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2009.08.06

京都・祇園祭2009 山鉾巡行~橋弁慶山から鯉山まで~

Hasibenkeiyama0908031

後祭の舁き山で最初に巡行するのが橋弁慶山です。この山は毎年北観音山の次と順番が決まっている、舁き山唯一のくじ取らずなのですね。この山には2006年2007年に訪れており、町家の二階に展示されているご神体を拝ませて頂きました。

この山の主題は謡曲の橋弁慶、言わずと知れた義経と弁慶の出会いの物語ですね。一般に知られている話では、五条橋で弁慶が千人切りをしているところに義経が現れるのですが、謡曲の場合は義経の方が辻切りをしている事になっています。そこに五條天神に丑の時参りに行こうとする弁慶が差し掛かったのですが、すれ違いざまに義経が弁慶の長刀の柄を蹴り上げて、切り合いとなってしまいます。いきり立つ弁慶ですが、義経の身のこなしは軽く、翻弄されていく内に相手がただ者ではないと気づき、さらに源氏の御曹司である事を知るとその従者となる事を誓ったのでした。

弁慶の行き先については能の流派によって異なっており、北野天満宮、あるいは十禅寺に参籠に行くという筋書きもあるそうですね。

この山の見所の一つは、欄干の上に片足で立つ義経にあります。と言っても、ビニールで覆われていては見えないのですけどね。アクロバット的と言えば、浄妙山に匹敵する面白さでしょう。来年はもと判りやすい写真を撮ってこようと思っているところです。

後祭の山1番は黒主山だったのですが、既に巡行時の様子を紹介していますので、ここでは省略させていただきます。

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山2番は鈴鹿山。鈴鹿峠で悪鬼を退治したという鈴鹿明神を祀る山です。穢れを祓うという女神様なのですが、ここでは長刀を手にした勇ましい姿となっています。

鳥居の間に見えている丸いものは、悪鬼の首を現す赤熊です。美人で有名な女神様と悪鬼の首という組み合わせはちょっとシュールの様な気もしますが、それだけ霊験あらたかな神様という事なのでしょう。

なおこの山は、辻回しの時に山を担ぎ上げ、何度かその場で回ってみせるというパフォーマンスを行っていました。舁き山とは名ばかりという批判に対して、せめてもの心意気を見せたという事なのでしょうか。このパフォーマンスは、他の幾つかの山でも行っていましたね。

山3番は八幡山でしたが、この山もまた紹介済みですので、ここでは割愛します。

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山4番は役行者山。この山については去年に詳しく紹介していますが、役行者が一言主神に命じて、葛城と大峰の間に石橋をかけたという伝説に基づいています。ご神体としては役行者と一言主神、それに葛城神があります。

真松の下の洞の中に居るのが役行者、左の赤熊が一言主神、右で輪宝を掲げているのが葛城神です。

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伝説では一言主神が出てきますが、これが謡曲になると葛城神に変わります。本来は葛城神は一言主神の別称であり、同一の神であるはずのところなのですが、謡曲では葛城神は女神となっています。そこでこの山では二柱の神として別々の人形としたものなのでしょう。

この山でもまた、辻回しの時に担いで回るというパフォーマンスを見せて呉れました。

Koiyama0908031

山5番は鯉山。いわゆる登竜門をモチーフにした山ですね。

中国の黄河の上流に、龍門という急流がありました。この川は普通の鯉ではとうてい登る事が出来なかったのですが、登りきった鯉には霊力が宿り、龍に変じると言われていました。この事から、難関を突破した人には立身出世が待っているという意味で、登竜門と呼ばれる様になったのですね。

鯉山の鯉は、今まさに龍門を登ろうとしているところを現し、鯉の下には激流の彫刻が施され、そして鯉の前には滝を現す白麻緒が下げられています。鯉の長さは1.5mもあり、左甚五郎作と言われています。また、山には鳥居と祠もあって、八坂神社の神様である素戔嗚尊が祀られているそうです。

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鯉山の前掛け、胴掛け、見送りなどは、元は一枚のタペストリーでした。ベルギーのブリュッセルで織られたもので、江戸時代の初め頃に日本に入ってきた様です。全部で5枚あったのですが、そのうち3枚を会津藩から天寧寺へと移され、さらには換金のために売却されてしまいました。そのうちの一枚を鯉山が手に入れたという事ですが、重要文化財に指定されるほどの逸品なのだそうです。鯉山ではそれを惜しみもせずに裁断し、山の懸装品として使っているのですから、なんとも贅沢な話ですよね。

現在では複製品が整備され、オリジナルは京都国立博物館で保管されているそうですが、宵山には見る事が出来る様ですね。ここも来年は是非訪れてみたいところです。

山6番は浄妙山でしたが、ここも紹介済みなのでここでは省略させていただきます。

さて、半月以上に渡って祇園祭を特集し、とりあえず全ての山鉾は紹介する事が出来ました。皆様には長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。

しかし、この程度ではごく表面をなぞったに過ぎず、祇園祭の魅力を伝え切れたとは思っていません。まだまだ知らない事の方が圧倒的に多いというのが実情でして、これからさらに詳しく調べて行きたいと思っているところです。祇園祭は本当に奥が深いですよ。

来年に向けての宿題も沢山出来た事ですし、一年後の祇園祭の取材に行くのが今から待ち遠しい気分です。


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