京都・洛東 節分2018 ~平安神宮 大難の儀~
追儺式は元々朝廷で行われていた儀式で、それが一般化したのが現在の節分行事です。一般化する過程で様々な形態に変化し、今では各社寺で趣向を凝らした行事が行われていますが、その大本の追儺式を忠実に再現したているのが平安神宮の大難の儀です。
儀式はまず神饌の奉納から始まり、次に陰陽師が祭文の奏上を行います。私が居た場所からは見えなかったのですが、この時の歩き方が独特で、中国の伝説的名君である禹の歩き方を真似た反閇(へんばい)と呼ばれる所作を行います。
祭文の奏上の途中で方相氏(ほうそうし)が8人の侲子(しんし)を連れて現れます。方相氏とは四つの目を持つ怪異な面を被った役人で、鬼を驚かせて追い払う役目を負います。そして、祭文の奏上が終わると前に進み出て、鉾と盾を三度打ち鳴らし、「鬼やろうー」と叫びます。
次に上卿が桃の弓で葦の矢を射ます。射るのは2度で、北東と北西の方角です。結構高く射るので、落ちてきた時は地面に突き刺さりますね。
さらに、殿上人が進み出て、桃の杖で北東・南東・南西・北西を打ち据えます。桃は邪気を払う力があるとされ、大地に潜む鬼を払うという意味があるのでしょう。
その後は、方相氏を先頭に侲子、上卿、殿上人、さらには参列者がこれに続き、「鬼やろうー」と叫びながら広場を何周か回ります。この時、本来なら参列者が振り鼓(でんでん太鼓)を鳴らしながら歩くのですが、そこまでは再現されてはいません。
最後は方相氏の一行が応天門の前に出てきて一連の儀式を再現し、大難の儀は終了です。大難の儀を見たのはこれで三度目ですが、何度見ても平安朝の風情が偲ばれて、興味深いものがありますね。本来は夜に行うものですから、出来ればかがり火の下で見てみたいなんていうのは贅沢な相談かな。
明日は鬼が大活躍する鬼踊りの様子をお届けします。
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コメント
節分に平安神宮に行った時は奉納狂言をみただけで
この儀式はまだみたことがありません。
機会があれば一度見たいと思います(*^_^*)
投稿: Milk | 2018.02.10 10:52
Milkさん、
2月3日が木曜日になるのは4年後ですが、
この大難の儀は見応えがあるので、ぜひ見に行って下さい。
それまで京さんぽは止められないという事ですね。
投稿: なおくん | 2018.02.10 21:42