京都・洛中 第41回京の夏の旅 平安女学院大学 有栖館 ー有栖川宮旧邸ー
第41回京の夏の旅、2カ所目は平安女学院大学の有栖館に行って来ました。有栖館は元は有栖川宮邸だった建物で、宮家の遺構として貴重な存在として知られます。
有栖川宮家は、御所の南、建礼門の前にあり、有栖館もその地に建てられていました。その後、明治維新によって宮家が東京に移ると一時京都地方裁判所の仮庁舎として使用され、後に民有地を買い上げて現在地に移築され、裁判所長宿舎の一部となりました。
この事から、全てではないにしろ宮家の遺構はそこかしこに残っており、この上段の間もその一つです。宮様が対面される時に座られた場所で、付書院を備え、天井が格天井となっている立派な座敷です。他には人の出入りが多くて写真を撮るタイミングが無かったのですが、能舞台ともなる板敷きの間も付属しています。
有栖川宮邸跡と言えば春のしだれ桜で有名ですが、邸内には枝垂れ桃があります。綺麗な樹形をした桃で、源平咲きをするそうですね。幾つも実が成っていたのですが、熟したら食べられるものなのかしらん。
裁判所長宿舎としての役割は2007年で終わるのですが、その後は平安女学院が買い取って管理をさています。冒頭の庭は2009年に11代植治によって整備されたもので、地盤を上げる為に大量の客土をしてあるそうです。まだ7年しか経っていないとは思えないほど、落ち着いた良い庭ですよ。
この写真は女学院としての展示で、制服の変遷が示されています。一番右が日本で最初に採用されたセーラー服で、真ん中は夏服だそうですが、今でもどこかにありそうですね。
現状は生徒たちのお茶や着付けの稽古に使用されているとの事ですが、宮家宅で授業が出来るとは贅沢で良いな。京都ならではの存在と言えそうですね。
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