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2011.07.26

比叡山 延暦寺 ~東塔散歩~

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延暦寺は比叡山一帯を境内としているのですが、大きく三つのエリアに分かれます。その一つが東塔、根本中堂がある事で知られるエリアですね。

普通、延暦寺と言えば東塔の事だと思っている人が多いのではないでしょうか。ここには広大な駐車場が整備され、バスターミナルもありますからね。たぶん、東塔を訪れただけで引き上げる人がほとんどではないのかな。

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その東塔を訪れた時、最初に目にするのが大講堂です。根本中堂に次ぐ規模を誇ると聞きますが、確かに堂々たる構えをしたお堂ですね。ただ、このお堂は昭和38年に麓の坂本にあった讃仏堂を移築したものであり、本来のお堂は昭和31年に火災によって焼失しています。

元のお堂は今の1.5倍ほどの規模を持っていたと言われ、裳階が付いていたため外見は2層建に見えるという巨大な建物でした。他の諸堂と同じく江戸時代の再建でしたが、何とも惜しい事をしたものです。

さらに遡れば、平安期に僧兵達が集会を開いていたのはこのお堂の前だったと言われ、ここで気勢を上げては京の町に駆け下って行ったのですね。そんな事を考えていると、ちょっと感慨深いものがある場所です。

お堂の中に入ると仏教に重要な足跡を印した人物の肖像画が掲げられているのですが、その中には法然上人や親鸞聖人、日蓮上人など叡山で修行した後で独自の宗派を築いた人達が綺羅星の様に並んでおり、それを見ているだけでも圧倒される思いがします。なにしろ日本史に名を残す巨人ばかりですからねえ。

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ここは講堂とある様に様々な法会の場とされるのですが、その中でも最も重要な法会が4年に一度行われる法華大会です。一通りの修行を終えた僧侶に対して宗教上の問答が行われるというもので、言わば天台僧にとっての卒業試験にあたるとされています。司馬遼太郎さんの「街道を行く 叡山の諸道」にその様子が記されているのですが、大時代がかったなかなか興味深いものの様ですよ。一般人でも御簾越しになら見る事が出来るような情報もあるのですが、もし本当なら一度は訪れてみたいものだと思っています。

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昨年は「法灯花」に合わせて訪れたのですが、そこかしこに琵琶湖の葦で作ったオブジェが展示されていました。ただ、最初に見た時には護摩壇の様に見えてしまい、夜になると燃やされるのかと思った事は秘密です。

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根本中堂の前の急な石段を登ったところにあるのが文殊楼です。その名の通り楼内には文殊菩薩が祀られており、学業成就のご利益があるとされています。でもどうも見ても門であり、なぜこんなところにあるのかと思っていたのですが、実はこれが延暦寺の山門だったのですね。

今は根本中堂側から登って行く事の方が多いのですが、本来は麓の坂本から登って来た人が最初に潜るべき門でした。という事は、延暦寺会館側にある急な石段を登り、この門を潜った後はまた急な石段を下ってようやく根本中堂にたどり着く事が出来たのですね。谷から谷へと移るためには一度尾根を越えなければならないという事ななのでしょうけど、昔の人は結構敷居を高く感じたのではないかしらん。

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東塔の中には神社もあります。神仏混淆の名残なのでしょうけど、こうしたお稲荷様まであって、ちゃんと世話がされている様ですね。いま見ると何とも不自然な気がしますが、江戸期以前にはごく普通の光景だった事でしょう。

明治の廃仏毀釈の影響は想像していた以上に大きいものらしく、一度ちゃんと調べてみなければいけないと思っているところです。

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コメント

なおくん お久しぶりです。

比叡山延暦寺と言う名前は、良く歴史もので耳にしますが、
早朝の霧の中の延暦寺はとても神秘的で、近寄りがたい感じですね~
でも、大講堂の観光客の姿を見て、ちょっとホットしましたが…

以前大津に住んでいた友人が、ベランダから比叡山が見えまーす!
と写真付きのハガキを送ってくれたのを思い出しました。

投稿: mami | 2011.07.27 20:48

mamiさん、

普段の延暦寺はとても親しみやすい所で、
懐の深い天台宗らしさがあると思っています。
でも、千日回峰で知られるように修行の場でもあり、
朝霧の景色はその事を教えてくれている様な気がします。

比叡山は京都側と滋賀側ではまるで表情が違っており、
京都から見ると険しい姿、滋賀から見るとなだらかな山に見えます。
ですので、延暦寺も大津に向かって開けており、
門前町も大津の坂本にあります。

京都に住んでいると京都の寺の様に思うのですけどね、
実は大津市に属する寺だったりします。

そんな事もあって、昔は京都の町にとっては恐ろしい山だったのかも知れないですね。

投稿: なおくん | 2011.07.28 00:32

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