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2011.05.29

江~姫たちの戦国~20 茶々の恋

(近江、大溝城。江に手紙を書く初。高次との新婚生活が楽しくて仕方がない様子です。)

(大阪城。ほとんどのろけばかりの初の手紙を読み、あきれる江。その一方で、茶々と秀吉の関係に心を痛めていました。)

(茶々と夕餉を摂る江。秀吉の名を聞いただけで箸を落としてしまう茶々。聚楽第の話題にも心ここにあらずといった風情です。)

(龍子に相談に行った江。茶々の振る舞いは悋気に違いないと断言する龍子。懸命に否定する江ですが、龍子の観測は変わりません。)

(今度は宗易の下を訪れた江。ここでも茶々のやきもちだろうという観測は変わりません。茶々にはまだ直接に聞いていないと聞き、江も実はそう思っているのではないかと言う宗易。怒って席を立ってしまう江。)

(茶々になぜ叩かれたのかと頭を悩ます秀吉。)

(廊下でとよと出会った秀吉。その時、茶々が向こうから歩いてくるのに気付き、あわててとよを部屋の中に隠します。無視して通ろうとする茶々ですが、秀吉は思いきってなぜ叩かれたのかと尋ねます。茶々は昼日中から側女と戯れていた事が堪えられない、そして何よりその顔と姿が嫌いなのだと答えます。それ程までに嫌われたのかと座り込む秀吉。)

(聚楽第に移ると言い出す秀吉。その理由は茶々にあるのかと見透かすおね。茶々から顔を叩かれたと言い、心底嫌い抜かれたと布団を被って寝てしまう秀吉。思うところがある様子のおね。)

(秀吉が京に移ると聞いて喜ぶ江。茶々に秀吉が居なくなると寂しいかと鎌を掛ける江。相手は仇だと誤魔化す茶々。心配そうな江。猿が居なくなると叫ぶ江。物思わし気な茶々。)

(その日の夜。茶々を呼び出した秀吉。)

(四阿で月を見ながら、聚楽第に一緒に来て欲しいと切り出す秀吉。思い人になって欲しいと叫ぶ秀吉に、あなたは父母の敵だと答える茶々。かたくなな彼女の態度を見て、きっぽりと諦めると言う秀吉。立ち去ろうとする秀吉に、力尽くで我が物にしようとは思わぬのかと声を掛ける茶々。相手がただの女ならとうにそうしていたと答えて去る秀吉。悲しそうに座り込む茶々。)

(京に移る挨拶に訪れたおね。そのおねに秀吉はと聞く茶々。朝早く発ったと聞き、どこか寂しげな茶々。その茶々に、秀吉の頬を叩いたとかと聞く龍子。気まずげに答えに詰まる茶々。あの側室はちゃらちゃらしていて気にくわなかった、おかげですっきりしたと誤魔化す龍子。そうじゃなと調子を合わせるおね。ご無礼しましたと謝る茶々。夫には良い薬だと答えるおね。憔悴した様子の茶々。何もかも見透かした様子のおねと龍子。気遣わしげな江。)

(半月後、秀吉の北野大茶会の話題を持ち出すヨシ。800を越す茶席がしつらえられ、茶の湯を嗜む者なら百姓、町人を問わず集まれという趣向でした。秀吉も向こうで楽しんでいる様だと言う江に、そうじゃなと上の空で答える茶々。そのまま座り込んでもの思いに耽る茶々を見て不審がる江。そこに秀吉が聚楽第から戻ってきました。そして、茶々に会いたいと言ってきたのです。どこか嬉しそうに、江を制して一人で行くと答える茶々。)

北野大茶会は、1587年(天正15年)10月1日に北野天満宮にて行われました。ドラマでもあった様に、「茶湯執心においては、また若党、町人、百姓以下によらず、釜一つ、つるべ一つ、呑物一つ、茶なきものは焦がしにても苦しからず」という触れを出し、各地から茶人を呼び集めた一大イベントでした。桃山文化の粋を集めたとも言われ、茶道を広めるきっかけとなったとも言われます。この事については以前に記事を書いていますので、よろしければ参考にして下さい。

(そわそわとした様子で秀吉を待つ茶々。小姓を連れて現れた秀吉。ぎこちなく挨拶を交わす二人。しかし、会話をリードしたのは茶々でした。北野の茶会の様子を聞く茶々。九州の肥後で大きな一揆が起こったため、10日の予定を1日で打ち切ったと答える秀吉。)

肥後の一揆とは、九州平定後に、新たに肥後を与えられていた佐々成政の治世に反発した肥後国人達が起こした反乱です。

成政は信長に仕えていた武将で、馬廻から出世したエリートでした。前田利家と共に柴田勝家の軍団に属して戦功があり、越中一国を与えられています。

秀吉とはそりが合わなかったと言われ、清洲会議の後は勝家の陣営に参加しました。しかし、勝家が賤ヶ岳の戦いで敗れ去ると秀吉に下ります。秀吉は成政を許して越中を安堵してやりました。

ところが、小牧・長久手の戦いが始まると成政は家康側に付き、再び秀吉に叛旗を翻します。しかし、信雄が秀吉と和解し家康が兵を引くと、成政は完全に孤立してしまいました。進退窮まった成政は、冬の日本アルプスを越えて浜松にまで赴くという離れ業を見せて救援を請いましたが家康は動かず、またしても秀吉の軍門に下る事になってしまいます。この時は一郡を除いて領国が没収され、自身はお伽衆として秀吉に仕える事になります。

その成政に秀吉が再びチャンスを与えたのが九州征伐でした。この時、成政が戦功を上げたのを認めた秀吉は、肥後一国を与えるという厚遇を見せます。自分に二度までも背いた相手でも、功にはちゃんと報いるという大度を見せたのですね。

この肥後という国は、小さな国人たちが割拠して互いに相争うという、治世の難しい土地でした。そこで秀吉は、決して治世を急いではならぬと成政に言い渡します。ところが成政は検地を急いで行おうとしたため、反発した国人達が反乱を起こしたのでした。反乱を抑えきれなくなった成政は、やむを得ず秀吉の救援を請います。

この成政からの知らせが入ったのが北野大茶会の初日だったという訳で、10日の予定が1日で切り上げられる事になったのです。

肥後の反乱は九州や四国の大名たちを動員して平定されたのですが、今時こそ成政は許される事はありませんでした。肥後召し上げの上、切腹を命じられたのですね。

この成政の転落については、合法的に成政を落とし込む為の秀吉の陰謀とする説があります。つまり、織田家のエリートである成政を、成り上がり者の秀吉がうかつに殺してしまうと各方面から反発を受けてしまう。そこで何度も成政を許した上で、最後は難治の国を与えて自滅を待ったと言うのです。

真偽のほどは判りませんが、一説には成政の能力を秀吉は買っており、肥後を与えたのはその期待が大きかったとする説も有るようですね。

成政はあまり注目される事がない武将ですが、先の冬のアルプス越えは、我が国の冬山登山の嚆矢だとする説があります。また成政に惨殺された愛妾が、立山に黒百合が咲く時に佐々家が滅びると呪いを掛けたとろころ、それが本当になったという黒百合伝説が伝えられるなど、調べると話題が結構豊富な人物なのですね。秀吉の陰になってしまった人物ではありますが、もっと焦点を当ててみても良い武将なのかも知れません。

(今日来たのは、茶々に縁組の話を持ってきたのだと用件を切り出す秀吉。つまりは政のための婚儀かと聞く茶々。それは違うと口を挟む三成。相手とは公家の万里小路でした。万里小路とは300年続く名家であり、信長の娘も嫁いでいるという織田家縁の家でした。つまり、秀吉にとっては何の得にもならない縁組みだと説明する三成。なぜかと問い詰める茶々。両手を付いて、茶々に幸せになってもらいたい、それが父と母を殺したせめてもの償いだからだと答える秀吉。複雑な面持ちで聞いている茶々。そして、返事はと聞かれ、受けると答える茶々。)

(やっと姉を諦めたかと嬉しそうな江。万里小路家が相手とは浅井家の誉れだと喜ぶサキ。秀吉が茶々を思っていたとはと知らなかったとヨシ。もはや終わった事だと江。浮かぬ顔の茶々。茶々に祝いを言う江。どこか上の空の茶々。)

(夜。姉には幸せになって欲しいとヨシと話し合う江。しかし、同時に茶々が嬉しそうに見えない事が気がかりでした。それは江と離れる事が寂しいからだと誤魔化すヨシ。無理に同意する江。)

(四阿で一人月を見ながら、秀吉の言葉を思い出している茶々。そこに現れた秀吉。)

(眠れぬままにここに来たと言い、立ち去ろうとする秀吉に、なぜ縁談をと問い掛ける茶々。自分を側室にしたかったのではないのかと聞く茶々に、それはもう諦めたと答える秀吉。じっと見つめる茶々。そうではない、諦めきれぬ故、けじめを付ける為に縁談を持ってきたのだと言い直す秀吉。ならば三成を寄越せば良かったではないかと問い詰める茶々。それはひと目茶々に会いたかったからだと正直に話す秀吉。これ以上は未練だと言って立ち去ろうとする秀吉。)

(その背中に向かって、未練は持ち続けるべきだ、一度や二度断られたからと言って諦めるなど、それだけの思いしか無かったのだと迫る茶々。驚く秀吉。背を向ける茶々。その手を掴む秀吉。振り払う茶々。そなたは仇だとつぶやく茶々。涙する茶々を見て、仇だからこそあなたに尽くすと言って手を握る秀吉。尽くし抜いてこの手であなたを守り抜いてみせると言いながら、茶々を抱きしめる秀吉。仇じゃと泣きながら抱かれている茶々。守り抜きますと力を込める秀吉。秀吉の背中に手を回す茶々。)

(何も知らずに眠る江。)

今回は茶々の恋というサブタイトルどおりの展開でした。50歳と18歳という実年齢で演じられたら間違いなく引くと思いますが、岸谷五朗は46歳、宮沢りえは38歳ですから、まあ見ていられなくもないという展開でした。やはり仇相手の恋愛というのは抵抗があるものでしょうからね。

それにしても、このドラマは江だけでなく、茶々もまた主人公の一人だと感じた回でした。やはり三姉妹をそれぞれ描ききるというコンセプトなのでしょうね。大変だとは思いますが、次回以降にも注目したいと思います。

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今回は、完全に恋模様一色になってしまいました。これまでの回では少なからず歴史の表舞台とのリンクがあったのですが、今回はそれも全くなく茶々の恋と初のノロケで終了してしまうという、おおよそ大河ドラマである必要性を疑うような内容でした。 始まりは、初のノロケシーンから始まります。京極高次のもとに嫁いだ初は、主人から初がいるおかげで男としての自信を持つことができたといわれ、「自分は幸せだ」と叫びます。その知らせを聞いた江は、何通も来る初からの手紙にうんざりするというシーン。ここから一体何を視聴者に伝えたいの... [続きを読む]

受信: 2011.05.30 00:10

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