西郷どん 第八回「不吉な嫁」
不吉な嫁と呼ばれた須賀。
相変わらず貧乏な西郷家。
謹慎が解かれて喜ぶ正助。
嘉永6年6月3日、浦賀沖に現れた黒船。
ペリーの脅しに混乱する幕府。
尾道で黒船来航の知らせを聞いた斉彬。
薩摩に戻り、矢継ぎ早に指令を出す斉彬。
そして篤姫を江戸に送り出すと言い出します。
桂久武に呼び出され、斉彬の江戸行きの供を命じられた西郷。
喜び勇んで家に帰った西郷。喜ぶ一同。しかし、一人金が無いと反対する須賀。
なんとか借金の算段をと考える吉二郎たち。
借金まみれの家で、何時帰ってくるか判らない旦那様を待つことなど出来ないと須賀。
困り果てる西郷。
西郷のために喜ぶ正助。金もないし、一家の主としての務めもあると西郷。
このやっせんぼがと西郷に殴りかかる正助。
止めに入り、私のために江戸行きを諦めてくれたと須賀。
こんな嫁の言いなりになりおってと正助。人の女房の悪口を言うなと西郷。
取っ組み合いになる二人。
久武に呼ばれて、篤姫の警護役を命じられた西郷。
正助に西郷を説得してくれと頼む吉二郎と琴たち。
内職に励む西郷家の人々。
こんな事をしても無駄、里に帰らせてもらいますと出て行く須賀。
篤姫の警護役を務める西郷。
その道中で篤姫に呼ばれた西郷。
西郷に礼を言い、次は江戸で会おう。共に殿のために尽くそうと篤姫。
金策に走り回る正助。
板垣家に行き、渋る板垣に頭を下げ、自分に貸してくれと頼む正助。
餞別として5両くれた板垣。
皆でかき集めた金は20両、これだけあればと正助。
20両を西郷に手渡し、江戸へ行けと正助。有り難く受け取った西郷。
須賀を連れて現れた伊集院。頭を下げて須賀と離縁してくれと頼みます。
須賀は貧乏所帯の子守に入った訳では無いと我が儘を言うと伊集院。
これは餞別だと金を差し出す伊集院。言わば手切れ金だと言って出て行く須賀。
帰り道、あの男の良さが判らなかったのかと伊集院。
優しすぎるからだ、一緒に居れば江戸に行くなと言ってしまうからだと須賀。
日本一の婿殿をこっちから離縁してやったと泣き崩れる須賀。
安政元年1月21日、江戸へと旅だつ西郷。
後の事はまかして下さいと吉二郎。これからは弟とは思わない、兄と思うと西郷。
すぐに後を追うと正助。
「黒船来航の知らせを斉彬がどこで聞いたのかは判っていません。尾道としたのは大体の推測からなのでしょう。」
「斉彬は帰国後、幕府に対して大船建造の許可、蒸気機関製造の許可を求めています。ドラマで反射炉の製造を急がせていたのはこのあたりの事を指すのでしょうか。また、江戸に一部隊を派遣したのも史実どおりです。」
「斉彬が帰国後早々に、阿部老中から再度の江戸出府を求められたのも事実です。そして、その時に自ら西郷を指名したとも考えられています。その理由は、たぶん様々な建白書を出していた事が目にとまったのではないかと西郷は述懐しています。」
「須賀に関しては判っている事はほとんどありません。上之園町に居た伊集院直五郎の長女で天保3年に生まれ、嘉永5年に西郷に嫁いだ後、安政元年に離縁となったという程度です。その人となりは無論の事、離縁になった理由も定かではありません。」
「一説に依れば西郷と性格の不一致があったとも、あまりの貧乏暮らしを見かねた伊集院家から離縁を申した出たからだとも言われます。ただ、その後西郷家と伊集院家の関係は良好だった事から、喧嘩別れの様な離縁ではなかった事は確かな様です。」
「西郷が家庭の事情から江戸行きが困難だった事はドラマにあったとおりです。そして、弟の吉二郎が後の面倒は自分が見るからと言って兄を送り出し、西郷はこれからは吉二郎を兄と思うと言った事も事実とされています。」
「その江戸行きの金の工面はどうしたのかは判りませんが、その翌年に西郷家は屋敷を売り払っており、相当に無理な借金をしたのかとも想像されます。」
「篤姫に関しては斉彬の手駒の様に描かれていますが、どうやら幕府側から縁談を持ち込まれたというのが正しい様ですね。元々徳川家と島津家は縁戚関係にあり、その延長線上で篤姫が候補に挙がったという事の様です。」
「ドラマに戻って、不吉な嫁と言われた須賀は可哀想でした。一人西郷の江戸行きに反対したのも無理なからぬところで、所帯を預かる嫁としては当然の反応だったのでしょう。」
「一人勝手に家を出て行った須賀でしたが、手切れ金だと言って実は西郷の江戸行きの資金を差し出したのは、せめてもの救いでした。最後に泣き崩れてしまったのは須賀の本心だったのでしょう。」
「正助の友情は頼もしいものでした。郷中の仲間も良い連中ですね。ただ、実際には正助よりも西郷の方が年上であり、郷中教育の中では先輩後輩の関係にあって、対等の付き合いではなかったとする見方もあります。」
「次回は江戸のヒー様という謎の人物が登場する様です。どんな展開が待っているのか、楽しみに待ちたいと思います。」
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