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2011.05.06

京都・洛北 賀茂競馬2011 ~上賀茂神社~

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平成23年5月5日、上賀茂神社において賀茂競馬が行われました。元は宮中で行われていた儀式だったのですが、1093年に堀川天皇が上賀茂神社に移して以来、連綿と続けられてきたという伝統の行事です。そして現在は葵祭の前儀の一つとして位置付けられてもいます。

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この日は朝の内は曇っていたのですが、昼近くになるにつれて青空が広がり初め、競馳が始まる頃にはまさに五月晴れという天気になっていました。まあ、そのおかげでじりじりと焼かれる様に暑かったのですけどね。

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なにしろ歴史が深いですから、行事にまつわる儀式が幾つもあり、当日の朝からは禊ぎやお祓いが何度も繰り返される様です。一般の観客が見られるのは馬が馬場に入って来てからとなりますが、そこからもいくつかの儀式やしきたりが繰り広げられます。

この写真は警護衆が馬場内を歩いているところで、行事が無事に行われる様に巡回しているのですね。この警護衆に扮しているのは小学3年生と4年生の児童達で、何とも可愛らしい出で立ちでした。

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警護衆の見廻りが終わると、乗尻が乗った馬たちが馬場を南下して来ます。この時、ジグザク型に9回馬場を横切るのですが、これは九折南下という賀茂悪馬流の流儀で、陰陽道の影響があると言われています。

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左方と右方の両方が九折南下を行い、入場を済ませるといよいよ競馳の始まりです。と言っても、いきなり走り始めるのではなく、馬を馬場に慣らせるために、三遅、巴、小振の儀という作法があって、何度も馬場を行ったり来たりします。

見方によっては本当にのんびりとした行事で、最初に馬が入ってきてからここまで一時間近くが経過しています。初めて見る人は、待ちくたびれてしまう様ですね。でも、この間が無いとただの馬の駆け比べになってしまい、風情が半減してしまう事でしょう。一連の動作の一つ一つの意味を考えながら見ていくと、時間なんてあっと言う間に過ぎてしまいますよ。

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競馳は左方と右方の二手に分かれ、それぞれ一頭ずつのつがいで行われます。ただし、一番目は左方が先に走り、ゴールした後に右方が走り出すという決まりになっています。これは、この競馬には五穀豊穣に関する神意を問うという意味があり、左方が勝つと豊作になるとされている事が関係しています。つまり、五穀豊穣が実現しやすい様に、必ず一番目は左方が勝つ様に仕組まれているのですね。

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二番目からは真剣勝負となり、前の勝負で負けた組が前方に陣取り、勝った組は二馬身程後ろからのスタートする事となります。この二馬身の差が縮まれば後の組の勝ち、縮まなければ先の組の勝ちとなります。

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スタートは二人の乗尻の冠が合った瞬間とされ、おうたー!のかけ声と共に駆け出します。でも、これが見ていて判り難いのですよ。一度は二頭が馬場尻に下がったと思ったらすぐにかけ声が掛かって、写真を撮る暇もなかった事もありました。

その様子は動画の方が判りやすいと思いますので、次を見て下さい。

ちょっと周囲の雑談の方が大きいですが、{おうたー!」という声が聞こえたでしょうか。

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今年の競馬のトピックスとして、中学三年生の乗尻デビューがあります。この写真の子がそうで、なかなか凛々しい姿ですよね。そしてデビュー戦で最古参の乗尻と戦い、見事に引き分けて見せました。きっと将来はこの競馬を背負って行って呉れる事でしょう。

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勝負の判定をするのはこの二人の後見で、差が縮まったかという事の他に、乗尻の技量が勝者として相応しいかなどを判断基準にしているそうです。

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勝った乗尻は禄という白布を貰い、これを身につけて馬場に隣接して設けられた頓宮(神様の仮御座所)に報告に行く事になります。これは最後の組が報告する時の様子で、引き分けだった事から二人揃っての報告となるのですね。

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今年は左方の3勝1敗2引き分けとなり、無事に五穀豊穣が約束されました。右方も手を抜かずに真剣に走った結果ですから、確かな神意と言って良いのでしょう。この神意が文字通りこの国に豊穣をもたらしてくれる事を祈りたいですね。

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コメント

なおくん!  こんばんは

先日の下鴨神社といい、今日の上賀茂神社といい、何とたくさんの行事が京都にはあるのでしょう。 (@_@;)
どれも見応えのある華麗なものだったり、勇壮なものだったり…
さすがに歴史の重みを感じます。 
そして、よくぞ絶えることなく続けてこれたと感心してしまいます。  京都の人々尊敬します。

札幌も少しずつ桜がほころび始めました♪
黄金週間と言っても花見にはまだまだ寒いのですが、それでも短い春を楽しもうと、
震えながら桜の下で宴会をしている私達もすごいでしょう!?  ( ´艸`)プププ

投稿: mami | 2011.05.06 22:42

やはり雅で迫力がありますね。

藤森神社の駈馬はどちらかといえば町衆のお祭なので
身近な上賀茂神社とはまた違った雰囲気でした(*^_^*)

投稿: Milk | 2011.05.07 10:26

mamiさん、

連休の時期に行事が沢山あるのは、一つには端午の節句があるという事がありますが、
もう一つはやはり観光目的という理由からです。

例えば、この賀茂競馬は本当に伝統に基づいて続けられていますが、
斎王代は当初は観光客目当てで始められたものなのです。
でもそれも様式を整え、さらに代を重ねる事で伝統の重みを持ち始めているのですけどね。

縁起は何にせよ、おかげ様で楽しませて頂いているのは確かです。

ところで、札幌は今が桜の季節なのですか。
この季節の北海道はまだ行った事が無いですね。
沢山の花が一斉に咲くという北国の春を見に行きたいです。

投稿: なおくん | 2011.05.07 13:00

Milkさん、

我が家はすっかりこの行事に嵌ってしまっており、
5月5日は賀茂競馬というのが、我が家の恒例になっています。

藤森神社も一度は見たいですね。
でも相当な人出の様な。
観覧席は有料なのですか。

投稿: なおくん | 2011.05.07 13:25

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