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2009.08.05

京都・祇園祭2009 山鉾巡行~蟷螂山から伯牙山まで~

Tourouyama0908051

山6番は蟷螂山。祇園祭の案内書には「とうろうやま」とありますが、行列の先頭を行く垂れ幕には「かまきりやま」とふりがなが振ってあります。つまりは、どちらで呼んでも構わないという事なのでしょう。巡行中の写真は上手く撮れなかったので、宵々々山の写真を貼っておきます。

山の由来は蟷螂の斧の故事から来ています。

中国の春秋時代、斉の君主に荘公という人が居ました。ある時荘公が猟に出たところ、馬車の車輪の前に小さな虫がいる事に気付きました。良く見ると小さな斧を振るって、馬車の車輪を叩こうとしているところです。興味を持った荘公が御者にその虫の名を聞くと、蟷螂という名の虫で、進む事をのみ知っていて引く事を知らない、自分の力を顧みずに敵に向かって行くのです、と答えが返って来ました。荘公はこれが人なら天下の勇者となろうと言って馬車を迂回させ、蟷螂に道を譲ったのでした。

この故事を受け、後漢末期に遠紹の幕僚であった陳琳という人が、曹操打倒の檄文を著した時に曹操軍の劣弱さを諷して、「蟷螂の斧を以て隆車の隧を禦がんと欲す。」と記しています。

蟷螂山にはさらにもう一つの出来事がからんでいます。

日本の南北朝の頃の話として、北朝方の内紛に乗じて南朝方が一時京都を回復した事がありました(1351年の事)。南朝の軍が京都を占領し、後村上天皇は吉野を出て京都の南郊にある男山まで来ていたのですが、近江にあった北朝方の足利義詮が反撃を開始します。義詮は南朝方の軍を破って京都を奪還し、さらに男山を包囲しました。後村上天皇を脱出させるために南朝方の諸将は義詮の軍に戦いを挑みますが、その時に殿を勤めたのが四条隆資でした。隆資は公卿の出ながら武勇に優れた人で、南朝の中でも重きをなしていた人でした。しかし、この時の戦いは多勢に無勢であり、義詮の前に無惨に敗れてしまいます。それでも後村上天皇が落ち延びるための時間稼ぎにはなり、天皇は無事に吉野までたどり着く事が出来ました。

この四条隆資の戦いぶりに敬意を表して、1376年(永和)に御所車に蟷螂を乗せて巡行したのがこの山の始まりという事なのですね。

動画はもっと撮ってきたのですが、手ぶれが酷くてアップ出来るのはこの程度です。やはり、ゆっくりとは言え動いている物を手持ちで撮るのは、とても難しいですね。ただ、一通りの動きは判って貰えたかと思います。

Aburatenjinyama0908031

山7番は油天神山です。油小路通の天神様をお祀りする山ですが、とてもコンパクトにまとまった山ですね。やはり梅の花が印象的です。ちょっと失敗したのは見送りを撮っておかなかった事で、梅原龍三郎画伯の富士山を原画とした綴織だったのですね。来年は新町通で、見逃さない様にしなくちゃね。

Uradeyama0908031

山8番は占出山。船鉾と同じく神功皇后の外征を主題とした山で、渡海の前に肥前国松浦で鮎を釣り上げ、戦勝の兆しとしたという説話に基づいています。この山もまた一度も訪れた事がない山なのですが、右手に釣り竿、左手に釣り上げた鮎を持ったご神体を、ちゃんと見ておきたいところですね。

ご利益も船鉾と同じで安産なのですが、この山がくじ引きで早い順番を引き当てた年は、女性のお産が軽いと言われているそうです。今年の8番は、早い方と言えるのかな。

Taisiyama0908031

山9番は太子山。唯一松の代わりに杉を立てる山であり、遠くからでも木の姿が違う事で見分けが付きますね。

Hakugayama0908031

山10番が伯牙山。友を失った伯牙が、悲しみのあまり琴の弦を切ってしまうという故事を主題にした山であり、かつては琴破山と呼ばれていました。

伯牙が手にしているのは斧であり、弦を切るには少し大仰に過ぎますよね。このご神体を見る限り、琴を打ち破ろうとしている所と見た方が良い様な気もします。

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