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2012.02.12

平清盛 第6回 「西海の海賊王」

(安芸の海で海賊を罠に掛けた清盛達。しかし、相手は想像以上の巨船であり、奮戦空しく逃げられてしまいます。清盛を庇って倒れた盛康。)

(相手の船は宋の国から来た唐船でした。相手の正体が判らず焦る忠盛たち。)

(一人陣屋を抜け出して小舟で夜の海に漕ぎ出そうとする清盛。その時、船の持ち主だという男が現れて清盛に組み付きます。男は通憲でした。しかし、清盛が唐船を探しに行くと言うと、自分が見たかったものも唐船だと答え、清盛に船を漕ぐ様に命じます。そして宋の国に渡るのだという通憲。)

(尾張国熱田。熱田神宮にて盗賊を取り押さえた義朝。義朝に礼を言う大宮司藤原季範。そこに明かりを灯しに来た由良姫。しかし、義朝が源氏と聞き、平氏ではなかったのかとがっかりした様子です。父親に恥をかかすとは心根が賤しい女だと由良姫を詰る義朝。きっとなって義朝を睨み付ける由良姫。)

(院の御所。廊下で鉢合わせとなった璋子と得子。暫くにらみ合ったのち、脇に避ける璋子。その璋子に上皇の子供が出来たと告げる得子。お勤めご苦労様ですと答える璋子。)

(寝所に教清を迎え入れている堀川局。教清に寄り添いながら今日の出来事を語り、璋子は先の院によっとて心も体も育てられたのだと告げる局。それで璋子の眼が空っぽの理由が判った、そもそも心が空っぽなのだと教清。薄々は気付いていたと局。この先、宮中を意のままにするのは璋子か得子かと教清。興を削がれた様子の局。今はまだあなたと歌を交わしていたいとフォローする教清。)

(清盛相手に、この国一の学者である自分が、高階の養子となってしまったからには出世の見込みは無い、無知な公卿達に見下されて世を送るしかないのだと愚痴る通憲。武士も同じだと共感する清盛。だから宋に渡りたいのだと通憲。宋では百姓だろうが商人だろうが、才で人を計って取り立てるという仕組みがあるのだと通憲。今から宋に渡ろうと乗り気になる清盛。飢え死にしてしまうわと通憲。その時、海中から現れた男達。)

(海賊船に捕らわれた清盛。目を覚ますと目の前に山羊が居て、周囲では異国の言葉が使われていました。海賊たちと宋の言葉で話している通憲。海賊の一人が自分の剣を持っている事に気付き、返せと叫ぶ清盛。相手は宋の言葉で答えますが、清盛には判りません。横から、大事はないかと聞いているのだと通訳する通憲。二人とも後ろ手に縛られています。)

(宋人の男女と仲良く話す通憲。男は春夜と言い、女は桃李という名でした。そこに入ってきた海賊の棟梁。)

(通憲に剣を突きつけ、宋の国の言葉ができるそうだなと聞く棟梁。そして、清盛を見て良い身体をしている、使い道はありそうだから生かしておくと言い捨てて去ろうとする棟梁。お前は何者だと叫ぶ清盛。反対に俺の言う事に答えろと凄む棟梁。)

(追討使はどれくらい来ているのか、大将は誰かと問う棟梁。そして、なぜ宋の剣を持っているのかと聞く棟梁。縛られた縄を振りほどく清盛。驚く棟梁に、賽子を指し示し、賭をしようと持ち掛けます。負けた方が勝った方の問いに答えるのだと清盛。それは賭にならぬ、我らは捕らわれているのだと通憲。ならば何も話さぬと清盛。)

(お前、阿保やろと言いながら、賭は嫌いでないと言って話に乗る棟梁。そして、賽子を受け取って、投げ出します。4の目を出した棟梁。続けて投げた清盛は3でした。へっと清盛を見下す棟梁。ところが、その時船が揺れて賽子が転がり、棟梁が1、清盛が6に変わります。へっと棟梁に言い返す清盛。)

(船倉から甲板に出る清盛と通憲。帆を操って動く船に驚く清盛。宋の書物を見て喜ぶ通憲。)

(清盛の前に剣を突き立てて、あまりうろちょろするなと凄む棟梁。棟梁は兔丸でした。元は都で盗賊をしていたという兔丸。仲間は食い詰めた百姓、漁師、商人など。食い詰め者ばかりだから強いのだと兔丸。)

(この船は、博多でかっ攫ったものだと兔丸。宋人のほとんどは開放したが、兔丸に共感する者だけが残り、船を操っているのでした。兔丸は海賊王になると言うのです。彼はこの国の長となり、民を虐げる帝以下公家達を支配し、善悪をひっくり返してみせると大見得を切ります。面白いと意気投合する清盛。)

(兔丸は朧月の子だと名乗ります。あの時の盗賊かと思い出した清盛。お前のせいで俺はと兔丸に掴みかかる清盛。清盛が忠盛の子で、追討使が忠盛だと気付いた兔丸。彼は清盛を蹴飛ばし、面白くなってきたと叫びます。)

(忠盛の陣屋。清盛の行方を気にする忠盛達。そこに矢文が津届けられます。)

(宋船。矢文を届けたのは兔丸でした。清盛を帰して欲しければ、一人で海に出てこいと忠盛に告げたのです。清盛を帆柱に吊し上げる兔丸。)

(陣屋。忠盛に万一の事があれば追討使は失敗という事になり、平家も終わってしまうと忠正。判っていると忠盛。後先を考えぬのが清盛だ、きっと自分の為に海賊の下に出かけていったに違いないと盛康。)

(ならば、海賊は忠盛の顔を知らない、自分が行くと忠正。清盛など居なくなった方がよいと思っている忠正でしたが、忠盛にとってはかけがいの無い存在だと知っていたからでした。)

(夜明けと共に不意打ちを掛けましょうと提案する忠清。かつての仲間を連れてきた鱸丸。)

(宋船。吊されている清盛の下で、李白の詩を中国語で口ずさむ通憲。それは何だと聞く清盛に、目の前の人生を謳歌しようという意味だと教えてやる通憲。どこかで聞いた事があると思う清盛。それは母の舞子が歌っていた「遊びをせんとや」の今様でした。)

(その時、薄闇の向こうに平氏の船団が迫っている事に清盛は気付きます。一斉に火矢を射掛け、宋船に乗り移ろうとする平家の郎党達。不意打ちに合いながらも応戦する海賊達。沖に出ろと命ずる兔丸。暴れ込んだ平家の武士達。)

(清盛を射殺せと部下に命ずる兔丸。その海賊を斬って清盛を助けた忠正。何故と叫ぶ清盛。我ら平家故にと答える家貞。清盛を助ける鱸丸。刺さっていた剣を振り回し、海賊に襲い掛かる清盛。必死に助けを呼ぶ通憲。)

(棟梁を捜す忠盛。忠盛を不意打ちし、船倉に追い込む兔丸。お前達が俺たちを斬るのは、俺たちが物を盗むのと同じだと叫ぶ兔丸。その言葉を聞き、朧月の子かと気付く忠盛。父の仇と斬りかかる兔丸。切り結ぶ二人。)

(忠盛を追い詰めた兔丸。危ういところで助けに現れた清盛。)

(朧月は義の人だった、それを王家にも王家の犬にも判らせてやるのだと叫ぶ兔丸。お前こそ、あの時余計な事を言わなければ、父の子として当たり前の武士で居られたのだと叫び返す清盛。)

(切り結びながら甲板に出た二人。お前のせいで無頼になったのだと清盛。知った事かと兔丸。けれども、皆が来てくれたこんな自分のためにと叫ぶ清盛。なぜこの剣を持っているのか教えてやる、それは武士だからだ、今ここで平家の男だと知る為にこの剣と出会ったのだと兔丸に叫ぶ清盛。清盛の剣を受け、へたり込む兔丸。大の字にひっくり返る清盛。)

(兔丸を捕らえよと郎党に命ずる清盛。それを制して、この者の処分は任せて欲しいと願い出る清盛。うなずく忠盛。)

(お前は俺と同じだと兔丸に声を掛け、平家と共に居ればきっと面白い事もあるはず、手下と共に平家に命を預けよと叫ぶ清盛。俺に王家の犬の為に餅をつけと言うのかと兔丸。王家の犬では終わらないと清盛。お前は阿保やろと兔丸。しかし、賭は嫌いではない、お前の阿保さ加減に賭けてやると言って清盛の手を握る兔丸。その様子を見て、いざ都へと声を上げる忠盛。おうと応える郎党達。一人がっかりしている通憲。)

(保延元年8月。捕らえた海賊70名を連れて都に凱旋した平家一門。ただし、70名は水増しした人数でした。そして、ほとんど検非違使には差し出さずに済ませてしまいます。)

(海賊王になるぞと都大路で叫ぶ清盛。お前ちゃうやろと叫ぶ兔丸。そんな清盛を眺めている時子。)

今回はほとんとが創作の回でした。史実どおりだったのは手下を海賊に仕立てて凱旋したという部分だけで、兔丸は架空の人物ですね。でも怪しい関西弁が面白い人物ではありました。兔の餅つきには笑ったなあ。

怪しいと言えば堀川局と教清ですね。何時の間にあんな関係になったのだろう。でも、この頃教清は数えで19歳、まだ若造というところですよね。それに対して堀川局は幾つだったのだろう。相当な年の差があるはずなのですが、この恋は成立したのでしょうか。

この二人に関しては、ずっと後に璋子が亡くなってから贈答歌を残しているのですが、それも歌のやりとりだけだったと考えられています。堀川局の正確な生年は判らないのですが、その頃にはほとんど老婆と言って良い年齢だったと推定されるからで、西行との間に恋愛感情が生まれるはずはなかったと思われます。それを踏まえての演出なのでしょうけど、かなり無理がありますね。でも面白い設定だから、まあ良いか。教清は打算ぽいですけどね。

でも、璋子の出番が少なくて、ちょっと詰まらなかったです。

由良姫については、頼朝の母という以外には知識がありません。ネットで調べても、あまり逸話とかは出て来ませんね。すると、この人もほとんどは創作という事になるのかな。まあ、今後の演出をみてみないとどうなるのかは判らないですね。

兔丸とは子供の頃から因縁が出来そうな設定ではありましたが、結局は盟友となったのですね。実際にはどうなのだろう、海賊を討伐するたげでなく手下にしたという事もあったのでしょうね。硬軟織り交ぜないと、海賊の取り締まりなど出来ないでしょうから。

憎まれ役だった忠正も、ここに来て平家を第一に考えている男だと証明されました。それを見た清盛も、自分は平家の男だとやっと自覚を持ちます。ここから本当の意味での平清盛が始まるという事なのかな。

次回は清盛の恋愛が描かれる様です。相手は今回顔出しした時子ではなく、史実どおり高階基章の娘(ドラマ上では明子)となる様ですね。どんな演出にするのか、じっくりと見てみたいと思っています。

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前回の最後でものすごい戦いを予想させるシーンで終わった西海の海賊退治。今回はそのシーンを中心に大切な分岐点を織り交ぜるという内容となりました。 始めて一戦を交えた海賊と平氏は、完全に平氏の完敗に終わります。清盛の乳父である盛康は深手を負ってしまい、もはやこれまでかという瀕死の状態で戻るわけですが、その後もしっかりと意見していたので、なんとか元気になれたようです。 巨大な船が宋から来た唐船の威力を始めて知らしめられた平氏ですが、その唐船と棟梁を知りたいと思った高階通憲と清盛は二人で海賊船を探しに出ます... [続きを読む]

受信: 2012.02.12 23:30

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