京都・洛中 百日紅2010 ~大應寺~
水火天満宮の東隣に、大應寺という寺があります。どういう訳か門前が扇町児童公園になっており、参道というものが無いのですよ。そんな環境ですから何となく近寄り難く、これまで立ち寄る事無く過ごして来ました。それが今回訪ねてきたのは、綺麗な百日紅の花が咲いていたからです。
門前にある立て札に依ると、臨済宗相国寺派に属する禅寺で、山号を金剛山というのだそうです。9世紀初頭に壇林皇后によって非田院が建てられたという由緒ある地で、文明2年(1470年)に後花園天皇が没したとき、その遺骸が火葬された場所でもあるそうです。
その後応仁の乱によって荒廃したのですが、天正14年(1586年)に虚應和尚がその由緒ある遺跡を惜しんで、一字を建立したのがこの寺の起こりなのだそうです。その後も度々火災にあい、現在の建物は文化5年(1808年)以後に再建されたものだそうです。
本尊は釈迦如来、脇侍に迦葉・阿難を安置するほか、後花園天皇の念持仏という観世音菩薩像を祀っているそうですね。
境内には鎮守社として織部稲荷社が祀られています。これは17世紀初頭に古田織部正が伏見稲荷から勧請したものとされ、開運福徳の神、また織物技術の上達の神として、地元西陣の人々からの信仰を集めているのだそうです。
百日紅は、その稲荷社の前に植えられています。この日はまだ十分見頃で、秋空を背景にとても映えて見えました。
非田院はその後東山の地で再建され、現在は泉涌寺の塔頭となっています。ここがその故地とは全く知らなかったですね。
百日紅のおかげで、また一つ京都の歴史を知る事が出来ましたよ。つくづく奥の深い町だと改めて思った次第です。
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コメント
私も水火天満宮にはお邪魔しますが
こちらには寄ったことがないですねA^^;
勉強になりました( ..)φメモメモ
投稿: Milk | 2010.09.25 10:08
Milkさん、
私の様なおじさんにとって児童公園は鬼門でして、
うっかりカメラ片手に入ってしまうと、通報されかねないという危険があります。
ですので、この寺にずっと近寄らずに過ごしてきたのですが、
あまりの百日紅の見事さに引かれて入ってみました。
こんな何気ない寺が意外な縁起を持っているもので、
やはりこの町の奥深さは底知れないと改めて思った次第です。
投稿: なおくん | 2010.09.25 21:57