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2011.12.02

京都の散歩道 紅葉案内 洛中編

これまでは主として郊外の紅葉の名所を紹介して来ましたが、町中にも数多くのポイントがあります。そのほとんどが12月に入ってから見頃となる場所なので、これからでもまだ間に合うと思いますよ。

ただ、範囲が広いので、これまでの散歩コースという形でまとめるのは難しいですね。自転車に乗ればそれこそ丁度良い距離になるのですが、説明が繁多になにるので、ここでは各ポイントの場所だけを示す事とします。

1.下鴨神社

下鴨神社のある糺の森は、京都で最も遅く紅葉するスポットの一つです。見頃になるのはまさにこれからで、12月中頃まで盛りは続くと思われます。年によっては年末はおろか、年明けまで紅葉が残っていたなんて事もありましたね。

何しろ広いので見所は多く、参道沿い、泉川沿い、瀬見の小川沿い、馬場の南詰め、糺池跡周辺などいくつもありますね。あと、西の通路沿いにも綺麗な紅葉がありますよ。境内では、西の鳥居近くに鮮やかに色付く木があります。

普段から人が多い場所ですが、紅葉の時期だからといって急に増えるという事もありません。それに人が少々居ても気にならない程、広々としています。

個人的に好きなのは落ち葉を踏みしめながら馬場を歩く事で、さくさくとした足の感覚と落ち葉の鳴る音は、掃除の行き届いた他の名所では得られない快感ですね。ただ、12月も半ばを過ぎると迎春準備としてなのでしょう、掃き清められてしまうのが残念なのですが。

森の中なので昼でも薄暗いのですが、そのぶんしっとりした紅葉を楽しむ事が出来ますよ。

最寄り駅は出町柳駅で、徒歩10分足らずかな。あと、隣接する家庭裁判所の構内も綺麗に色付くので、時間があれば前を歩いてみるのも良いかも、です。

2.相国寺

相国寺は、名所と呼ぶ程では無いけれども、綺麗に色付く木が何本かあります。その一つが鐘楼の南側にある通路沿いの木で、当たり年にはとても綺麗な赤色に染まります。何しろ通行量が多い通路沿いですから目立ちやすく、足を止めて見入る人も多いですね。

放生池の北側にも何本かのもみじがあり、ここは黄色く色付く木がありますね。ただ、日陰になるぶん先の木ほどには鮮やかさが感じられず、幾分見劣りがするのが残念なのですが。

相国寺で本当の見所は、たぶん開山堂でしょう。ここは普段は非公開なので外からしか見る事が出来ませんが、塀越しに見える紅葉はとても鮮やかで、ちゃんと庭から見ればどんなにか良いだろうと思ってしまいますね。

この寺は境内が通り抜け自由で、一般道の続きの様なものですから、とにかく気が張らないのが良い場所です。

最寄り駅は地下鉄の「今出川駅」ですが、出町柳駅からでも歩ける距離ではありますね。

紅葉の時期は11月末から12月初めにかけてが多いかな。放生池の方が色付くのは遅かったと思います。

3.寺町通沿い

寺町通にある小さな寺にも、鮮やかな紅葉を楽しめるスポットがあります。その一つが阿弥陀寺で、信長の墓がある事で知られる寺ですね。ここのポイントは、本堂前にあるお地蔵様の背後のもみじです。まあ、ほとんどこれ一本と言っても良いのですが、お地蔵様とのコラボレーションがとても素敵なのですよ。それに、当たり年には綺麗な赤色に染まりますので、見に行って損は無いです。ただし、この木が外れだと他には無いので、ちょっと辛いのですけどね。

その阿弥陀寺から二軒隣にある慈福寺もまた、鮮やかな紅葉がある事で知られます。ここも一本しかないのですが、当たり年には、それは鮮やかな赤色を見せてくれますよ。町中に不意に現れる紅葉ですから、とてもインパクトが強いですね。とても小さな寺なのですが、この時期は紅葉のおかげでどこよりも目立っていると思われます。

最寄り駅は地下鉄「鞍馬口駅」ですが、やはり出町柳駅からでも歩けない距離ではないですね。

紅葉の時期は11月末から12月初め頃が多い様です。

4.上御霊神社

相国寺の北に位置する神社で、初夏の一初の名所として知られていますね。そして、この時期は知る人ぞ知る、紅葉の名所でもあるのです。紅葉は境内の東側に集中しているのですが、住宅街の真ん中にあるとは思えないほどの美しさと奥行きを感じます。社殿とのコラボレーションも見事で、見とれている内にあっという間に時間が過ぎて行ってしまいますよ。ここがあまり有名にならないのが不思議なくらいですね。

訪れる人もまれで、本当の意味での穴場ですね。ここも11月末から見頃となり、12月に入っても見頃は続いている事が多いようです。最寄り駅は地下鉄「鞍馬口駅」です。

5.妙覚寺

妙覚寺は日蓮宗の本山の一つで、庭園の紅葉が美しい事で知られています。境内は殺風景なのですけどね、本堂に入るととても風情のある場所に変わります。美濃の戦国武将である斉藤道三が織田信長に宛てた国譲り状がある事でも知られ、実物ではありませんが、写真の展示はありますので、戦国ファンにも必見の寺ですね。

ただし、事前の予約が必要であり、飛び込みでは中に入れないので注意が必要です。あと、庫裏の玄関前の紅葉もなかなか綺麗ですよ。

紅葉の時期は11月中頃から後半にかけてが多いのかな。ですので、これから訪れるには、少しタイミングが遅いポイントかも知れません。最寄り駅は地下鉄「鞍馬口駅」、またはバス停「堀川寺の内」です。

6.妙顕寺

妙顕寺は妙覚寺のすぐ南側に位置する寺で、ここも日蓮宗の本山の一つです。参道や本堂の周囲にもみじがあり、綺麗な紅葉が見られるポイントです。しかし、今は本堂の修築工事のために仮覆いや通路が設置されており、見るべきところは山門付近ぐらいと限られています。この工事が完成したら、また穴場的スポットとして甦ってくれるものと思われます。

最寄り駅は地下鉄「今出川駅、鞍馬口駅」、またはバス停「堀川寺の内」です。

7.本法寺

本法寺は妙顕寺の西にある寺で、やはり日蓮宗の本山の一つですね。山門前は小川通に面しており、門前には裏千家の不審庵、その南隣には表千家の今日庵があるという、京都でも独特の風情のある一角となっとています。

紅葉のポイントの一つめは庫裏へと通じる通路にある大銀杏で、紡錘形の姿の良い木ですね。11月末頃に色付く事が多く、見事な黄葉を見せてくれます。

もう一つは巴の庭で、数本のもみじが美しい彩りを見せてくれます。ただ、それほど広くない庭なのですが、木によって紅葉する時期が異なっており、最も美しい時期に訪れるのはなかなか難しい様ですね。概ね11月末から12月初め頃にかけて紅葉が続きますが、どの状態が見頃かは、見る人によって異なると思われます。

ここも訪れる人は少なく、穴場と言っても良いと思いますよ。

最寄り駅はバス停「堀川寺の内」、または地下鉄「鞍馬口駅」です。

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