« 龍馬伝 ~寺田屋事件~ | トップページ | 龍馬伝 ~寺田屋事件 龍馬逃走経路~ »

2009.10.18

龍馬伝 ~寺田屋事件その2~

Teradaya09101717
(伏見奉行所跡石碑)

龍馬達を襲ったのは伏見奉行所の捕り方でした。この頃の幕府の諜報能力は凄まじく、薩長に歩み寄りの動きがある事、その仲立ちをしているのが龍馬である事、その龍馬が京都へ入っている事など、薩長同盟に向けての動きがほぼ筒抜けになっていた様です。そしてこの日、龍馬が寺田屋に入った事もまた探知されていたのでした。

実のところ、龍馬のごく身近なところにまで多数の密偵が入り込んでいたのですね。その密偵の報告書が残っているのですが、そこに記された情報提供者の中には、後に海援隊士になった桜島丸(薩摩名義で購入した長州の船。一時、龍馬の亀山社中で運用していました。)水夫頭の橋本久太夫、後に陸援隊士になった竹中与三郎が含まれていたのですから驚くばかりです。神戸海軍塾の関係者と思われる人物も居り、近江屋で暗殺されるまでよくも無事で居られたものだと思う程、龍馬の行動は幕府側に的確に把握されていました。

Teradaya09101720
(寺田屋玄関)

龍馬達にとって幸運だったのは、襲撃者が実戦経験に乏しい奉行所の役人だった事でした。人数こそ辺りを埋め尽くす程の数を揃えていましたが、臆病者揃いで最初から腰が引けていたのです。彼等は寝込みを襲うつもりでこの時刻に来たのですが、実は二人が起きていると知るとそれだけで混乱してしまう有様でした。この時、お登勢は表で応対していたのですが、この役人達の様子を見て、何人で掛かろうと龍馬達の敵ではないと安心して見ていたと言います。

Teradaya09101718
(寺田屋 龍馬の部屋。 レプリカですが、それなりの雰囲気があります。)

おりょうの知らせで敵襲に気付いた龍馬は、刀を腰に差し、高杉晋作から贈られたという拳銃を手に腰掛けに座ります。三吉もまた、槍を手にして腰掛けに座りました。待つ程もなく、捕り方が部屋にやって来ます。龍馬がおりょうに命じて唐紙をはずさせると、槍を持った人数が10人ばかり、その左右には6尺棒を持った捕り方が居並んでいました。

暫くはにらみ合いが続きます。その緊張を破る様に龍馬が、何の訳があって薩摩藩士に無礼を働くのかと言ったのをきっかけに、乱闘がはじまりました。捕り方は口々に上意と叫び、槍を投げ、火鉢を投げては騒ぎ立てます。そして、隙を見ては龍馬に斬り掛かってきました。龍馬は拳銃で応戦しますが、刀を受け損ねて両手に浅手を負ってしまいます。

Teradaya09101721
(龍馬の部屋にある弾痕。 当時のものではないにしろ、臨場感はありますね。)

龍馬の拳銃は6連発でしたが、弾が入っていたのは5発だけで、4発までは命中したのかどうか龍馬にもわかりませんでした。最後の一発は三吉の肩を支えにして狙いを定めて撃ったところ、捕り方の一人に中り、その捕り方は「眠るがごとく前のめりに腹ばう様に」倒れます。

これを見た捕り方はさらに及び腰になり、襖や障子を破って大きな音を出すばかりで、手元には踏み込んでこなくなります。この隙に龍馬は弾倉を外して弾を込めようとしますが、手の傷から出る血で指が滑り、思う様に作業が出来ません。2発まで込めたところで弾倉を落としてしまい、足下に散らばった布団や火鉢の灰に紛れて、見失ってしまいます。

龍馬は拳銃を捨て、その旨を三吉に告げました。これを聞いた三吉は敵に切り入って闘おうと言いますが、龍馬は今の内に逃げようと誘います。三吉は龍馬の言に従い、槍を投げ捨てて、龍馬と一緒に裏の階段から階下へと降りました。幸いな事に、捕り方は店の表に集中しており、裏までは誰も来ていません。二人は後ろの家の雨戸を叩き破って中に入り、その家を通り抜けて寺田屋とは反対側の道に出ました。ここにも捕り方はおらず、脱出に成功した二人は街中を走り出します。

以下、明日に続きます。


余談ながら、去年は再建説でマスコミを賑わした寺田屋ですが、展示は以前と変わっていませんでした。寺田屋は再建説を認めていないのだから当然と言えば当然ですが、一切触れないというのもどうなのでしょうね。京都市は寺田屋に展示の変更を申し入れたはずなのですが、無視されたという事なのでしょうか。

それより意外だったのは、来場者のほとんどが寺田屋再建説を知らない事で、オリジナルと信じて疑っていない様子でした。あの騒ぎは一体何だったのでしょう?

以前にも書きましたが、寺田屋で幕末史を揺るがした2つの大きな事件があった事は事実であり、ここが貴重な史跡である事は間違いありません。また、寺田屋そのものも、再建されたものとは言え、江戸時代の船宿の面影を残す貴重な存在である事も確かです。ですから再建説がある事を認めた上で、公開を続けるのがベストだと思うのですが、どんなものでしょう。

一番がっかりするのは、本物だと信じていたのに、後から偽物だったと知る事です。せっかく幕末のロマンを求めて訪れたのに、後に残るのは嫌な思いだけだとしたら詰まらないじゃないですか。再建されたものだとしても、寺田屋には十分史跡としての価値があるのですから、そこはちゃんと説明して欲しいものだと思います。それで来場者が減るとは思えないのですけどね。

|

« 龍馬伝 ~寺田屋事件~ | トップページ | 龍馬伝 ~寺田屋事件 龍馬逃走経路~ »

龍馬伝」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14874/46489210

この記事へのトラックバック一覧です: 龍馬伝 ~寺田屋事件その2~:

« 龍馬伝 ~寺田屋事件~ | トップページ | 龍馬伝 ~寺田屋事件 龍馬逃走経路~ »