京都・洛中 新京極8社寺 ~誠心院~
新京極8社寺の一つに誠心院があります。正式には華獄山東北寺誠心院という名称で真言宗泉涌寺派に属し、平安期に創建された由緒ある寺です。
開基は藤原道長で、初代住職は和泉式部と伝えられます。法正寺の東北院の傍ら(現在の荒神口付近)に建てられた事から、東北院誠心院と名付けられました。後に小川通一条上ル誓願寺の南に移転し、さらに安土桃山期に現在地に移転しています。
本堂裏手にあるこの宝篋印塔は和泉式部の墓と伝えられるもので、1313年に改修されています。江戸期には和泉式部由来の軒端の梅がこの傍らにありました。
ところで、軒端の梅と言えば神楽岡の東北院にもあり、元は隣りあっていた寺同士という事でしょうか。辿った歴史はそれぞれ異なりますが、梅の銘木で今も繋がっているところが興味深いですね。
誠心院は幕末から明治にかけて衰え、一時は荒廃しきっていたのですが、大正期に入って本堂が再建され、さらに平成9年には山門が再建されて現在に至っています。
賑やかな新京極から一歩山門を潜れば静かな境内が広がっているのですが、それでも意外なほど参拝者は多いですね。やはり和泉式部を偲んで訪れる人が多いのでしょうか。新京極を訪れた際には誠心院で、恋多き人、和泉式部に想いを馳せるのも一興ですよ。
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