京都・洛中 第39回京の夏の旅 文化財特別公開 ~輪違屋~
今年も京の夏の旅で特別文化財公開が行われています。その中から選んだのは輪違屋、島原に唯一残る置屋の遺構です。
島原は、かつては祇園などと共に花街と呼ばれた町で、芸妓を置く置屋、遊興の場を提供する揚屋などが多数建ち並ぶ界隈でした。江戸期には幕府公認であった事から、祇園などよりもむしろ格が高かったともされます。しかし、明治以後、地理的不便さなどから客足が遠のく様になり、次第にさびれてしまって、現在ではこの輪違屋のみがお茶屋として営業するだけになっています。
輪違屋は、元禄年間より営業を続けている由緒ある店で、元は太夫、芸妓を抱える置屋でした。明治以降はお茶屋業に編入されて宴会も行う様になりました。現在は唯一太夫を抱える店として知られますね。
幕末期には新選組と縁があり、芹沢鴨が暗殺された夜に、輪違屋の糸里が八木邸に居たと言われます。もっとも、糸里が輪違屋に在籍していたという確かな資料は無く、真偽の程は定かではない様ですね。ただ、近藤勇の書いたこの屏風が現存する事から、何らかの繋がりがあった事は確かな様です。
太夫は五位の位を持つとされ、それに相応しい高い教養を身につけていました。それを窺わせるのが座敷の襖に貼られたこの手紙で、太夫がなじみの客に宛てた恋文の下書きなのだそうです。その流麗な筆致から、彼女たちが持っていた教養の高さ、確かさを垣間見る事が出来ますよ。
輪違屋の二階には、太夫道中に使う傘を襖に張り付けた傘の間、本物のもみじを壁に塗り込んだというもみじの間があります。また、太夫が使う太夫の間も見る事が出来ました。残念ながら撮影禁止だったので写真はありませんが、かつての花街として島原が華やかだった頃を偲ばせるものがありました。
輪違屋は一般公開がされておらず、新選組を追いかけていた10年前から、いつかは中に入りたいものだと願っていました。その願いをやっと叶える事が出来たという次第です。
次は同じく島原にある角屋へと向かう事にします。
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