京都・洛東 申に縁のある神社 ~新日吉神社~
昨年末に申年に縁のある社寺を紹介しましたが、実際に今どうなっているか訪れてみました。まずは新日吉(いまひえ)神宮からです。
新日吉神宮は、後白河法皇が法住寺殿の厄除けのためにと、近江国坂本の日吉山王七社を勧請したのが始まりとされています。日吉大社は平安京の鬼門に位置しており、厄除けの神として崇敬されていたのですね。
場所は東山七条にあり、京都女子学園のキャンパスに囲まれた中にあります。いわゆる女坂を上っていくのですが、上り始めるとすぐに正面に鳥居が見えてきます。これがまさしく新日吉神宮の鳥居なのですが、潜ってもそこは駐車場で、何もありません。神社に行くには鳥居の手前の道を右に取らなければならないのですが、このおかしな位置関係は豊臣家と徳川家の争いに端を発しています。
まず、秀吉の死後、豊臣家が阿弥陀峰の麓に豊国廟を建てた時に、先にあった新日吉神宮は立ち退かされました。次に江戸時代に入ると、前政権の痕跡を消し去ろうとして徳川氏によって豊国廟は取り壊され他のですが、その時同時に新日吉神宮は元の地に戻されます。さらに明治時代に入ると秀吉が復権し、豊国廟が復元さたのでずか、またしても新日吉神宮は移転を余儀なくされたのでした。その最後の時に、鳥居だけが元の位置に取り残されたのですね。
申との関係は日吉大社の使いが猿だからで、その末社たる新日吉神宮もまた猿を大切にしているのです。なので、本殿前には狛犬の代わりに狛猿がおかれています。上の二枚の写真がそうで、ちゃんと阿吽になっているのが判るでしょうか。
金網に入っているのは、あまりに出来が良すぎて夜な夜な歩き回るため、それを防ぐためなのだとか。確かにリアルな猿ですね。毎年干支にちなんだ神社は参拝者が増えるものなのですが、新日吉神宮はどうかな。どんな具合になっているか、見てきたい気もしますね。
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コメント
リアルなお猿さんですね。
こちらは坂がネックになってまだ行ったことがないのです^^;
是非一度行ってみたいと思います(*^_^*)
投稿: Milk | 2016.01.03 00:05
Milkさん、
ここはそれほどの急坂でもないので、
ゆっくり上れば大丈夫ですよ。
泉涌寺への坂道よりゆるいかなという程度です。
こぢんまりとした神社ですが、
狛猿は一見の価値ありです。
投稿: なおくん | 2016.01.03 00:12