京都・洛中 百日紅2017 ~拾翠亭 8.19~
閑院宮邸跡の東隣にあるのが九条池。その畔にあるのが拾翠亭です。かつてここにあった九条家邸の遺構で、二階建ての茶室です。ここにも百日紅が多く植えられ、この時期は見事な景観を見せてくれます。
この写真では判り難いのですが、屋根の上には一対の鯱が置かれており、火除けのお守りとされているのでしょうね。鬼瓦には九条家の家紋が施されているそうです。屋根は瓦葺きと杮葺きが組み合わされており、全体として公家屋敷らしくとても優美さを感じさせます。
茶室としては一階の広間と北側の小間の二つからなり、公家の風習としてこの二つの茶室を行き来しながら楽しまれたとの事です。武家が嗜んだ茶事とはまた違ったものがあったのでしょうね。
九条池に架かるのが高倉橋。最初の橋が出来たのは明治15年の事で、木造の橋でした。その後改修され、橋脚は石、橋桁はコンクリート、欄干は木製という面白い形になっています。この橋の上から眺める拾翠亭の景色が素敵ですね。
九条池の中島に建てられているのが厳島神社。初めは兵庫の築島にあったものを移したと伝えられ、さらに遡れば平清盛が母の祇園女御のために安芸の厳島神社を勧請したものと言われます。その鳥居は破風が付いた珍しいもので、清盛の寄進に拠るものとされ、重要美術品に指定されています。
拾翠亭の翠という字にはカワセミという意味もあり、かつてはこの池に沢山のカワセミが飛来していた事から名付けられたとも言われますが、今はカワセミは見ませんね。近衛邸跡にある池には居るのでここにも来そうなものですが、適当な木や餌になる魚が居ないのかな。いつかカワセミの可愛らしい姿を、この茶室の中から静かに眺めてみたいものだと思っています。
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