京都・洛東 申に縁のある寺 ~八坂庚申堂~
八坂庚申堂は、八坂の塔の下にある寺で、金剛寺とというのが正式な名称です。本尊は青面金剛で、飛鳥時代に秦河勝によって中国からもたらされたとされ、平安時代に入ってすべての人がお参り出来る様にと浄蔵貴所がこの寺を建てたと言われます。
庚申とは庚(かのえ)申(さる)の日を意味します。この日の夜に人間の体の中にいる三尸(さんし)の虫が寝ている間に体から脱け出して、天帝にその人間の行った悪行を告げに行くとされています。天帝は寿命を司る神なのですが、悪いことをした人には罰として寿命を縮めてしまいます。ところが、三尸の虫は人間が寝ている間にしか体から脱け出ることができないので、庚申の日には徹夜をする習慣がありました。これを庚申待ちと言います。
青面金剛はこの三尸の虫を喰ってしまうとされ、庚申待ちにはこの青面金剛を本尊として拝むようになり、庚申すなわち青面金剛となったと言われる様になったそうです。
猿はご本尊の青面金剛の使いなのですね。「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿は、三尸の虫を封じるために青面金剛が出したとも言われる様です。
境内のそこかしこに吊されているのはくくり猿。この寺のお守りで、猿が手足を縛られて身動き出来ない様を表しており、願い事を叶えるために欲望を抑えるという御利益があります。
本堂には三猿の像の他くくり猿が沢山吊られており、ご本尊の様子などは判らなくなっていますね。くくり猿を一体の猿と数えれば、これほど多くの猿と出会えるのはここだけと言えるのかな。申年にお参りするにはもってこいのお寺と言えるかも知れません。
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コメント
三日の日にでかけましたが、申年だからなのか、お正月三が日だからかはわかりませんが参拝の行列ができていました^^;
投稿: Milk | 2016.01.05 11:32
Milkさん、
普段の正月にはそこまで混まないですから、
やっぱり猿に縁がある寺として人気があるのでしょうね。
数ある猿に縁のある社寺の中でも、一番人気かな。
投稿: なおくん | 2016.01.05 21:49