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2010.05.30

龍馬伝22 ~龍という女~

「文久3年9月末、土佐で投獄される半平太。攘夷派の残党狩りが始まった京都。仲間達の事を案じながらも、海軍塾での修行に励む龍馬。」

半平太が捕らえられたのは、前回に書いた通り文久3年9月21日の事でした。彼が入れられたのは南会所の一角にあった揚り屋(牢屋)で、藁葺き屋根の粗末な建物だったと言われます。その中に頑丈な格子で囲われた部屋があり、昼なお暗く、特に冬になると昼近くになってやっと夜明け程度に明るくなるといった有様でした。

「大阪、勝塾。修行を続ける龍馬達の下に、土佐藩の目付がやって来ました。居丈高に、土佐藩士に対して帰国命令を伝える目付達。ここは幕府公認の塾である、土佐藩の役人が威張る場所ではないと言い返す佐藤塾頭。その声に応じて、役人達を追い返す塾生達。命令に違反した場合、その場で脱藩したとみなすと言い捨てていく目付。仲間の友情に感激する龍馬達。」

これも前回に書きましたが、龍馬が何時、どこで帰国命令を聞いたのかは判っていません。しかし、ドラマの様に、土佐藩の目付が居丈高に勝塾に乗り込んでくる様な事は無かったでしょう。仮にも幕府の直参の屋敷に、土佐藩士が問答無用で押しかける事など出来たはずも無いからです。これって、演出としてもちょっとどうなのでしょう。

「乙女から、龍馬の身の上を案じる手紙と5両の金を受け取る龍馬。土佐では坂本家の人々が、龍馬には志を遂げるまで無事に居て欲しいと願っています。」

これは前回に書いた通り史実としてあります。ただし、その嘆願書を届け出たのは他ならぬ龍馬自身、場所は大阪ではなく江戸の藩邸でした。

「京都。恐ろしく強い何者かに追われる以蔵。彼は傷付きながら、なつの下へと逃げ込みます。しかし、彼女の所にも奉行所から手が回っており、怯えるなつを見て以蔵は夜の闇の中へと去って行きます。」

「大阪、大和屋。自分たちの行く末を案じる亀弥太達。麟太郎が帰国猶予を願い出てくれていると伝える龍馬。」

「長次郞の事を心配する徳。頼りないと言われ、機嫌を損ねる長次郞。そこに、京都からなつが龍馬を訪ねてきました。以蔵を追い出してしまった、彼を助けて欲しいと頼むなつ。引き受けたと飛び出していく龍馬。」

龍馬は以蔵の事を気にしてはいたでしょうけれども、実際に探して歩いたという事実は無い様です。無論、なつは架空の存在ですね。

「土佐、象二郎の取り調べを受ける半平太。東洋暗殺の容疑者として、事件の前後に土佐から姿を消した龍馬、惣之丞、那須真吾らの名前を挙げる象二郎。あくまで知らないと突っぱねる半平太。そして、土佐勤皇党は容堂候への忠義を尽くすために働いて来たという主張を繰り返します。」

半平太への尋問は、ドラマよりもずっと遅く、逮捕の8ヶ月後に始まっています。この間、半平太は牢番を良く手なずけ、富子からの差し入れなどによって、それほど不自由のない生活を送っていました。彼の場合、酒やたばこまで許されていた様ですね。また、絵を描く事も自由で、便宜を図ってくれる牢番に対して礼として与えたりもしていた様です。一時期は猫まで飼っていたとか。

半平太に対する最初の尋問が行われたのは元治元年5月26日の事で、尋問を行ったのは当時の大目付などで、象二郎の登場はこの年の7月9日に大目付に任命されてからの事になります。

「半平太は頑として口を割らないという報告を聞く容堂候。そして、自分に対して武士としての忠義を尽くしてきたという半平太の言葉を聞き、土佐で武士と言えば上士の事である、下士などものの数ではないと吐き捨てます。」

「半平太の家。富を訪ねて乙女が来ています。半平太が捕まったのは何かの間違いだと言って、富を励ます乙女。」

富子は半平太が捕らえられて以後、一日も欠かさずに食事の差し入れを続けていました。半平太はこれに感謝する一方で、味や分量の事で注文を付けたりもしていた様です。獄中の半平太は、意外な程余裕のある生活を送っていたのですね。

「土佐藩の牢。物思いに耽る半平太の耳に、拷問の音と叫び声が聞こえてきます。法により上士は拷問にかけられない、しかし、下士には何をしても良いと嘯く象二郎。半平太の代わりに島村衛吉にしゃべって貰う。以蔵が捕まったらあいつはしゃべるか、以蔵を追っているのは今や土佐だけではないと言い捨てる象二郎。」

以蔵が幕府からも追われる様になったのは、直接には酒の上での刃傷沙汰といった詰まらない出来事だった様です。この頃の以蔵は酒浸りで、あちこちから借金を重ねるといった破滅的なものになっていました。せっかく龍馬が世話をした麟太郎の警護も辞めており、彼を庇う者はもうどこにも居ないという状況でした。

「江戸。嵩に掛かって新たな要求を突きつける外国。それに対抗する術を失った幕府。」

「土佐、材木を売り歩く弥太郎。その弥太郎に、半平太が捕まり大変な事になりかけていると言うのに、何をのんびりとしているのかと突っかかる乙女。自分は半平太には何の同情も持たない。そもそも、収二郎に切腹を命じたのは容堂候。その容堂候に忠義を尽くしていると言うが、当の本人は半平太を嫌っている。その相手から忠義と言われれば言われる程、ますます憎しみが募るものだと言い捨てていく弥太郎。」

「京都。以蔵を探す龍馬。しかし、手かがりは見つかりません。」

「とある寺。床下に潜む以蔵ですが、僧から声を掛けられただけで走って逃げ出します。」

「扇岩という、勤皇派の志士を匿う宿屋を訪ねた龍馬。そこで、以蔵が依然として京都を逃げ回っているという噂を聞きます。主人に誘われるままに、宿に泊まった龍馬。」

「その夜、女が騒ぐ声を聞く龍馬。部屋を出てみると、一人の女中が暴れ、主人夫婦に取り押さえられている所でした。女の名は龍と言い、思わず自分と同じ名だと叫ぶ龍馬。龍馬が暴れている訳を聞くと、5両の借金の形として妹が連れて行かれた、力づくでも取り返してくると言うお龍。借金の形と言うのなら、5両が無ければ無理だと諭す龍馬ですが、お龍は主人夫婦を振り切り、包丁を持って飛びだそうとします。そんなお龍を取り押さえ、乙女から貰った5両を与える龍馬。彼は未だに家族から援助を貰っている事が心苦しい、その金をお龍に渡すから、生きた金にしてくれと言って聞かせます。」

お龍が遂に登場しましたね。彼女こそが龍馬の本命、これから先ずっと運命を共にする様になります。彼女が扇岩という旅館で働いていたのは、彼女自身の懐古談にあるとおりなのですが、龍馬との出会いはかなり違っています。それは番組最後の龍馬伝紀行で少し触れられていた様に、大仏裏の隠れ家においての事でした。この詳細については以前に記事にしていますので、そちらを参照して頂くようにお願いします。

また、彼女が妹を取り返したというのも懐古談にあるとおりなのですが、借金の形に取られたというのではなく、人に騙されて連れて行かれたと言うのが真相の様です。この事についても以前に書いていますので、よろしければご覧下さい。

「土佐。衛吉に対する過酷な拷問が行われています。その叫び声を聞き、止めてくれと叫ぶ半平太。冷酷に無視する象二郎。」

「翌日、再び以蔵を探す龍馬。彼は、新選組が誰かを追っている、また人が殺されるのかという声を聞きます。以蔵の似顔絵を見せ、追われているのが彼らしいと知る龍馬。」

「高知城。もみじを愛でながら酒を飲む容堂候。」

「衛吉の叫び声を聞き、泣き叫ぶ半平太。」

「京都。以蔵の名を叫びながら、路地を走る龍馬。」

「新選組に追われる以蔵。」

「以蔵を探す龍馬。突然、脇の家の障子が開き、以蔵が飛び出してきました。彼は、相手が龍馬とは気付かず、刀を抜いて斬り掛かります。その以蔵を取り抑え、自分は龍馬だ、助けに来たと言い聞かせる龍馬。嬉しさに震えながら、人斬りをしたのは半平太に褒められたかったからだ、半平太の所に帰りたいと泣き叫ぶ以蔵。その時、新選組が現れます。自分が楯になり、以蔵を逃がす龍馬。」

「沖田と土方に以蔵を追わせ、自分は龍馬と対峙する近藤。小競り合いが続く中、以蔵が居たという声を聞く二人。御前は次だと言い捨て、以蔵の後を追う近藤。」

新選組は、危惧していた様に、どうやら殺人集団として描かれるみたいですね。これまでにも何度か書いているのですが、新選組はあくまで警察組織であり、殺人ではなく犯人を逮捕する事を目的としていました。以蔵を襲ったシーンの様に、何も言わずに問答無用で斬り掛かるなどという事は決してありません。せっかく6年前の「新選組!」でイメージを回復したと言うのに、またこれかという感じですね。まあ、龍馬の側から見れば、こんな具合に見えたと言えなくもないと思いますが、それにしても酷いなあ。

来週は池田屋事件が出てくる様ですが、何だかあまり見たくないような気がします。

「路地を抜けた途端、奉行所の人数に囲まれた以蔵。彼は刀を振るって逃げようとしますが、多勢に無勢で遂に捕まってしまいます。」

以蔵が捕まったのはドラマよりもずっと後、元治元年6月頃の事と言われます。この時龍馬が助けようとした事実はありません。龍馬は多分江戸に行っていたのではないかな。

「扇岩。お龍が夕餉の膳を龍馬の部屋に運んできました。お龍は借金の形は付いたと礼を言いながらも、あの5両は必ず返すと意地を張るお龍。それには答えず、何も喉を通らないから膳を下げてくれと頼む龍馬。彼はまたしても仲間を助けられなかったと嘆いていたのでした。」

参考文献:「龍馬 最後の真実」 菊池 明、「坂本龍馬」 松浦 玲、「坂本龍馬 海援隊始末記」 平尾道雄、「龍馬の手紙」宮地佐一郎、「「武市半平太伝」 松岡 司 「龍馬の夢を叶えた男 岩崎弥太郎」 原口 泉

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コメント

お久しぶりです
また、ブログ始めました
よろしかったら遊びに来てやってくださいtulip

投稿: mononoke | 2010.05.31 13:20

おお、mononokeさんだ。お懐かしい!

ブログを再開されたのですね。
これは嬉しい!

早速遊びに行きますね。

投稿: なおくん | 2010.05.31 20:59

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