京都・洛西 青紅葉2014 ~清凉寺 5.24~
鳥居本から清凉寺へとやって来ました。ここも楓樹の多い、青紅葉の名所の一つです。
清凉寺は、元はと言えば栖霞観(せいかかん)という源融の別荘があった地でした。融の死後、別荘は寺に改められ、栖霞寺と呼ばれる様になります。
その後、奝然(ちょうねん)という華厳宗の僧侶が、延暦寺に対抗する寺院を建立しようと発念し、その遺志を受け継いだ弟子によって栖霞寺の境内に清凉寺が建てられました。ここが選ばれたのは愛宕山の麓であったからで、比叡山と並ぶ霊峰を中国の五台山に見立てた寺を建てる事で、天台宗に圧迫された華厳宗を甦らせようとしたのでした。この寺の山号を五台山と呼ぶのは、この事があったからです。
時が下って、清凉寺は融通念仏の道場となります。今に伝わる嵯峨大念仏狂言は、その伝統を引き継いだものです。そして、さらに時代を経て今度は浄土宗の寺となり、今に至っています。宗派は変遷したものの、山号は変わらずに受け継がれているのですね。
5月の境内は、青紅葉が美しい色合いを見せ、初夏らしい風情に溢れていました。この景色だけを見ていると、かつて天台宗と華厳宗の抗争があったとは思えないですね。でも、五台山の山号を見て、そこに籠められた意味を考えてみるのも一興かと思います。
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