立つ慶喜。
磯田屋に来た慶喜。その様子を伺っている長野主膳。
斉彬に、お世継ぎが出来ないというのは本当かと問う西郷。
そのとき、突然倒れた斉彬。
動揺する薩摩藩邸。
水垢離し、祈祷をして斉彬の回復を願う西郷。
なんとか回復した斉彬。
お由羅の呪詛の証拠を探す大山たち。
毒殺を疑い賄い方の様子を伺う西郷。
再び働き出した斉彬に、毒殺の疑いがあると訴え西郷。相手にしない斉彬。その食事から焼き魚を持ち出した西郷。
磯田屋。
左内に斉彬毒殺の疑いがあると切り出す西郷。
その様子を伺い、聞き捨てならぬと部屋に入る慶喜。
目立てばこうやって毒を盛られる、政など命知らずな者に任せておけと慶喜。
左内に焼き魚を差し出し、毒の有無を確かめて欲しいと願う西郷。
銀のかんざしを焼き魚に刺す左内。変色したかんざし。これはヒ素だと左内。
やっぱり毒かと西郷。問題は誰の仕業かということだと左内。
そのとき、乱入してきた面を被った男。
突然左内に刃物を突きつけ、人質に取った男。
後を追う西郷。階段から転げ落ちた左内たち。そのとき、仮面の下を見た左内。
逃げ出した仮面の男。後を追うが見失った西郷。
高輪、薩摩藩下屋敷。
斉興とお由羅に拝謁した西郷。
お聞きしたいことがあると切り出す西郷。その前に褒美だと言って菓子を持ってこさせる斉興。
毒を疑って手が出ない西郷。なぜ食わぬ、毒を盛られたかと思うのかと斉興。
斉彬の食事からヒ素が見つかった誰の仕業かと西郷。
私を疑うのか、証拠はあるのかとお由羅。証拠は無いと西郷。
西郷の目の前で菓子を食べ、我らは毒など盛っておらぬ、証拠などあるはずもないとお由羅。
斉彬を憎んでいるのは自分の他にも沢山居る、これ以上疑うなら容赦はしないと斉興。
そうなれば斉彬も無事には済まないとお由羅。
二度とその顔を見せるなと言われ、返す言葉も出ない西郷。
蒸気機関の実験成功に上機嫌な斉彬。
そこに参上した西郷。
斉興のところへいっておったそうなと斉彬。呼び出された故にと嘘をつく西郷。
この大馬鹿者がと激怒し、西郷を蹴倒した斉彬。
この大事な時に何をやっておるのかと怒鳴りつける斉彬。
殿の命を狙って者の探索をいち早くと言い訳する西郷。
そんな事のためにおまえを召し上げたのではないと斉彬。
殿お命がなりより大事と西郷。つまらん、つまらん、つまらんと叫ぶ斉彬。
時が無い事が判らぬか、命に代えてもやらねばならぬ事があるのだと斉彬。
この国を変える、この国を強くすると斉彬。
なぜお前を側に置くか判るか、私と同じ大馬鹿者、民のために命を捨てられるからだと斉彬。
民のための国をつくりたい、のう西郷と斉彬。
「今回は虎寿丸の死と命を狙われた斉彬が描かれました。この二つの出来事はわずかひと月あまりの出来事で、西郷ならずとも不審に思うのは当然の事でした。」
「疑われたのはドラマにあった様にお由羅の方で、久光を跡取りにしたかったための呪詛だと噂されたのでした。この噂は西郷たちを虜にし、実際にお由羅の方を惨殺しようとまで考え、斉彬の激怒を誘ったのもドラマにあったとおりです。」
「もっとも斉彬自身もお由羅の方に対する感情は良いものではなく、彼女を姦女と呼び、いずれは退散させねばならないとも言っていました。さすがの斉彬も五人の子を失った後では、聖人君子では居られなかったという事ですね。」
「虎寿丸の死因は当時流行していた疫痢のためではないかと考えられ、斉彬の病の原因は判りませんが、毒を盛られたという根拠も無い様です。ただお由羅の方に対する印象は悪く、後の世に様々な虚構が語られる様になり、いつしかそれが真実であるかの様に思われる様になりました。」
「ドラマに戻って、前回斉彬が篤姫は不幸になると言っていたのは、家定に世継ぎが出来るはずも無いと知っていたからの様でした。実際、家定は病弱で、当時から世継ぎは望めそうもないと見限られていた様ですね。ただ、これも前々回にも書きましたが、篤姫を家定の御台所にと望んだのは幕府の側で、それを斉彬が利用しようとしたというのは誤解です。」
「ドラマの中で、斉彬が西郷を蹴倒し、つまらぬと叫ぶシーンは迫力がありましたね。斉彬が真に国の事を思い、自分の事は二の次と考えている事が良く伝わってきました。さすがは渡辺謙だけの事はあるのかな。」
「磯田屋では、後に暗躍する事になる長野主膳がさりげなく登場していました。仮面の男が誰なのかも気になりますね。左内を狙ったという事は、主膳の手の者という事なのかしらん。そのあたりが明かされるのはもう少し先の様です。」
「次回は篤姫の輿入れを巡るいきさつが描かれる様です。そこに西郷が絡んでいくとの事ですが、もしかしたらメロドラマ風になるのかな。どんな具合になるのか、楽しみながら見たいと思っています。」
(参考文献)
「西郷隆盛」 「西郷隆盛 維新150年目の真実」 家近良樹著 「西郷隆盛 手紙で読むその実像」 川道麟太郎著 「史伝 西郷隆盛」 海音寺潮五郎著 「西郷隆盛53の謎」 原口泉著 「勝海舟と西郷隆盛」 松浦玲著
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