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2010.01.10

龍馬伝2 ~大器晩成?~

「広い世間が見たいと、江戸留学を父と兄に頼み込む龍馬。しかし、土佐の事も判らぬ者に江戸は早すぎると一蹴され、代わりに堤普請の差配役を命じられます。行った先は久万川、ここで20日以内に堤を完成させよとの命令でしたが、駆り出された二つの村人は仲が悪く、容易な事では作業は進みません。」

「龍馬は懸命に村人に頼み込みますが、下士である龍馬を軽蔑しきっている村人は言う事を聞きません。一計を案じた龍馬は酒を振る舞い、歌を歌って村人達の気を引き立てようとしますが、それも裏目に出てしまいます。」

「その様子を影で見守っていた父は、龍馬の剣術の師である日根野の下を訪ね、龍馬が何者であるかを確かめようとします。返ってきた答えは、剣は強いが何かが足りない、とてつもなく大きいが、その正体は判らない、これまでに見た事が無い人物だという事は確かだという不得要領なものでした。」

「一方で、加尾に縁談が持ち上がっていました。人物、家柄共に申し分のない良縁で、父と兄は乗り気でしたが、加尾は煮え切りません。そして、弁当を作って龍馬の下を訪れます。」

「旨い、旨いと弁当を食べる龍馬に、加尾は自分に縁談がある事を打ち明けました。しかし、龍馬は自分の気持ちを押し殺し、良縁だから嫁に行けば良いと答えてしまいます。私はあなたが好きだったのに、なぜそんな事を言うのか、という言葉を残して走り去る加尾。」

「残された龍馬は、自分は人の心が判らないと気づき、悄然となります。やがて雨が降り出し、村人達は勝手に作業を切り上げて帰って行きます。彼等を引き留める気力もない龍馬でしたが、取り憑かれた様に一人で作業を始めました。」

「しかし、要領の判らない龍馬はすぐに力尽き、泥水の中にひっくり返ってしまいます。そして、わしは一人では何も出来ん!と叫ぶ龍馬の下に村人達が戻ってきました。彼等は龍馬の為ではなく、洪水で命の危険に晒されている者を救うために働くのだと言って、作業を再開してくれました。そして、期日どおりに堤は出来上がったのでした。」

「高知城下に戻った龍馬は、珍しく外で飲んで酔っている父と出会います。そして、自分は一人では何も出来ない、皆に助けて貰ってやっと生きていると判った、だからなおさら世間を知るために江戸に行きたいと懇願します。」

「父はそんなあいまいな理由では江戸行きは認められない、自分を納得させる理由を考えろと言って、日根野から江戸の千葉道場に宛てた紹介状を差し出します。そして、お前の一番得意な剣術を極めるために江戸に行けと言ってくれたのでした。」


龍馬が若い頃、普請の差配に携わった事は史実の様です。ただし、ドラマの様に差配役では無く、父の友人の配下として働いた様ですね。そして行った先は久万川ではなく、幡多郡でした。

久万川とは高知の北方、鏡川の上流にあたる様です。一方、幡多郡とは高知の西部、四万十川のあるあたりですね。龍馬が行った場所を史実と変えたのは、加尾が訪ねて行くという設定を無理なくするためなのかな。

この時の龍馬は19歳(資料によっては16歳)、何の経験もなしにたった一人で差配役を命じられるというのは如何にも不自然ですが、苦悩する龍馬の姿を描きたかったのでしょうか。

史実とされる話では、龍馬の下で働いた工夫が、

「坂本の檀那に使われる時は何の苦もなく仕事が運ぶ。その代わり、仕事が終わった後は疲れ切って五体が利かない。」

と語ったとされています。この頃既に人使いの上手さが顕れていたという逸話であり、ドラマとは随分異なりますね。

ドラマの様に苦悩する龍馬の方が若者らしいという気がしますが、ただ展開があまりにも唐突で、村人がなぜ龍馬を助ける気になったのかが判りません。土木の素人の龍馬に、わずか20日で堤工事を終えよと命令を出すという事も含め、設定自体に無理があり過ぎますね。

まあ、どこにでも居る様な青年が、やがて天翔る龍となるというのがこのドラマのコンセプトと思われるので、このあたりは辛抱して見る所なのでしょう。今後の展開に期待です。

ドラマの主軸とは別になりますが、前回省略されたと書いた継母の伊与が出てきましたね。どちらかというと、龍馬とは仲が悪かったと見る向きが多いのですが、ここでは良き理解者の様に描かれています。伊与の実家に残る資料には、龍馬と乙女がしばしば遊びに来ていたと記されていて、義理の親子の仲は決して悪くはなかったという見方もあり、ドラマではこちらを採るのでしょうか。

また、武市半平太が母の看病をする場面がありましたが、実際にも半平太の看病は心の籠もったもので、見る者の心を打ったと言われます。

次回は江戸に出る龍馬を描く様ですね。そこに弥太郎が偽手形を持って付いてくる様ですが、この設定も創作で無理があるような。まあ、どんな展開になるか、次回を見てみる事にしましょうか。

参考文献:「龍馬 最後の真実」 菊池 明、「坂本龍馬」 松浦 玲

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