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2011.09.11

江~姫たちの戦国~35 幻の関ヶ原

(江戸城。秀忠たちが出陣した後、がらんとした城内で、静かだとつぶやく江。その静けさを破るように、鉢巻き姿で長刀を持った一隊を率いる大姥局が、えい、や、とうとかけ声も勇ましく、廊下を練り歩いて行きます。呆然と見送る江。)

(秀忠の無事を祈る江。そこに届けられたまりあからの手紙で、ガラシャが死んだ事を知った江。)

(大坂城。伏見城の陥落が間もないという知らせを受け、家康の出方はどうかと案じる三成。)

(三成挙兵の知らせを受け、下野の小山で全軍を招集した家康。)

(幕僚達の前で、三成が思う壺に嵌ったと喜ぶ正信。しかし、毛利輝元が総大将となり、軍勢が10万を超えるかも知れない事、諸大名の家族が人質とされた事を挙げ、油断出来ないとする家康。)

(諸将を前に、上杉攻めは豊臣家のために行うもの、しかし、妻子が人質に取られている以上、三成方に付くもやむなしと告げる家康。その時、ガラシャの死を無駄にしない為にも、三成の首を挙げさせてくれと名乗り出た忠興。それに続いて、三成討つべしと名乗りを上げた正則。続々と名乗りを挙げる諸将たち。その中で、ただ一人静まりかえっている真田幸村。)

(軍議が終わった後、これで諸将が一つにまとまったと安堵する家康。見事でしたな、と秀忠。その時、秀康が現れます。その労を労いつつ、秀忠には中山道を進み、美濃で落ち合おうと命じる一方、秀康には上杉の押さえとして宇都宮に止まれと命ずる家康。)

(自分は戦に参加出来ないのかと抗弁する秀康。味方の後方を守るのもまた、大事な役目だと聞かない家康。その一方で、秀忠には、かつてない大戦の舞台に立つのがそなたの役目だと言い聞かせる家康。秀康に気を遣いながらも、承知する秀忠。)

(大津城。伏見城が落ち、次は大津が戦場になると高次。周囲は西軍で固められており、三成方に付くのかと初。そうはしないと高次。かと言って、家康に付くとも明言しない高次。いっそ、両方に付いてくれと懇願する初。無理を言うなと言いつつ、両方に付く事が出来るかも知れないとつぶやく高次。)

(江戸城。いったん帰って来た家康に、さっそく会いに来た江。)

(これは豊臣と徳川の争いかと問う江に、これは豊臣の家臣同士の争いであり、決して秀頼や淀の方に危害が及ぶ事はないと答える家康。もう一つ、秀忠に無理をさせてくれるなと頼む江。あの人は戦に向いていないと言う江に、三成ごときに手間は要らない、安んじていろと優しく言い聞かせる家康。この戦を避ける道はと問う江に、それだけは無いと言い切る家康。)

(翌月、江戸を発って美濃に向かった家康。同じ頃、中山道を西に向かう秀忠。そこに、真田昌幸、幸村親子が寝返ったという知らせが届きます。3万の兵なら、小城など一日で落とせると攻撃を薦める大久保忠隣。一日も早く美濃を目指すべきだと主張する正信。家康に刃向かうだけの気骨のある、幸村という男に会いたいと言って、上田城に向かうと決める秀忠。)

(近江。三成に従い、美濃に軍勢を進める高次。その途中の陣で、これより大津に引き返し、家康に味方すると宣言する高次。)

(高次が寝返ったと知り、裏切り者を許すなと兵を向ける三成。)

(大津城。無事に戻った高次を出迎える初。高次の留守中、何度も城の明け渡しを求める三成の使者が訪れたのですが、初は体を張って追い返したのでした。初を労いつつも、本当の戦いはこれからだと告げる高次。)

(これから大津の町を焼き払う、万一の時の覚悟をしておいてくれと言って立ち去る高次。戦は嫌だ、死ぬのはもっと嫌だと言って泣き崩れる龍子。龍子を励まし、籠城の支度をしなければならないと告げる初。)

(高次が寝返ったと知り、使者を出せと命ずる淀殿。彼女が頼ったのは、北政所でした。)

(京都。高次に宛て、手紙を書く北政所。彼女は初と龍子を助けるべく、孝蔵主を使者に立てます。)

(江戸城。秀忠の無事を祈る江。彼女はヨシの薦めに従い、写経を始めます。)

(上田城。真田に阻まれ、損害を出す一方の秀忠。)

(徳川軍を見下し、お粗末な戦い振りだとと幸村。)

(軍議において、上田の陣を引き払い、美濃に向かうと決めた秀忠。自分一人の思いで、多くの者が動き、多くの者が死ぬとつぶやく秀忠。それが総大将であり、それが戦だと正信。泣き顔になる秀忠。)

(江戸城。写経を続ける江の下に現れた大姥局。障子を開けると祠の前に、夥しい蝋燭が灯されていました。無事を祈って城中の祠に祈りを捧げたという大姥局。祠に向かって手を合わせる江。)

(遅れを取り戻すべく、中山道を強行軍で進む秀忠。しかし、軍勢には疲労の色が濃く、無様な大将だと自嘲する秀忠。)

(大津城。攻撃に晒されている中、兵士達を激励して回る高次と初。激戦が続く中、突然訪れた静寂。それは淀殿と北政所の使者が着いたという知らせでした。)

(今からでも遅くない、三成と和議を結んで徳川を討てという伝言を伝え、高次に会いたいと願う孝蔵主。姉からの手紙を抱きしめながらも、断る初。せめて、初と龍子だけでも城を出られよと薦める孝蔵主に、夫が決めた以上それに従い、ここで死ぬ覚悟と言い、政所と淀殿に伝言を頼む初。)

(慶長5年9月15日。二の丸が落ち、落城寸前となった大津城。髻を切り、これから城を明け渡し、高野山に登って出家すると初に告げる高次。そして初には、龍子と共に縁者を頼って欲しいと頼みます。それは関ヶ原の戦いが始まる日の事でした。)

(大水で橋が流され、道を失った秀忠。彼は全軍の疲れを思い、上流に迂回する事を決めます。)

(関ヶ原。陣を敷いた三成と家康。秀忠はまだかと側近に聞く家康。まだ知らせは無いと答える側近。)

(中山道。疲れ故に、馬から転げ落ちた秀忠。あまりに自分が滑稽なゆえか、笑い出す秀忠。)

(関ヶ原。始まった戦い。)

(江戸城。大姥局と共に、長刀を振るう江。)

(関ヶ原。激突する両軍。)

(中山道。叫びながら疾駆する秀忠。)

(江戸城。秀忠が戦場に間に合わなかった事も知らず、ひたすらに長刀を振るう江。)

浅井姉妹が主役であるこのドラマらしく、戦いの経過にはあまり触れずに、初と江、それぞれの夫婦に焦点を当てた関ヶ原でした。この流れだと一気に勝敗の結末まで行ってしまうのかと思いましたが、意外にも来週に持ち越しでしたね。

小山の軍議はこのドラマオリジナルの展開で、諸将に先駆けて真っ先に口火を切ったのは忠興になっていました。前回のガラシャの死の流れを生かしたのでしょうけど、関ヶ原がお涙頂戴になっちゃったなあという感じです。

実際に口火を切ったのは福島正則で、事前に家康がそうなる様に根回しをしてあったと伝わります。関ヶ原の戦いは徳川方と石田方の根回しの応酬に終始したと言っても良く、双方が相手の非を鳴らし、戦後の報酬を約束して諸大名を味方に引き入れようとしました。小山の軍議においてもそうで、豊臣恩顧の中でも筆頭と言うべき正則が真っ先に徳川方に着くと発言することで、軍議の流れを徳川有利に引き寄せようとしたのだと言われます。

江戸城に帰ってからの家康はひたすら諸大名に手紙を書いていたと言われ、先陣が美濃に着いてからひと月近く江戸を離れませんでした。小山で自分に着くと約束した諸将でしたが、大半は豊臣恩顧の大名であり、どう心変わりするか心配だったのですね。その心根を見極めるための時間稼ぎであり、念を入れた根回しの時間だったのです。ドラマでは、そのあたりは一切スルーでした。

もう一つあれっと思ったのは、いきなり幸村が出て来た事でした。たぶん、後の大坂の陣のための伏線なのでしょうけど、この時は父の昌幸の代であり、幸村の名はほとんど知られていませんでした。秀忠相手に戦ったのも昌幸であり、幸村はまだ父の一将であったに過ぎません。でも、今有名なのは幸村の方ですからね、こういう描き方になるのも仕方がないのかな。

大津城が関ヶ原の当日に開城したのは史実にあるとおりで、歴史の偶然としか言い様がありません。あと一日頑張っていれば、高次も高野山に登る事は無かったのですけどね。

龍子が戦いの最中に気を失ったというのは史実にもあるそうで、実際にはもっと凄まじく、三井寺から打ち出された大筒の玉が天守の龍子の部屋に命中し、彼女の侍女二人を吹き飛ばしてしまったと言われます。このドラマでは、そんな描写はさすがにしかねたのかな。

淀殿と北政所が大津城に使者を出したのも史実にあるとおりで、龍子を城から救い出し、京都まで送り届けたという記録が残ります。ただし、初については何も言及されておらず、実際にどうだったのかは判りません。

でも、今回のドラマの主役はこの初だったと言えるでしょうね。ほとんど脇役扱いだった初ですが、今回は見事な城主夫人を演じていました。初にとっては、このドラマのハイライトと言えるかも知れませんね。

もう一人の主役である秀忠は、ひたすらに走っていました。戦場に間に合わないという恐怖と、総大将としての責任感に押しつぶされそうになり、ついには自分が哀れになって情けなくも笑ってしまうという演技に、秀忠という男の本質が現されていました。

ただ、9月15日に戦いが始まるとは誰にも判っていなかったはずで、ましてや一日で片が付くとは家康でさえも思っていなかったはずです。それなのにあそこまで焦りを感じるというのはどうかという気もするのですけどね。まあ、そのあたりは演出の範囲としておくのかな。

実際の秀忠はどうだったのでしょうね。この時は沢山の譜代の将に取り囲まれていましたし、どれだけ自分の裁量が認められていたのかは判りませんが、この遅参によって武将としての器量が無いという評価を受けた事は確かです。

次回は関ヶ原の戦後処理ですが、遅参した秀忠がどういう叱責を受けるのかが見物ですね。それと、囚われの身となった三成をどう描くのかに注目したいと思っています。

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いよいよ関ヶ原当日。 蛙が鳴き、池に飛び込む。 そんななかで、大姥局は防犯と火の用心。 ある意味では何気に、奥さんの鑑というべきなのかもしれない。 人質に取られることを拒んで自害したガラシャ。...... [続きを読む]

受信: 2011.09.11 22:46

» 江 -姫たちの戦国- 第35回「幻の関ヶ原」 [あしたまにあーな]
ほんわかムードで、大姥局の火の用心シーンに圧倒され「すごいのぉ」の一言しか出てこない場面から始まる今回は、まさかこの後に関ヶ原の戦いが繰り広げられるとは思えないほどの雰囲気です。相変わらず、どの場面に力を入れたいのはよくわからず、色々重要な場面を取り繕って一つの物語にしている感が否めません。 例えば、小山での家康の大芝居については、秀吉恩顧の大名を自分の方につけられるかどうかがかかった大きな出来事なのですが、家康の言動からそのような感じはせずに、その裏で色々と策を巡らせたであろう本多正信もおとなしい... [続きを読む]

受信: 2011.09.12 00:58

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