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2017.09.01

京都・洛東 夏の早朝散策2017 ~三年坂~

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三年坂は産寧坂が正しいと言われます。お産が寧らかである様にと、清水寺山門前にあった安産祈願の寺、泰産寺に詣でるために上った坂だからとされます。でも、ちょっと不思議だと思いませんか。妊婦さんをわざわざこんな急坂を上り下りさせるものなのかしらん。もし転んだらどうするのだろう。

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他に道が無ければ仕方がないかも知れませんが、松原通の続きである清水坂があります。この道もそれなりの坂ですが、三年坂よりはずっと緩やかですね。妊婦の安全を願うなら、清水坂を上る方が自然だと思うのだけどな。

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なぜかとその理由を考えてみたのですが、もしかしたら鳥辺野墓地が関係しているのかもしれません。松原通を下ったところに六道珍皇寺がありますが、そこは六道の辻と呼ばれ、この世とあの世の境とされていました。そこから東は鳥辺野と呼ばれた風葬の地で、この世ならぬ荒涼とした世界が広がっていました。清水坂もその中を通っており、たぶん送葬の道だったのでしょうね。そんな道を安産祈願のために通るはずもなく、そこを迂回した三年坂が選ばれたのかなという気がします。

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もっとも、三年坂も平安時代には鬼が出たと言われるほど寂しい場所で、清水坂と大差は無かったかも知れません。時代が下って江戸時代になると坂沿いに登り窯が作られ、たぶん門前町も形成されていたでしょうから、それなりに賑やかになっていたでしょうけどね。

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三年坂で転ぶと三年後に死ぬという俗説は、妊婦さんの安全を願っての戒めだったのかも知れません。上から見たら文字通り谷底を望む坂ですから、付き添いの人もそろそろと妊婦さんを気遣いながら下りていった事でしょう。今は泰産寺に詣でる人も少なくなった様ですが、かつては手を取り合った夫婦の姿がこの坂道で沢山見られたのかな。時代と共に坂道を行く人の姿も変わって行くのでしょうね。

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