京都・洛中 ~西本願寺・伝道院~
西本願寺の御影堂門を出て正面通を5分ほど歩けば、洋館風の奇妙な建物と出会います。それが西本願寺所有の伝道院、明治45年に建てられた真宗信徒生命保険会社の元社屋で、現在は研修施設として使用されています。
設計したのは平安神宮や祇園閣を手がけた事で知られる伊東忠太で、数ある氏の作品の中でも傑作の一つに数えられ、重要文化財に指定されています。
それにしても、見れば見るほど奇妙な建物で、イスラム教のモスクの様なドームを持つかと思えば、日本の寺院の様な破風が付属するという複雑さです。また、外見からでは判りませんが、当時としては最先端の技術として鉄と檜の複合材を梁に使うなど意欲的な作品でした。
この塔など、もはや何と表現して良いか判りません。西洋の城の尖塔の様でもあり、モスクの様でもあり、独特の造形ですね。
一度は老朽化のために解体という話も出ていたのですが、貴重な文化財として惜しむ声が高くなり、2010年に保存修復工事が行われました。その際にレンガの間に鉄筋を通すなど外見からでは判らない耐震補強を施し、4年後に重要文化財に指定されるに至っています。
建物の周囲には、伊東忠太得意の怪獣の石像が並べられており、氏の造形である事が一目で判るようになっています。この怪獣たちを見るだけでも面白いですよ。残念ながら内部の公開は行われていませんが、外から見るだけでも十分に楽しめます。西本願寺に行かれる事があったら、少し足を伸ばしてみられる事をお勧めします。
| 固定リンク
「京都・洛中」カテゴリの記事
- 京都・洛中 クリスマスイルミネーション2018 ~京都駅ビル~(2018.12.22)
- 京都・洛中 クリスマスイルミネーション2018 ~ローム~(2018.12.21)
- 京都・洛中 ここも中止でした ~平安女学院~(2018.12.19)
- 京都・洛中 イルミネーションが無くなりました ~セントアンドリュース教会~(2018.12.18)
- 京都・洛中 クリスマスイルミネーション2018 ~京都ホテルオークラ~(2018.12.17)
最近のコメント