西郷どん 第十回「篤姫はどこへ」
斉昭への使いの報告をする西郷。
慶喜と出会った事を聞き、さらに親しくなる様にと命ずる斉彬。
実父が死んだ事を知らされた篤姫。
ヒー様の正体を確かめるべく、磯田屋を訪れた西郷。
また出会った俊斉と大山。
おタマを呼んだ大山。胸が重いとおタマ。
ヒー様が来ている事を聞き、無理やり二人きりになる西郷。
その様子を探っている一人の男。
自ら慶喜と認めたヒー様。
自分は将軍になどならない、色々動かれて迷惑していると伝えておけと慶喜。
何のことか判らぬ西郷。
急に倒れたおタマ。大騒ぎとなる磯田屋。
そこに現れた先ほどの男。瀉血を施し、おタマを助けます。
お主は誰だと問う慶喜。越前から出てきたつまらぬ者と男。
事の顛末を斉彬に報告した西郷。
引き続きヒー様の動向を探れと斉彬。
その時、篤姫が居なくなったという知らせが入ります。
西郷に篤姫を連れ帰れと命ずる斉彬。
江戸中を探し回り、やっと海岸で篤姫を見つけた西郷。
実の父が亡くなった事を嘆く篤姫。
斉彬の下に帰った篤姫。
篤姫に輿入れ先は家定と告げた斉彬。
私に御台所が務まるでしょうかと篤姫。努めてもらわねば困ると斉彬。
そこに現れた教育係の幾島。
西郷に篤姫付き用人を命じた斉彬。
薩摩言葉を聞き、先が思いやられると幾島。
早速始まった幾島の教育。
大奥の出世双六を見せ、器量と才覚、威厳が求められると幾島。
礼の仕方、琴の弾き方、長刀などの厳しい稽古。
暇を見つけ、西郷に楽しい時はどんな時かと尋ねる篤姫。
薩摩に居た頃、家族と賑やかに過ごした事だと西郷。
私も賑やかな家で育った、楽しかったと篤姫。
次は男女の秘め事を学べ、お世継ぎを生むのが御台所の勤めと幾島。
西郷に下がれと幾島。
部屋に戻った西郷を待っていた先日の男。
内密な話があると言い、自分は福井藩の橋本左内と名乗った男。
自分は西郷と同じ、主君の松平慶永の密命を受けて動いていると左内。
今日は慶喜を次の将軍とする企てのために来たと左内。
それを聞いて驚いた西郷。
次はご公儀の仕組みについて説明する幾島。
斉彬が末席にある事を驚く篤姫。
それは関ヶ原で負けたせい、
お世継ぎを生めば斉彬が外祖父として幕府の実権を握られる日が来るかもしれぬと幾島。
斉彬は外国に対抗するため、幕府の仕組みを根本から変えるつもり、
そのために慶喜を将軍にするのだと左内。
篤姫が生む子が次の将軍ではないのかと西郷。
今の幕府は無能、斉彬は衆議一致という新たな仕組みを作ろうとしていると左内。
それは有力な諸藩が意見を出し合って政をするのだと左内。
日の本が一致して政を行うのかと西郷。
幕府は徳川のための政をしてきた、
だからそれを壊すために慶喜の将軍就任と篤姫の輿入れという二つの企てを進めているのだと左内。
なぜ二つの企てをと西郷。それは家定の体が弱いからだと左内。
情緒不安定な家定。
篤姫が世継ぎを生んでも幼子では難局を乗り切れない、それゆえ英邁な慶喜を将軍に据えるのだと左内。
自分は江戸に来たばかりで、将軍や御台所は雲の上の存在だと西郷。
自分は大きな勘違いをしていた様だ、こんな男を買いかぶっていたとはと左内。
そこに闖入して来た俊斉と大山。
今の話は自分の妄想ゆえ、忘れてくれと言って立ち去る左内。
得心の行かぬ様子の西郷。
なぜ篤姫を輿入れさせながら、慶喜を将軍に据えるのかと斉彬に問う西郷。
異国と互角に渡り合うには英邁な慶喜に将軍になって貰わなければ困るのだと斉彬。
篤姫はお世継ぎを生んで幸せになるのではないのかと西郷。
篤姫は不幸になると斉彬。
「今回は幾島と橋本左内が登場しました。幾島はドラマにあった様に近衛家から篤姫付きの教育係として呼ばれ、後に大奥に入って薩摩藩のために尽くしたと言われます。西郷が篤姫付きの用人となったのは創作ですが、幾島との掛け合いは面白かったですね。」
「西郷は篤姫が最初の御台所と言っていましたが、これは事実ではありません。その前に第十一代将軍の家斉に島津家から茂姫という女性が輿入れしており、御台所となっていました。一説には、この茂姫の縁から篤姫が家定の御台所として選ばれたとも言われます。徳川家と島津家は、すでに強い縁戚関係で結ばれていたのですね。」
「西郷と篤姫の縁は、西郷が篤姫の嫁入り道具を誂える係に選ばれた事に依るものですが、このあたりは後に描かれるのでしょうか。これには色々と逸話がある様ですが、スルーしてしまうのかな。」
「橋本左内は徳川慶永、後の春嶽の懐刀と呼ばれた男で、西郷も同輩の中では左内を最も推すとまで心酔した人物です。ただし、最初の出会いの時は年下の左内を西郷は見くびり、冷淡な応対に終始したと伝わります。このあたりはドラマとは逆ですね。しかし、左内の話を聞く内にその識見に驚き、態度を改めたのでした。」
「細かい事を言えば、左内と西郷が出会ったのは水戸藩の原田八兵衛宅で、薩摩藩屋敷ではありません。そして、左内は西郷の印象を燕趙非歌の士(時勢を憤り嘆く人)と記しています。このあたりもドラマとは違います。」
「左内が医術の心得があったというのは本当で、大坂の緒方洪庵塾で学んでいます。そのほか蘭学や兵学、自然科学なども学んでおり、当時の俊才の一人でした。西郷に開国論を伝えたのも左内ではないかと推測されており、ドラマではこのあたりが再現されていました。」
「左内が言っていた慶喜を将軍職に据える運動をしていたというのは事実で、将軍の跡継ぎになる資格を持っている人物の中では慶喜が最も英邁と見られていました。慶喜自身がそれをどう思っていたかは伝わりませんが、慶喜が優れた人物だった事は確かで、後に西郷たちの前に立ちはだかった事からもその事が伺えます。ヒー様もただの遊び人の様に振る舞いながら、左内がただ者ではないと見抜くところは鋭い一面を見せていました。」
「最後に斉彬の言った篤姫が不幸になるという言葉は気になりますね。次回はその答えが待っているのでしょうか。次回の副題も斉彬暗殺とあり、波乱含みの展開となりそうです。」
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