京都・洛中 平成21年度 廬山寺「追儺式鬼法楽」
2月3日の節分の日、今年も廬山寺の「追儺式鬼法楽」を見るために出掛けてきました。
去年も書いているのですが、この行事は、廬山寺の開祖である元三大師が、宮中において悪鬼を、独鈷、三鈷の法器を用いて降伏させたという故事に基づくものです。
今日は昼過ぎから生憎の雨模様となり、廬山寺に行くかどうかはかなり迷いました。後ろの列になったとして、前で傘を差されたらまるで見えないですからね。また、最前列が取れたとしても、今度は後ろの人の事を考えると、自分が傘を差さずに濡れなければなりません。
結果として1時間20分ほど前に廬山寺に入り、なんとか最前列は確保出来ました。フード付きの防水防寒の上着を着ていたので、行事が始まれば傘無しで過ごす覚悟です。
待つこと1時間20分、そこからさらに鬼が出てくるまで20分は掛かったかな。しかし、雨の中を頑張った甲斐があって、目の前を行く鬼は凄い迫力でした。特に赤鬼の持つ松明が目の前を通り過ぎ、冗談ではなく熱かったですよ。
三匹の鬼はそれぞれ貪欲、怒り、愚痴を表し、赤鬼は剣、青鬼は大斧、そしてこの黒鬼は大槌を持っています。これらの武器を手に人間界で暴れ回り、人々を混乱の渦に巻き込もうというのでしょうね。
鬼は太鼓と法螺貝の音に合わせて四股を踏み、辺りを睥睨しながら大師堂へと向かって行きます。このあたりは動画を見て貰った方が様子が良く判るでしょう。
画面が揺れて少し見にくいかも知れませんが、大体の様子は判って貰えるかと思います。
鬼達はこの後、僧侶達が修法をしている大師堂に入り、その周囲を踊り回ってその邪魔をしようと試みます。そこで現れるのが追儺師です。
追儺師は法弓を東西南北、それに中央に向けて5本の矢を放ち、悪鬼邪霊を降伏させるという役目を持ちます。この様子も動画に撮って来たのでご覧下さい。
昨年はこの法弓師役をするはずだった方が突然倒れたため、この場面がありませんでした。ですので今年初めて見たのですが、この鬼法楽においてはとても重要な役だった事が判りました。台詞も長く複雑であり、この役をする方は大変な努力を必要とするのでしょうね。
今年の方は多分後継者と思われますが、とても堂々としており、また何より声が俳優の様に落ち着いていて、見事にこの役をこなされていました。それは素晴らしかったのですが、その一方で昨年この役を全うする事が出来なかった法弓師の方の無念も判った様な気もします。さぞかし、悔しい思いをされた事でしょうね。
最後は、降伏した鬼達が、きりきり舞いをしながら退場をして行く場面です。これも動画でご覧下さい。
鬼法楽が終わった後は、餅と蓬莱豆が撒かれます。今年は餅を2個ゲットすることが出来、とてもラッキーでしたよ。
雨の中を2時間以上も立ち続けた訳ですが、それだけ大変な思いをしただけの事はありました。それほど気温が低くなかった事も幸いしましたしね。ただ、最後は疲れ切ってしまい、鬼のお加持を受けるだけの元気が無かったのが心残りです。
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コメント
今年はなんて迫力のあるお写真なんでしょう!
廬山寺「追儺式鬼法楽」に行った気になりましたよ。
雨の中をご苦労様でした。
そしてありがとう(^◇^)
投稿: Milk | 2009.02.03 23:03
Milkさん、
頑張って最前列を確保した甲斐がありましたよ。
目の前過ぎて、写真が撮れなかった事もありましたけどね、
この行事を堪能する事が出来ました。
終わってみれば、雨もまた一つの思い出となりそうです。
投稿: なおくん | 2009.02.03 23:40
最前列ならではのクリアな写真と動画
ありがとうございます。
雨の中、お疲れ様でした。
風邪引かないようにしてくださいね。
投稿: zuzu | 2009.02.04 10:56
ここを開いたとたんに青鬼さんにびっくり仰天してしまいました。(^^)
まるでその場にいるような迫力ですね。
冷たい雨の中長時間大変だったと思います。
お疲れ様でした。
こんなすごいショットと動画を見せていただけてほんとによかったです。
投稿: やんやん | 2009.02.04 20:14
zuzuさん、
去年は後ろの方から鬼の頭だけしか撮れなかったので、
今年はどうしても全体を撮りたかったのです。
雨は大変でしたが、反面場所取りをする人が少なく、
遅く行った割には最前列を確保する事が出来ました。
ですから、恵みの雨という見方も出来ますね。
幸い震え上がる程の寒さではなく、何とか風邪は引かずに済んだ様です。
有休を取った上に風邪でさらに休むなんて言ったら、
顰蹙ものですからね。
投稿: なおくん | 2009.02.04 21:08
やんやんさん、
目の前に大きな鬼が居るものですから、
撮るのも結構大変でした。
冒頭の青鬼を撮った時には、身体を仰け反らしてフレーミングをしています。
ファインダー越しに見た鬼達は、迫力満点でしたよ。
撮っている間は雨も気にならなかったのですが、
合間の待ち時間が長かったのが大変でした。
2回目なので、先の展開を知っていたから何とか待てましたが、
初めての人には結構辛い時間だった事でしょうね。
投稿: なおくん | 2009.02.04 21:18
こんばんわ
やはり行かれたんですね。
いいですね~鬼の凄い迫力というか
愛嬌というか(笑)
休みの日になれば
ぜひとも見たいものです。
こちらで愉しませていただき感謝。
投稿: 松風 | 2009.02.05 22:51
松風さん、
無理をして休みを取っただけの事はありました。
おかげでその前後が大変でしたが。
確かにこのメタボな鬼は、迫力と共に愛嬌がありますね。
そのあたりがこの行事の人気がある所以でしょうか。
今度はぜひ生で見て下さい。
やはり画像では判らない迫力が味わえますよ。
投稿: なおくん | 2009.02.06 21:45
初めて書き込みさせていただきます。
おじゃまします。
迫力のある写真と動画、感動しました。
実は、赤おにはわたしの家族がやらせていただいています。10数年前からこの鬼法楽の継承に携わっていろようですが、私は関東に住んでおり一度も見に行ったことがありません。毎年一生懸命練習をしていることはきていたのですが動画で見たのははじめてで身内ながら感動してしまいました。
こんな話をすると夢が無くなってしまいますかね。ミッキーマウスに知り合いが入っている!と自慢するのとは違うんですけど。
毎年京都新聞の記事を見る程度だったので、本当にうれしかったです。お礼の意味を込めてかきこませていただきました。すみません。
今年は午後からあめが降っていたときいていました。よくお参りいただきました。ありがとうございました。また来年もぜひ行ってください。
投稿: okp | 2009.02.09 09:03
okpさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
なんと、赤鬼さんの身内の方なのですか。
世の中は狭いと言いますか、ネットの威力を感じますね。
赤鬼さんは、出待ちの時からカメラマン達にカメラ目線をくれるという、
なかなかサービス精神旺盛な方でした。
鬼の演技は3匹ともそうですが、とても年季の入った堂々たるものでした。
鬼らしい威厳と、愛嬌のあるユーモラスな所作との両立は難しく、
余程の練習を積まないと、ああは行かないでしょうね。
今年は雨で足下が滑って大変だった事と思います。
そんな中での熱演は、素晴らしいの一言でしたよ。
赤鬼さんには素敵な演技を見せて頂き、ありがとうございましたとお伝え下さい。
そして、この大切な伝統を末永く伝えて行って下さる様、
よろしくお願いいたします。
投稿: なおくん | 2009.02.09 21:26
(*^.^*)
つたえておきます。
10数年前にこの鬼踊りに携わり始めたときは
黒鬼でした。数年後に青鬼に昇格??して、今年から
赤鬼を踊らせてもらえるようになったそうです。
かなり体力が必要だそうで、昨年まで長年赤鬼を
つとめていらっしゃった方は引退されたようです。
たまたま飛び込んだサイトできれいなお写真をたくさん
拝見させていただきました。
私ももともと京都生まれなのですが、関東に引っ越してしまい、なかなか京都の四季を見に行くことができないのでとても懐かしくうれしくなりました。
ありがとうございました。
投稿: okp | 2009.02.09 22:33
okpさん、
ははあ、鬼にもそういう序列があるのですね。
知らなかったなあ。
赤鬼はやはり先頭を行きますし、手に松明を持っていますから、
一番難しい役目なのでしょうね。
特に狭い堂内では気を遣う事でしょう。
外から見ているだけでは判らない貴重な情報を届けて頂き、
どうもありがとうございました。
これからもよろしければ、また遊びに来て下さい。
投稿: なおくん | 2009.02.09 22:52