京都・洛東 紅葉コレクション2017 ~東福寺~
(写真は平成27年11月20日撮影)
先週末も京都に行けなかったので、今週も過去に撮った写真から構成した紅葉コレクションをお届けします。それにしても、何でこう週末に雨ばかり続くかなあ。台風は十分だから、もう来るなと言いたくなります。
それはともかくとして、今回お届けするのは東福寺、言わずと知れた紅葉の名所です。
東福寺は当時の摂政であった九条道家の発願によって築かれた寺院です。完成したのは1255年(建長7年)の事ですが、完成までに19年を要しています。開山は聖一国師で、禅僧として初めて国師号を贈られた人でした。
東福寺の名は、南都の大寺であり、藤原氏の氏寺でもある興福寺の福と東大寺の東を一字ずつ取ったもので、平安京における確固たる地位を占めるべく名付けられたものでした。創建当時は天台、真言、禅の各宗兼学の道場だったのですが、その後南北朝期までの間に純粋な臨済禅の寺となっています。
東福寺は伽藍面と呼ばれますが、その名の通り巨大な三門や法堂、庫裏などを備えており、中でも仏殿は当時の京で最大のものでした。かつては、この仏殿の中に高さ15mという大仏が祀られており、脇侍の観音、弥勒両菩薩の高さも7mという巨大なものでした。これらの諸堂は応仁の乱の被害にも遭う事は無かったのですが、明治14年に大火に遭い、仏殿、法堂、方丈、庫裏を失ってしまいます。大仏もこの時焼け落ちてしまい、その後再建される事はありませんでした。
現在の本堂は昭和9年の再建になりますが、扁額には毘盧寶殿と書かれており、志としてはここに大仏を復興したいという思いがあった事を示しています。それでも三門や禅堂、浴室などは応仁の乱以前から続く建物として貴重な存在となっています。
東福寺のもみじと言えば、足利義持の時代に修行僧であった吉山明兆が、当時名所として知られていた桜が修行の妨げになると言って伐採してもらい、代わりにもみじを植えた事に始まると言われます。また、開山である聖一国師が中国から持ち帰った唐楓もあり、通天橋にちなんで通天楓と呼ばれてひと味違った彩りを添えています。
桜の賑わいを嫌った東福寺でしたが、今では紅葉の名所として大賑わいを見せているのですから、何だか皮肉なものだという気もしますね。なお、今でも東福寺の境内には桜はあり、確か全部で4本が季節の花を見せてくれますよ。
紅葉の見頃は11月の連休の前後から下旬にかけてが多い様ですが、年によって前後があります。今年はどうなんだろう、紅葉情報ではすでに色づきはじめとなっていますね。また、11月18日から26日までの間は、通天橋、臥雲橋の上での撮影は禁止されていますのでご注意ください。
アクセス
市バス 東福寺から徒歩10分
JRまたは京阪電車東福寺駅から徒歩10分
位置図
| 固定リンク
「京都・洛東」カテゴリの記事
- 京都・洛東 京都紅葉事情2018 ~真如堂 12.8~(2018.12.11)
- 京都・洛東 京都紅葉事情2018 ~円山公園 12.1~(2018.12.08)
- 京都・洛東 京都紅葉事情2018 ~圓徳院 12.1~(2018.12.07)
- 京都・洛東 京都紅葉事情2018 ~高台寺 12.1~(2018.12.06)
- 京都・洛東 京都紅葉事情2018 ~興正寺霊山本廟 12.1~(2018.12.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント