京都・洛中 京の夏の旅2011 ~木戸孝允旧邸~
京の夏の旅の三カ所目は、木戸孝允旧邸に行ってきました。ここはずっと以前からその存在は知っていたのですが、普段は非公開であるため、なかなか入る事が出来ずにいた場所なのです。
ところがですね、いざ入ってみると、あれっという感じなのです。特に1階の座敷などは実にそっけなく、どこを見れば良いんだ状態でした。装飾らしきものはこの丸窓くらいですからね。
でも、さすがに解説を聞くと見所は判って来て、たとえばこの写真の下、真ん中あたりに斜めになった取手が判るでしょうか。障子の中にこんな取手があるのはあまり見た事がありませんが、これは孝允が考案したものなのだそうです。
他にも壁に一本の竹の棒が埋められているのですが、おそらくは床の間に見立てた装飾ではないかという事でした。
この建物は元々は茶室で、二階が茶席となっています。なんと言っても窓からの景色が売りで、かつては隣の建物も正面の木も無く、鴨川を隔てた東山の景色が一望出来た事でしょう。実際、この眺望が全てとも言って良い茶席だったと思われます。
木戸孝允旧邸とは実は近衛家下屋敷を拝領したもので、河原御殿と呼ばれていました。相当に広大な敷地を有していたらしく、近くのホテルにもまた木戸孝允旧邸という石碑が建っています。この石碑を初めて見た時あれっ、場所が違うじゃないかと思ったのですが、間違いではありませんでした。つまりはそのホテルがあるところまでを含めて邸宅が広がっていたのですね。
この建物は河原御殿の唯一の遺構で、公家邸の特徴を残す、貴重な存在とされています。
もう一つ公開されているのが達磨堂です。木戸孝允の子息である忠太郎は達磨のコレクターであり、50年を掛けて日本中の達磨を集め続けました。その展示室として建てたのがこの達磨堂であり、内部には数万点と言われる達磨が、所狭しと展示されています。
建物も凝っており、屋根の鬼瓦がだるまなら、窓もまた達磨型になっています。それだけでなく、採光を良くする為に高窓を周囲に配置するなど工夫が見られ、ただの趣味のためとは思えない本格的な展示室となっています。ここまで来ると、金持ちの道楽も一つの文化をなしうる好例と言えるのかも知れません。
正直言って、木戸孝允、すなわち桂小五郎に興味の無い人が行っても、あまり面白い場所では無いかも知れません。でも、幕末史ファンにとっては桂小五郎終焉の地というだけで意味があり、ましてや彼が茶の湯を楽しんだかも知れない茶亭に入れるとあれば行かない手は無いでしょう。
京の夏の旅における公開は9月30日まで、料金は600円となっています。
そうそう、ここは他の場所とは違って、拝観料がドリンク代込みとなっています。拝観後、隣にある喫茶ルームでアイスコーヒーやアイスティーなどを頂く事が出来ますよ。暑い時期には嬉しいサービスですね。
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コメント
私は今日、大寧軒と並河靖之七宝記念館へ行って来ました。あまりに暑くてこちらへ足を伸ばす体力が残ってませんでした^^;
投稿: Milk | 2011.08.25 22:01
さすがのMilkさんも暑さには勝てませんでしたか。
ここは神宮丸太町駅から近いので、いつでも行けますよ。
見所は少ないけれど、やはり一度は行っておきたいところです。
後のドリンクもちょっと嬉しかったですよ。
投稿: なおくん | 2011.08.26 00:41