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2011.08.09

京都・洛北 京の夏の旅2011 ~駒井家住宅~

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京の夏の旅の二カ所目は、駒井家住宅を訪ねて来ました。駒井家住宅とは北白川の地にある洋風建築で、ヴォーリーズ建築事務所が設計した建物として知られます。

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駒井家住宅が建てられたのは昭和2年の事で、京都帝国大学理学部教授であった駒井卓博士の住居として設計されました。外観はアメリカン・スパニッシュ様式を基調としており、全くの洋風建築になっていますね。

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1階はダイニングルーム、リビング、サンルーム、和室からなっており、これに台所や風呂などが付属します。まあそのあたりは今の住宅と変わりはないですね。面白いのは全ての窓が二重になっており、和室では内側の窓には障子戸が填められていて、ここが洋風建築である事を感じさせない様になっています。

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玄関ホールには二階に上がる階段があるのですが、その手すりが優美な曲線で出来ており、趣味の良さを感じさせます。そしてなぜか内側の窓には黄色のガラスが填められており、不思議な色合いの空間になっていました。

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2階は寝室とサンルーム、それに書斎からなっています。サンルームにはこのロッキングチェアが置かれており、かつては駒井夫人の為の席だったそうです。

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その椅子に座ると見えるのが大文字でした。ここでこの山を見ながら寛いだ時間を過ごしていたのでしょうか。そして、送り火の夜には特等席となった事でしょうね。

また、二階の各部屋からは比叡山を望む事が出来、眺望を重視した家作りであった事を窺わせます。

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その二階は全室フローリングなのですが、なぜか壁には作り付けの和箪笥がありました。どうにも不釣り合いだと思ったのですが、それは終戦直後にGHQによる接収があったためだと判りました。

駒井博士は遺伝学の権威であり、昭和天皇の侍講でもありました。いわば天皇の側近であった事がGHQに睨まれる原因となり、自宅を取り上げられてしまったのですね。そして数年の間はアメリカ軍の高級将校の住宅として使用されており、その間に畳敷きからフローリングに改装されてしまったのでした。つまりは、元は和室だったのですね。

駒井夫人は実家が教会で、自身も熱心なキリスト者でした。夫の米国留学にも同行しているのですが、そうした経歴とは逆に、普段の生活様式は洋風ではなく和風にこだわったそうですね。常に和服を着て過ごしていたそうで、洋風建築なのに中は畳敷きという形になったのは、そうした夫人の要望が反映されたからなのだそうです。

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ドアノブは洒落たクリスタル製で、青と白が使われています。頂いたパンフレットには部屋の外と内側で色が使い分けられているとあったのですが、実際には部屋ごとに使い分けられているというのが正しい様です。というのは見学者から質問があったからで、案内の方と実際に見比べてみると、どうやらパンフレットの記述が誤りだと判ったのでした。

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こちらが台所です。流し台は後年のものですが、食器棚や手前の作業台は当時のままだそうです。何だか今でもそのまま通用しそうで、当時としてはとてもモダンな作りだった事でしょう。なお、作業台の上の丸い大理石は、パンこね板だそうです。

駒井家住宅は平成10年に京都市指定有形文化財に指定され、平成14年には駒井家から(財)日本ナショナルトラストに寄贈されました。今は夏期と冬期を除いた金曜日と土曜日に公開されているそうで、今回の特別公開は普段の非公開時期に合わせて行われているのですね。ですので、金、土土曜には時間が取れない方には良い機会と言えるのでしょう。

ただし室内はかなり狭いので、ツアー客とぶつかると大変な目に遭うとだけは覚悟しておいて下さい。

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