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2011.07.29

比叡山 延暦寺 ~西塔点描~

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昨日は西塔へとすぐにたどり着いてしまいましたが、今日はその周辺の景色を拾ってみたいと思います。まずはにない堂から。

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にない堂は同じ形をした二つのお堂からなり、常行三昧を修す阿弥陀如来を本尊とする常行堂と、法華三昧を修す普賢菩薩を本尊とする法華堂を、真ん中の廊下で結んだ形をしています。この写真は常行堂ですね。

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にない堂の俗称は、弁慶がこの廊下の下に肩を入れて、二つのお堂を担ぎ上げたという伝説から来ているそうですが、何とも凄い発想をするものですね。そもそもこの廊下にそんな強度があるはずもないじゃないかという事を思う様では、あまりに夢がなさ過ぎるのでしょうか。

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弁慶と言えば、道の途中に弁慶水があります。弁慶が修行していた時に飲んだ水だとも、修行のために千日に渡って仏に供え続けた水だとも、自らが千人力になれる様に祈って千日夜に渡って浴身した水だとも言われています。

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その弁慶水のとなりには、お地蔵様が祀られていました。たぶん何らかの関係があるのでしょうけど、謂われは判らないですね。でも、山の中なのに千羽鶴が奉納されていたところを見ると信心する人も多いらしく、調べてみると面白いかも知れません。

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この日西塔にまで行ったのは、この相輪橖を見る為でもありました。正しくは浄菩提心無垢浄光摩尼幢相輪と言い、塔の最上部だけを地上に突き立てた様に見えます。仏舎利を納める塔とは違って中には写経が入っているのですが、歴史は古く、比叡山が開かれた当初からあったそうです。

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何度となく修理が繰り返されてきたのですが、いま見る事が出来るのは明治28年に改鋳された青銅製のものなのだそうです。この相輪橖の改鋳は当時相当な話題になったらしく、夏目漱石の虞美人草にも出て来ます。そこでは、今の比叡山では相輪橖の他には見るべきものはないとまで言い切っており、文明開化の世にあっては根本中堂などの諸堂は価値の無いものとされていたのでしょう。

実際、私には良く判らないのですが、工芸品としては大変な価値のあるものらしく、改鋳から22年後には早くも重要文化財に指定されています。

そんな相輪橖ですが、今ではその存在を知る人はほとんど居ないのではないでしょうか。場所は釈迦堂の裏手にあり、見つけるのにちょっと迷ったほど入り組んだ所にありました。ここまでわざわざ行く人は少ないでしょうね。

漱石が激賞したものが今では忘れ去られているというのは、時の流れとは言え寂しいものがありますね。どこがどう優れているのか私には判らないためこれ以上は薦められませんが、誰かきちんと解説をしてその価値を説いてくれないものかしらん。でないと、明治の優れた文化財が埋もれている様で、勿体ないという気がしています。

興味のある肩は、西塔へ行くついでにこの相輪橖も見てきて下さい。少し急な坂道を登らなければならないけれど、見つけ出すのは宝探しの様でもあり、結構面白かったですよ。

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