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2016.10.21

京都・洛北 修学院離宮 ~上離宮~

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中離宮から上離宮までは、上り坂の馬車道を歩く事になります。山道と言うほどではないにしろ、それなりの坂道ですから、歩きやすい靴は必須ですね。入り口にある御成門を入ると両側を刈り込みで挟まれ、視界が遮られます。そのまま石段を登っていくと急に視界が開け、目の前に現れるのが上の写真の景色です。なかなか上手い演出ですよね。

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その頂上にあるのが臨雲亭。雲が隣に来るほど高台にあるという意味だそうですね。三つの間からなり、そのうち板の間は洗詩台と良い、和歌の構想を練る場所だったのだとか。非常に質素な造りであり、本当に上皇の離宮だったのかと思ってしまうほどですが、あえて苫屋の風情を楽しまれたという事なのでしょう。

なお、この臨雲亭の縁側だけが座る事を許可されており、やっと一息を付く事が出来ます。また、写真タイムも取ってくれるので、浴龍池の風景をゆっくり撮る事も出来ますよ。

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その臨雲亭の前は三和土になっているのですが、そこに埋め込まれているのが一二三石です。鴨川の黒石、鞍馬の鞍馬石を集めて来たと言われ、とても遊び心のある造形ですね。

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臨雲亭からは、浴龍池に向かって下っていく事になります。途中、滝見の灯籠や本物の滝があり、変化があって楽しい道ですよ。ただ、とても滑りやすいので、転ばないように注意が必要です。

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その坂道を下りた先にあるのが千歳橋です。これは離宮造営当時にはなかったもので、文政7年(1824年)に当時の京都所司代の内藤信敦が橋台を寄進し、文政10年(1827年)に水野忠邦が屋形を寄進したものだそうです。左右で非対称な造形が面白く、中がどうなっているのか見てみたかったのですが、見学コースには含まれていなかったのが残念です。

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次に向かうのが窮邃亭、池の中に築かれた島の上に建つ茶屋です。掲げられている扁額は、これも後水尾上皇の宸筆で、二つの八角形を真ん中の水引で結ぶという面白い形をしています。

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造りは、ここも質素ですね。わずかに上段の間が設けられているだけで、床の間などの装飾はありません。上段西側には板を一枚渡して、御肘寄としています。また、窓はすべて外れる様になっており、実際に外したら開放感溢れる部屋となる事でしょうね。

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ここは御船屋です。木が茂っていたので上手く撮れなかったのですが、下に写っている屋根の下に底の浅い船が舫っていました。この船に乗って池を巡り、船遊びを楽しんだのでしょうね。

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修学院離宮の拝観はここまでです。思っていたよりも質素な造りで、雄大な景色を楽しむ山荘なのかなと感じました。一番の見所は、やはりこの浴龍池でしょうか。

それほど大げさに考える事も無いのですが、軽い山歩きに近いので、服装や履き物は歩きやすいものが良いでしょう。また、最初に案内される休憩所に無料のロッカーがあるので、手荷物などは預けて置いたほうが楽出来るかと思います。

当日受付は午前11時から正門前のテントで行われ、13時と15時30分の回のそれぞれ35名分について先着順に整理券が配布されます。どの程度混み合うかは判りませんが、この日は11時過ぎの段階で半分程度は埋まっていました。紅葉時分にはかなりの競争率になるかも知れませんね。あと、身分証明書の提示は求められますので、運転免許証等は用意しておいて下さい。また、18歳未満は拝観出来ず、乳幼児を連れた方も拝観出来ません。このあたり、なぜかなと思いますが、管理する宮内庁の方針なので、従わなくては仕方がないでしょうね。

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コメント

以前いった修学院離宮の様子を思い出すことができました。

まだ、桂離宮に入ったことがないので行ってみたいのですがなかなか予約するに至っていません(^^ゞ

投稿: Milk | 2016.10.22 11:25

Milkさん、

この日は快晴に恵まれての拝観で、気持ちが良かったです。

桂離宮もオンラインで申し込みが出来ますよ。
もっとも1月まで空きはない様ですが。
さらに当日分も20名づつ3回分60名の枠がありますので、
トライしてみられては如何ですか。

投稿: なおくん | 2016.10.22 21:26

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