平清盛 後白河法皇ゆかりの地~京都冬の旅・長講堂~
今年の京都冬の旅で、長講堂が公開されています。長講堂とは後白河法皇の仙洞御所「六条殿」にあった持仏堂の事で、今も法皇ゆかりの文化財を有している事で知られます。
中でもこの御尊像は、法皇の自画像を元に制作されたとされ、在りし日の法皇の面影を今に伝えると言われます。確かにじっと見ていると、日本一の大天狗と評された凄みが垣間見える様な気がしましたよ。
その元になったという自画像はこのお堂の中に厨子に入れて保管されており、50年に一度勅使立ち会いの下に開かれます。前回は平成3年だったそうですから、次は平成53年という事になりますね。今回の冬の旅においては複製が展示されているので、どういうものか知ることは出来ます。
本堂の中には、ご本尊の阿弥陀三尊が祀られています。平安時代の仏師、定朝の流れを汲む院尊の作で、法皇が実際に礼拝されていた仏像だそうですね。仏様にしては親しみの湧くお顔で、何となく誰かに似ている気がした様な。
平家物語との関係で言えば、「過去現在牒」があります。これは、法皇が自ら書いた一種の過去帳で、歴代天皇のほか縁のあった人々の名を記して稔侍仏に供え、救いを求めたのだとされています。
この中には源義朝、源義行(義経)、平清盛ら歴史上の人物とともに、祇王、祇女、母刀自、仏御前の名前までが記されているのですね。平家物語の祇王の段の最後には、彼女たちの名が過去現在牒に記されたとあるのですが、それを裏付ける資料が今に残されているのですから驚きです。急に平家物語の世界が現実味を帯びて、目の前に現れたような錯覚を覚えましたよ。
それにしても、物語そのままの名が記録されているという事は、当時から相当に知られたエピソードだった事を思わせます。結構創作が入っているのかなと思っていたのですが、案外事実に近い話だったのかも知れないと思えてきました。少なくとも、登場人物は全て実在していた事は間違いなく、今度祇王寺に行く時には、また新たな感慨を覚える事でしょうね。
この「過去現在牒」を見るだけでも、大河ドラマのファンにとっては意義のあるポイントですよ。ここは、この冬一押しのお薦めですね。
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コメント
面白く詠ませていただきました
有難うございます
投稿: 伴仲 啓良 | 2012.01.24 15:04
伴仲 啓良さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
最近の冬の旅は、現地の解説が丁寧で良いですね。
ここも色々と参考になる事が聞けました。
ブロガーには有り難いイベントですね。
投稿: なおくん | 2012.01.24 21:49