京都・洛中 紅葉コレクション2017 ~相国寺~
(写真は平成28年12月3日撮影)
相国寺は臨済宗に属し、足利第三将軍義満が建てた寺です。相国とは太政大臣の唐名で、当時その官職にあった義満にちなんで付けられました。京都五山の第二位に位置しますが、これにiは相当に強引な手法が用いられており、当時第一位だった南禅寺を五山の上とし、一つ空いた席に相国寺を第二位としてねじ込んだのです。第一位としなかったのは、足利初代将軍尊氏が建てた天龍寺に遠慮したからでしょうか。まあこれは、当時の義満の権勢の程がうかがえるエピソードですね。
寺域は今の数倍あったと言われ、七堂伽藍を備えた堂々たるものでした。特に塔は七重を誇り、当時としては最高の建物だった事でしょうね。ただ、この大塔はわずか4年後に落雷によって焼失し、その後北山第に場所を移して再建途中にも再び焼失の憂き目に遭い、以後再建される事はありませんでした。現在は町名にその名残を止めるのみとなっています。
相国寺は、応仁の乱の激戦地となり、堂塔伽藍のほとんど全てを失い灰燼ときしてしまいますが、安土桃山から江戸時代にかけて再建が進められます。しかし、その後も焼亡を繰り返し、天明の大火では法堂と数院を残して全て焼き尽くされてしまいました。さらに明治に入ると困窮の度合いは増し、寺宝であった伊藤若冲作の動植綵絵を宮中に売ることで窮地を脱するという羽目に陥ってしまいます。
昭和に入って大書院などが復興し、現在の姿にまで蘇って来ました。それでも三門や仏殿などは復興されず仕舞いで、現在は石垣と礎石を残すのみとなっています。こうしてみると、結構波乱に満ちた寺である事が判りますね。
紅葉は鐘楼前の植え込みと、三門跡、法堂前などが中心となります。拝観した場合は開山堂の庭の紅葉が見事ですが、これは外からでも一部を見る事が出来ます。見頃になるのは結構遅く、11月下旬から12月初旬になる事が多いようです。
アクセスは市バスの同志社前から徒歩5分、地下鉄の今出川駅から徒歩10分です。
位置図
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