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2012.01.21

京都・洛中 京の冬の旅2012 ~平等寺~

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今年の京の冬の旅のテーマは平清盛、だけじゃないけど一応はメインです。その特別公開寺院の一つが下京区にある平等寺ですね。

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平等寺と言ってもピンと来る人は、京都でも少ないでしょうね。通称の因幡薬師の方が有名で、狂言でも因幡堂という演目がある程、昔から知られた名称です。幕末ファンなら、芹沢鴨が見せ物小屋で虎と対峙した場所として覚えているんじゃないかな。

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私がここを訪れるのは、昨年の節分以来ですね。その時の記事に由来を書いているのですが、もう一度繰り返すと、この寺を建てたのは橘行平という人物で、因幡国の国司を勤めていました。行平が任期を終えて京に帰る途中、夢のお告げによって賀留津の海中から薬師如来立像を引き上げます。行平は当地に寺を建ててこれを安置したのですが、なんとこの薬師如来像が行平の後を追って京に飛来したのですね。行平はこの薬師如来像を屋敷内に納め、お祀りしたのが因幡薬師の始まりでした。

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今回の公開では、普段は非公開の薬師如来像を拝観する事が出来ます。面白い事に、この薬師如来像は、納められている厨子ごと外に持ち出せるように滑車で吊す金具や道を押して運ぶための車輪が付属しているのですね。これは火事の時に素早く持ち出せるようにとの配慮で、京都を襲った数々の大火を乗り越えてきた知恵がここに生かされています。

肝心の平清盛との関係ですが、小督ゆかりの品々がここに納められているのでした。その一つが遺愛とされる琴で、名手とされた小督らしい一品ですね。一見するとただの薄汚れた板きれなのですが、よく見ると確かに琴の形をしており、表面にはもみじと流水の模様(たぶん竜田川?)が施されていて、かつては豪華な仕様だったのではないかと思われます。これを高倉天皇のために奏でた事もあったのでしょうか。

もう一つは「毛髪織込光明真言」で、密教の真言を書いた一種のお経ですね。これの何が凄いかというと、人の毛髪が織り込まれているのですよ。このお経は布で出来ているのですが、その横糸が髪の毛である事は一目瞭然で、その長さから女性のものである事は間違いなく、それも小督のものであると伝わっているそうです。高倉天皇との情愛を示したものとか言われますが、私的には情念というか凄味を感じてしまいました。これは一見の価値はありますね。

あと一つ、蒔絵の硯箱も小督遺愛とされ、高貴な人が使うに相応しい豪華な造りとなっていました。

これらの品々がなぜ平等寺に伝わっているかと言うと、元は清閑寺にあったものなのだそうですね。清閑寺は小督が出家したとされる寺で、今も供養塔が残されている縁の地です。その清閑寺と平等寺の住職が兼任だった時期があり、より保管のしやすい平等寺に移したという経緯があるそうです。平等寺も高倉天皇から寺号を貰っているのですから、不思議な因縁を感じるところではあります。

近く平等寺に行かれるのなら、2月3日がお薦めですよ。節分の行事として7種類の野菜を頂けた上に特別拝観が出来るのですからね、一石二鳥というものです。まあ平日というのが最大のネックですけどね。

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