龍馬伝~鳥新~
龍馬が暗殺された日に、夜食として食べようとしていたのが軍鶏鍋でした。たまたま部屋に居合わせた菊屋の峰吉に頼んで買いに行かせたのですが、その店が鳥新だったと言われています。
現在の鳥新は縄手通にありますが、当時は四条小橋の東南角にあったとされます。峰吉が来た時にはあいにく売り切れたところで、新しく準備が出来るまで30分程待たされました。そして鶏肉を持って近江屋に戻った時は、惨劇が終わった後でした。
峰吉が最初に見たのは、刀を抜いて二階の様子を伺っている島田庄作という土佐藩士でした。彼は近江屋新助の注進を受けて、土佐藩邸から駆けつけたのです。二階で龍馬がやられたらしいという島田の言葉に、峰吉はそん事はあるはずがないと言って階段を上ったと言います。随分と度胸が良いと思いますが、ついさっきまで平穏に過ごしていた部屋ですから、平然としていられるのも当然と言うべきでしょうか。
しかし、二階の上がり口で藤吉が倒れているのを見つけると、大声を上げて島田を呼びました。そして、二人で部屋の中を見渡し、倒れている龍馬を見つけたのです。
峰吉が軍鶏を買いに行かなかったらどうなっていたでしょうね。おそらく、藤吉と同じように巻き添えになっていたか、あるいは標的が3人になった事で龍馬達が反撃する余地が出来ていたか。また、鶏肉が売り切れておらず、すぐに帰って来ていたとしたら、間違いなく目撃者として殺されていた事でしょう。このあたり、人の運命というものは、どこでどう転ぶか判らない典型という気がします。
鳥新は、水炊きやすき焼きの本来の鳥新と、やき鳥のとり新とに分かれています。鳥新の予算は一人1万円ほどですが、とり新の方はやき鳥1本525円からとかなりリーズナブルになりますね。そして、昼限定で親子丼が食べられます。この親子丼を食べてみたいのですが、どういうものかチャンスが無いのですよね。今度機会があれば、レポートしたと思っています。
なお、峰吉が行った店は現在の鳥彌三ではないかという説もあるようですが、本人が鳥新と証言している事から、それは無いと思っています。店名が変わっているのなら別なのですけどね。
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コメント
歴史の「もし…たら」は面白いですね。
軍鶏が運命を握っていたとは、何とも皮肉に思います。
投稿: 1218 | 2009.09.10 07:44
1218さん、
峰吉と刺客はほとんど入れ違いだったらしく、
本当に運命の綾を感じます。
もし部屋に居たらどっちに転んだか判りませんが、
龍馬が死なずに済んだという目もあったかも知れません。
つくづく歴史というものは、面白いものだと思いますね。
投稿: なおくん | 2009.09.10 20:40