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2016.08.05

京都・洛中 千本釈迦堂

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何度となく訪れている千本釈迦堂ですが、まともに拝観した事は無かったです。しかし、一度は素晴らしい寺宝の数々をみておきたいと、入ってみる事にしました。

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千本釈迦堂は通称で、正式には瑞応山大報恩寺と言います。釈迦堂の名は、本尊の釈迦如来に由来します。創建は安貞元年(1227年)の事で、義空上人によって開創されました。本堂は京都中が破壊された応仁の乱でも奇跡的にそのまま残り、その後も何度と無く京都を襲った大火や地震にも耐え、京都市中最古の建物として国宝に指定され、現在に至っています。

この写真は本堂の柱に残る応仁の乱当時の槍や刀の傷跡で、この御堂においても激しい戦闘が行われた事が窺えます。本当によく無事に残ったものですね。

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千本釈迦堂と言えば、おかめ伝説がよく知られます。大事な柱の寸法を間違えてしまった大工の棟梁の妻であったおかめが、いっそ枡組を施せばと助言し、事なきを得ました。しかし、おかめは、棟梁が妻に助けられたとあっては面目が立たないと思い、上棟式の前に自害してしまったとの事です。以来、この寺ではおかめを大切にし、境内におかめ像を建ててその徳を称えています。

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この柱の上にあるのが枡組ですね。これって結構あると思うのだけどなあ、最初の設計と違ったのがまずかったという事なのかしらん。

さて、写真撮影は禁止だったので画像はありませんが、宝物館へと入ります。まず目に飛び込んでくるのが鼉太鼓縁一対ですね。応永八年(1401年)作という古いもので、龍と鳳凰の装飾が施されています。その横に見落としがちなのが足利義満の牛車の車輪で、特に文化財には指定されていない様ですが、当時を知る事の出来る貴重な遺物です。

圧巻なのが六観音像と釈迦十大弟子像で、共に全てがオリジナルで残っているのはここだけの様ですね。残念ながら如意輪観音だけはイタリアに貸し出しているとの事で見る事が出来なかったのですが、どの像も丁寧な仕事ぶりで、指先に至るまで神経が行き届いているのが判りました。また、十大弟子も一体一体の表情や仕草が異なり、どの像も個性的に仕上げられているのが印象的でした。

何度も訪れていた事で、知っているつもりになっていた千本釈迦堂でしたが、これだけの宝物を持っている事に改めて驚かされました。京都の社寺の奥深さは、やはり侮る事は出来ないと改めて知った次第です。

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