京都・洛中 第39回京の夏の旅 文化財特別公開 ~角屋~
夏旅の文化財特別公開、二カ所目は角屋を訪れました。角屋は島原、というより日本に唯一残る揚屋の遺構です。
揚屋とは饗宴を業とする店の事で、太夫や芸妓を抱える置屋から彼女たちを派遣してもらい、宴の場を提供していたのでした。現在で言えば料亭に近く、自前で料理を提供していたのがお茶屋とは異なる(お茶屋は仕出し料理を取ります)ところです。もっとも、明治以後は同一視されたらしく、お茶屋業として営業していたとの事です。
島原の衰退と共に揚屋が次々と廃業していく中で、角屋は最後まで残り、昭和60年まで営業を続けていたそうです。その後は角屋おもてなしの美術館となり、財団法人の手によって美術館として運営されています。
今回公開されているのは1階部分で、この部屋が松の間です。一枚上の臥龍の松が庭にある事から着けられた名で、43畳の大座敷となっています。
新選組の芹沢鴨が暗殺された日、饗宴が催されていたのはまさにこの部屋で、ここで大杯を飲まされた芹沢は、前後も失う程に酔ったのでした。その後の結末はご存知のとおりですね。
新選組絡みで言えば、新選組隊士が付けたという刀傷もありました。芹沢は角屋のもてなしが悪いと言って暴れ回り、さらには7日間の営業停止を申し渡すという事件も引き起こしていますが、角屋に迷惑をかけた隊士は、芹沢一人だけではなかったのかも知れませんね。
こちらはもう一つ公開されている網代の間です。天井板を網代組にしているところから付いた名ですが、赤い壁、火頭窓など凝った造りで、なかなか情趣のある部屋でしたよ。
このほか、台所も見る事が出来ますが、広大な造りで、大人数相手の調理場に相応しい構えです。
また、写真は撮る事が出来ませんでしたが、与謝蕪村が描いた紅白梅図屏風も展示されており、今回の見所の一つになっています。
少し残念なのが二階が公開されていない事で、青貝の間、扇の間などは見る事が出来ません。これらは普段から特別公開として予約が必要なエリアなので、仕方がないと言えば仕方がないのですけどね。いつかは見たいところなので、機会を掴まえてまた来たいと思っているところです。
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