京都の散歩道 紅葉案内 洛東編 1
今週末も京都に出かける事が出来ませんでしたので速報は有りません。この時期に我ながらストレスが溜まるのですが、どうしようも無い状況にありますので仕方がありません。
その代わりと言っては何ですが、紅葉スポットを巡るための道案内をアップして行く事とします。ただし、下手に写真を載せると現状と勘違いされそうなので、テキスト中心でまとめて行きたいと思います。また各ポイントごとに位置図をリンクして行きますので、訪れる時の参考にして下さい。
まずは洛東編1から始めましょうか。
一口に洛東と言っても、紅葉の名所は数多くあります。それらを一度に回りきろうとするのは大変で、何より混雑しているところがほとんどですから、出来るだけポイントを絞って回る事をお薦めします。また、紅葉の時期が遅いポイントがほとんどですので、11月も後半以降に回られると良いかも知れません。
今日は京阪の祇園四条駅を起点として回るコースを紹介します。コンセプトは出来るだけ空いている道を通って回る、です。
駅から出たらまずは縄手通を右に曲がって下さい。ここは道が細くて車も多いのですが、四条通を行くよりもずっと早く目的地に着く事が出来ます。その最初の曲がり角を左に入ると祇園の町中へと入って行きます。暫く歩くと右手に光保育園が見えてきますので、その手前の露地に入って下さい。小さな保育園と細い道ですので、見落とさない様にして下さいね。この露地沿いは祇園の中でも下町という雰囲気があり、他とはちょっと趣きの違う散歩道となります。この道を抜けると建仁寺の境内への入り口が見えてきます。
この入り口の右手には赤い鳥居が見え、陀枳尼尊天という石碑と稲荷像があります。ここは建仁寺塔頭の興雲庵がある場所なのですが、敷地内にある鎮守稲荷への参拝口として、寺の山門とは別に門が設けられているのですね。たぶん、神仏分離令への対応ではないかと思うのですが、神仏混淆の名残として興味深い事例ではあります。
建仁寺の紅葉は遅く始まり、境内は11月の末、本坊にある潮音庭は12月初め頃に見頃になる事が多いですね。当たり年にはとても深い赤色に染まる木が多く、古い殿舎を背景に映えた紅葉の写真を撮る事が出来ますよ。ただ、今は方丈と三門が修理中で覆いが掛けられており、アングルには注意が必要かも知れません。
建仁寺の境内を南に抜けると八坂通に出ます。この坂道を東山に向かって上っていくと、突き当たりに八坂の塔が見えてきます。紅葉した東山を背景にした八坂の塔は、なかなか絵になれますよ。ただし、ここも車が良く通るので、写真を撮る時には十分な注意が必要です。
(写真は昨年12月4日に撮影した八坂の塔の紅葉です。)
東大路通を越えると八坂塔の下商店街に入ります。ここからだと、11月半ば頃なら塔の左手の高木と真下にある桜が綺麗に色付いて見える事でしょう。八坂の塔の境内も紅葉が綺麗なのですが、11月後半から色付く事が多いようです。ただし、年によってばら付きが多いので、事前の情報収集は必要ですね。また、不定期に閉まっている事もあるので、あらかじめ留意しておいて下さい。
ここでは是非茶室「聴鐸庵」の近くの縁側に座り、風が鳴らす風鐸の音に耳を澄ませて下さい。本当にかすかな音なのですが、カーン、カーンという不思議な音色が聞こえてきますよ。きっと、古代の銅鐸もこんな音だったんだろうなあと思ってしまう、素朴な響きです。
八坂通をさらに上って行くとやがて二年坂と合流します。ここから先、清水寺までは凄い混雑となるのですが、どう仕様も無いので我慢するしかありません。
ただ、どうしても混雑を避けたいと思われるのなら、八坂の塔の下から南に続く道を通り、大漸寺の前から清水坂に抜ける方法はあります。これだと二年坂から三年坂にかけての混雑には会わずに済みますよ。さらに混雑を避けたいと思うのなら、少し清水坂を下って一筋目を左に入れば、茶碗坂に抜ける事も出来ます。かなりの遠回りではあるれど、混雑を避けるというコンセプトに従うのならこのルートになるのかな。
元に戻って、三年坂の手前に興正寺別院に続く参道があります。ここは帰りに寄りますから、場所だけを覚えて坂を上って下さい。三年坂から清水寺までの間は、おそらく京都で最も混雑する道と言えるでしょう。ただ、これは団体さんに出くわすかどうかが運の分かれ目で、タイミングが合えば以外とスムーズに歩けたりします。反対に、複数の団体さんと重なると、それこそ地獄となりますけどね。
清水寺は11月後半に色付く事が多く、12月初め頃に見頃となる事も珍しく無いですね。ただ、境内が広く、早くから色付くエリアもあるので、11月半ば頃に行ってもどこかしら見頃にはなっているかと思われます。比較的早いのは三重塔周辺と放生池周辺、それに成就院周辺から西に続く通路沿いでしょうか。
時間に余裕がある時は、境内を南に抜けて清閑寺に向かうのも手です。清水寺からは鉄柵に設けられた通用口から出る事になるのですが、一歩外に出るとそれまでの喧噪が嘘の様な静けさに包まれる事になりますよ。あまりに人の気配が無いので、女性の一人歩きはちょっと怖いと感じるかも知れません。
清閑寺は、「恋する京都」で遊心寺とされた寺です。7年前のドラマですが、まだ覚えている方も居られるのではないでしょうか。古くからの紅葉の名所とされるのですが訪れる人は希で、知る人ぞ知るという穴場ですね。ただ、ここは狭い境内にも関わらず紅葉のタイミングがエリアごとに別れており、どのタイミングで行けば良いかは微妙なところですね。全体として11月後半に見頃になると思われますが、イメージ通りの紅葉に出会えるかどうかは運次第と言うしかないでしょう。
さて、清水寺から再び混雑する清水坂を通って三年坂を下ります。今度は二年坂には向かわずに、興正寺別院の参道に入って下さい。ここも参道に一歩入っただけで、別世界と感じる程人が居なくなりますよ。
この参道の石畳を突き当たったところに石段があり、その北側にアスファルトの迂回路があります。この二つの道沿いにもみじが植わっていて、これがとても綺麗に紅葉するのですよ。特にアスファルト側のもみじが早くから色付き、美しいもみじのトンネルを見せてくれます。アスファルト側は11月半ば以降、石段は11月末から12月初めにかけてに見頃となる事が多いようです。
長くなったので、続きは月曜日にアップします。
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