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2012.09.30

平清盛 第38回 「平家にあらずんば人にあらず」

(福原。兔丸に波よけの岬の施工を急ぐ様に命ずる清盛。今色々とやっているところだと兔丸。)

(内裏。平家の世を嘆く貴族たち。その内の一人を取り囲んだ禿たち。)

(捕らえてきた貴族に向かって、清盛に異を唱える事はこの国で生きる事を拒むのと同じ事と凄む時忠。命ばかりはと戦く貴族。貴族の家宝を奪ってきた禿たち。それをお前達で分けよと与える時忠。)

(禿を使って、平家に異を唱える者を容赦なく断罪する時忠。)

(いささかやり過ぎではないかと時忠を咎める時子。都の憂いを取り除けと清盛から命じられた事、自分は誇りを持っていると時忠。黙るしかない時子。)

(伊豆。月を見ながら、先日の頼朝を思い出している政子。もう寝ろと咎める時政。佐殿とは何者かと問う政子。知る必要は無いと時政。しかし、諦めない政子。根負けして、頼朝の素性を語る時政。清盛を恐れた祐親が千鶴丸を殺したと聞き、それほど清盛とは恐ろしい人なのかと問う政子。平家の繁栄振りを語り、自分たちも平家の家人と同然、逆らえば厳しく罰せられると時政。頼朝には近付くなと釘を刺され、一体清盛とはどんな化け物だと考え込む政子。)

(福原。船に石をのせて沈め、人工の岬を作るという方法を見つけ出した兔丸。面白いと清盛。何故岬を作るのかと子兎丸。これで宋の国の船が大和田泊に入れるのだと兔丸。宋とは母の国の事かと子兎丸。お前の父は凄いなと郎党。はい、と喜ぶ子兎丸。次は宋の高官を招くつもりだ、それまでに完成させよと清盛。そこに時子が病だという知らせが入ります。)

(時子の館。慌てて駆けつけた清盛。意外と元気そうな時子。安堵した清盛。嬉しそうな時子。)

(夕方。元気を取り戻した時子に福原に来てはどうだと誘う清盛。反対に京に戻って欲しいと願う時子。その理由は息子達にありました。体調を崩して権大納言を辞任した重盛。権中納言となったものの、まだ若く頼りない宗盛。皆で一門を支えれば良いと清盛。時忠のしている事も一門のためかと時子。あれこれと気を揉ませて済まないと清盛。しかし、今は堪えて欲しい、何かを成し遂げる為には憎まれる事も厭わぬ覚悟が要ると清盛。かつて信西入道はと言いかける時子。そのとおり、信西は自分の信ずる国造りに邁進し、憎まれて討たれた、しかし、自分たちは比類無き財力と武力を持つ武門だ、誰にも邪魔はさせないと清盛。清盛の目指す国造りは、行き着く先はどんな形をしているのかと問う時子。それには答えず、徳子はどうしていると問う清盛。)

(六波羅。一門を前に琵琶を弾く徳子。これならどんな公達の妻になれると清盛。心当たりがと問う時子。まだ少し若いが、この正月に元服を済ませていると清盛。それを聞いて誰の事か気付く重盛達。帝と耳打ちされ、驚く宗盛。)

(内裏で笛を吹く高倉帝。)

(六波羅。あまりに大それた事ではと重盛。自分の目指す国造りには欠かせぬ事と清盛。帝の父はあの後白河法皇、一筋縄では行かないと教盛たち。帝の母は我が妹、建春門院だと時忠。)

(院の御所。建春門院に会っている清盛。良き縁ではあるがたやすくは行かないと女院。あのお方はどうしておられると清盛。近頃は妙なものに凝っていると女院。)

(大きい物を食べた方が勝ちだという遊びに熱中している法皇。誰が挑んでも法皇には勝てないと聞き、何と答えているのかと問う清盛。それは会っての楽しみだと女院。得心が行かない清盛。徳子の事は直接法皇に言えばよい、自分も出来るだけの力添えをすると女院。)

(法皇に拝謁し、宋から取り寄せた羊と麝香を献上する清盛。麝香を楽しみつつ、回りくどい事はよい、何の悪巧みだと法皇。娘の徳子が17になった、帝のお役に立てればと切り出す清盛。何とあからさまなと顔を顰める成親と西光。)

(高笑いし、そんな事よりもより大きい物を食べた方が勝ちという遊びを持ち掛ける法皇。俄には妙案が浮かばない、次に会う時まで考えさせて欲しい、まずは忠義の証しとして羊たちを納めて頂きたいと清盛。苦笑する法皇。)

(夕方。庭を見つめて考え込んでいる法皇。そこに現れ、徳子が帝の下に来れば平家との結びつきがより強固なものとなり、山門との争いにも有利になる、その一方で、清盛が帝の舅となりより力を付ければそれもやっかい、と法皇の心の内を当ててみせる建春門院。どこまでもぞくぞくさせてくれる奴だと笑みを浮かべる法皇。)

(内裏。これ以上清盛に力を付けられては堪らないと嘆く基房たち。一番困ると考えているのは法皇のはずと成親。では入内は無いと考えて良いのかと基房。一番のお気に入りの女院は平家の女性、それは判らないと成親。どちらに転んでも自分は安泰と考えているだろうと成親を詰る経宗。涼しい顔の成親。)

(以仁王の館。清盛とは底の知れない人物だと恐れる八条院。もし、平家の血を引く皇子でも生まれたら、嫡流たる自分の立場は無くなると以仁王。そんな事はさせないと八条院。その時、家人の一人が倒れます。)

(承安元年(1171年)10月。都を疫病が襲います。宋から取り寄せた薬を病人に配って歩く兔丸たち。)

(福原。法皇から羊を返したいという申し入れがあると伝える盛国。その訳は、今度の疫病が羊の病であるという噂があるからでした。)

(八条院の館。二度と入内など企めない様に、もっと噂を流せと家人に命ずる八条院。)

(院の御所。今度の噂は、清盛が娘の入内を申し入れた事に対する宮中の不満の表れと見、入内は見送るべきと具申する西光。それでは公卿方の思う壺と成親。入内は平家の思う壺と西光。)

(福原。法皇は羊の一件を理由に入内を拒否されるかもしれないと盛国。時忠に、良からぬ噂を流す者を見つけ出せと命ずる清盛。そして、法皇と建春門院を福原に招く手筈を整えよと清盛。)

(福原。法皇と女院を館に招いた清盛。部屋の真ん中に置かれた鉢に目を止める法皇。これは古い船に石をのせて沈め、岬造りの礎とするのだと説明する盛国。そんな事が出来るのかと西光。清盛は亡き信西入道の志を1日たりとも忘れた事はないと盛国。福原は良い所だと気に入った様子の女院。それならば、この福原を法皇の御料にと清盛。何と言ったと問い返す法皇。この地を近辺の荘園三カ所共々献上すると清盛。そこまでして入内を実現させた先に何を企んでいる、どんな野心があるのだと法皇。それこそが私の食べたものだと清盛。この海のごとく果てしない、自分の心の内より湧き出てくる野心、これより大きな物がこの世にあるとは思えないと清盛。そういうそなたを自分は食う、それが私の答えだと法皇。どんなに大きな物を食べた者でも、そいつを食えば自分の勝ちだと法皇。微笑する清盛。私はお前の野心など全て食い尽くせる者だと法皇。どうぞお召し上がり下さい、すぐにあなたのお腹を破って出て来ますと清盛。清盛を見据えつつ、徳子の入内を進めるが良いと女院に命ずる法皇。承知する女院。頭を下げる清盛。)

(時子の館。徳子に向かって、間もなく帝の后となる、しかし、その前に平家の娘である事を忘れてはならないと訓戒を与える時子。承知しています、平家に生まれたからには女であってももののふ、見事に役目を果たして見せますと徳子。)

(徳子の衣装を眺め、これが次の戦支度の様に見えると時子。)

(承安元年12月14日、徳子入内。)

(六波羅。一門を前に、徳子が入内し、重盛も大納言に復した、今こそ一門が栄華を極める時、盛大に祝おうぞと宴の音頭を取る時子。)

(内裏。徳子の手を取る高倉帝。)

(六波羅。宴を楽しむ平家の一門。)

(福原。月明かりの中、一人で鉢の中に石を沈めている清盛。)

(院の御所。徳子の入内を言祝ぐ八条院。そして、王家に武士の血が交わる日が来ようとはと嫌味を言って立ち去ります。高笑いし、元よりあやつに流れるのは白河院の血、現に生きるもののけの血だと法皇。)

(八条院の館。手ぬるかった様だ、ある事無い事、もっと噂を流せと家人に命ずる八条院。命を受けて立ち去ろうとし、悲鳴を上げる家人。悲鳴の方を見て、禿の集団が立っているのに気付いて驚く八条院。)

(禿を使って貴族を脅している時忠。そこに現れ、少しやりすぎではないのか、禿も元を質せば身寄りのない子供たち、それをこんな事に使って良いと思っているのかと詰る兔丸。これは海賊の棟梁だった人の言葉とは思えないと時忠。海賊だったから言っているのだと兔丸。放っておけば賊になるしかなかった者達に、こうして食い扶持を与えてやっているのだ、これもまた貧しい者を救う立派な政だと時忠。時忠を掴む兔丸。その時聞こえて来る貴族の悲鳴。平家にあらずんば人にあらずと兔丸に告げる時忠。呆然と時忠を見る兔丸。平家にあらずんば人にあらずと繰り返す時忠。)

(福原。ひたすら鉢に石を沈め続ける清盛。)

(鞍馬寺。暗闇の中、読経する遮那王。その遮那王に、今から都に行き、明日の法会で笛を吹いて来て欲しいと頼む僧都。かしこまる紗那王。今宵は風が強いから気をつける様にと僧都。)

(五条大橋。赤い被衣を被って橋を渡ろうとする遮那王。その前に立ちふさがる、高下駄を履き長刀を手にした弁慶。)

今回は、徳子の入内を核に、奢り始めた平家の姿が描かれました。前回は清盛自身はまともかと思ったのですが、どうやら清盛その人も奢り始めていた様ですね。

史実においては、そこまで平家の世になっていたのかと言うとそうでもなく、確かに突出した勢力は持っていましたが、あくまで主導権は法皇と朝廷の側にあり、平家は朝廷に従属した存在でした。とてもまだ武士の世を招来したと言える段階では無かったのですね。

徳子の入内にしても見方は様々であり、清盛が帝の外戚となる事を願ったと言うより、法皇の側が平家との結びつきをより強固にしたかったとする説も有力とされます。その一方で、ドラマにあった様に、清盛が天皇家と縁続きになる事により、政治的な影響力を増大させようとしたという見方もやはり有力ですね。滋子の台詞に会った様に、その両面があったと見るのが正しいのかも知れません。なお、この入内に際して滋子の影響力が大きかった事はドラマに描かれた以上だったと思われ、清盛自身はあまり表だった動きはしていない様です。

今回の副題でもある「平家にあらずんば人にあらず」とは、平家物語にある記述で、時忠が言い放ったとされています。正しくは「此一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし」で、奢る平家の象徴の様な台詞ですが、実際に言ったかどうかは微妙な所の様ですね。もしこんな事を口走っていたとしたら、史実の清盛は時忠を叱責していたのではないかしらん。そこまで人の心が判らない清盛ではなかったはずですからね。創作であった可能性はかなり高いと思われます。

清盛が法皇に羊と麝香を献上したのは史実にあるとおりで、その時流行病が都を襲い、宮中に羊が居るせいだと噂され、羊の病と称された事も史実に添っていますね。ただ、それを八条院が流した噂だというのは創作です。また、大きい物を食べた方が勝ちという法皇の遊びも創作でしょうね。

ドラマに戻って、禿に代表される平家一門の奢りは、何も時忠の思い上がりだけでなく、清盛自身の思惑から出ている事が明かとなりました。ただし、そこには温度差が見られ、清盛は新しい国造りのための必要悪と考えているのに対して、時忠は平家一門の繁栄のためと捉えていると思われます。平家にあらずんば人にあらずと時忠が繰り返したのは、その現れなのでしょうね。清盛もそれには気付いているだけれども、邪魔者を排するという目的が同じである事で、あえてそれを容認しているのでした。そして、それを裏付けているのが、平家という武門に対する自信だったのですね。法皇にお前を食ってやると言われ、それなら腹を食い破って出て来てやると言い返したのは象徴的ですらありました。清盛の持つ強烈な自負がそこには現れていたと思います。

しかし、清盛が急ぎすぎている事は明かで、時子や兔丸といった身近な人達も、清盛の真の思いには至る事は出来ずに居ます。増して東国の武士達には、清盛の目指す国造りなど判るはずもなく、ひたすら恐ろしい相手とのみ映っていたのでした。そして、やがて平家を倒すに至る勢力は、その中で着実に育ちつつあったのですね。

次回は義経と弁慶の出逢いの場面が描かれる様です。「義経」では桜が豪華に舞う印象的な場面だったのですが、今回はどんな演出をしてくれるのかと楽しみにしているところです。そして、兔丸に悲劇が訪れる様ですね。生き急ぐ清盛の行く手に暗雲が漂い始める回になりそうな予感です。

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» 平清盛 第38回「平家にあらずんば人にあらず」 [あしたまにあーな]
タイトルは平氏の代名詞とも思われがちな「平家にあらずんば人にあらず」。物語の中でこれを言いだし始めたのが、時忠であるとしています。今回のメインキャラとなった時忠は、完全に数年前の岡田以蔵を演じた佐藤健にかぶっていたような気がします。なんだか仕事人的な雰囲気を持って、逆らうものに鉄槌を下すというものすごい職業がこの時代にあったのだと改めて驚きました。 歴史の上では、このタイトルのような発言を清盛は直接していないということになっておりますが、物語の中では、そのような言動をしていることを時子から知らされた... [続きを読む]

受信: 2012.09.30 23:24

» 平清盛 第38回「平家にあらずんば人にあらず」★ブラック森田剛が平安のカツアゲ集団を‥ [世事熟視〜コソダチP]
『平清盛』第38回「平家にあらずんば人にあらず」 平安の暗黒卿・時忠(森田剛)が率いる深紅の集団「禿(かむろ)」は、ダーク系アニメみたいな演出でインパクトがありますねぇ。 若い頃の”京本政樹”か”ニュータイプ”を5人集めたみたいな不可思議な濃厚さ・・・。 「禿(かむろ)」関係の場面だけが面白くて、他は井上あさひ・アナウンサーの5分ほどのナレーションベースで済ませても、どうってことないような感じでした。 −◆− お公家さん達が集まってヒソヒソと平家批判。 中の一人が席を外すと、いき... [続きを読む]

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